関西カワハギ入門者必見 ローエンドモデルの可能性 / 和歌山県加太港 三邦丸
2004年の発売以降、熟成を重ね現在も進化を止めない極鋭カワハギシリーズ。
そのポテンシャルの高さは今更説明するまでもなく、多くのトップトーナメンターが様々な大会で成績を残していることからもそれは明らかだろう。
カワハギ釣りにおいて、ハイエンドモデルが圧倒的な武器となることは周知の事実でもある。しかし、このようなロッドを入門者が持つ事は稀ではなかろうか。
今シーズンの西日本カワハギ釣り活況の記事を見て、カワハギ釣りをしてみたいという方向けに専用ロッドの必要性とお手頃価格の商品をご紹介します。
今回ご紹介するタックルは、
◉ロッド: カワハギX M-180、アナリスターカワハギ 91-172・E
◉リール: フネX 100HL
◉ライン: UVF PE デュラセンサーx8+Si2 0.8号
今回は、12月13日に和歌山県加太港/三邦丸さんで開催されたカワハギイベントでの実釣インプレッションを交えてお届けします。
私のカワハギ釣りの歴史を紐解くと、初めて手にしたロッドは「本命カワハギ210」というダイワ製のロッドで、当時の店頭販売価格は一万円弱だったと記憶しています。このロッドを選定した理由として、この先続けるかどうかわからないジャンルの釣り道具にあまりお金をかけたくないという気持ちが大きかったというのが本音です。
ただ、カワハギ釣りにおける専用ロッドの重要性は理解していましたので、とりあえず一番安価なメーカー品をセレクトしました。
これからカワハギ釣りに行ってみようという皆さんの選択肢は、
①手持ちの他魚種用のロッドを流用する
②船宿の貸し竿を借りる
③専用ロッドを購入する
上記の何れかが当てはまるのではないでしょうか。
ここで、カワハギ専用ロッドがどうして必要かというお話に戻ります。
カワハギは、ホバリング状態でエサを啄むので、そのアタリを感じる繊細な穂先を持ったロッドが必要となります。
この答えは大正解ではありますが、ダイワカワハギロッドでは「メタリアカワハギ」以上でないとその感覚(視認することが可能なアタリ)は体感出来ません。穂先が振るえるようなカワハギの吸い込みアタリを表現するには、「メタル系穂先」が採用が必須となります。
それでは、上記①のパターンの考察に移ります。カワハギロッドの基本調子は、9:1や8:2調子だと言われています。しかし同じ表記でもカワハギ用ロッドは、他魚種用の8:2調子とは少し調子が違うような気がします。これは、ベリーからバットにかけてのセッティングの違いが大きく影響しているのではないでしょうか。
ダイワカワハギロッドの表記からもお分かりになるように、「1244 / 極鋭カワハギ レッドチューン AGS VS」や「1245 / 極鋭カワハギ EX AGS ZERO (廃番)」などもベリーからバット部にかけてかなり強めのセッティングとなっています。
他魚種ロッドの流用では、同じような調子に見えても仕掛けを動かすという点においてカワハギ専用ロッドには及びません。
次は、②のパターンについてご説明します。船宿の貸し竿の選定基準として、第一に折れたり破損しないことが重要視されます。然るに、カワハギロッドのような極端な調子を嫌います。他の魚種にも貸し竿として流用したいので、どちらかというと胴に入り気味の調子が多いと思われます。また安価な製品が多く(破損や海に落とすなどのリスクを考えると当然ですが)、感度や重量面でもカワハギ専用ロッドには遠く及びません。
では、③のパターンのカワハギ専用ロッドについての説明に移ります。カワハギ釣りを始めるにあたって、「極鋭カワハギシリーズ」などのハイエンドモデルを購入する方はごく一部の方々です。釣具にお金をかける余裕がある。または、知人がハイエンドモデルを使用しており、性能的メリットから『極鋭カワハギシリーズ以外では釣果を伸ばせない』と考え知人にロッドセレクトしてもらったなど。ある意味資金的に余裕があったり、事前に情報を持っているような方々がハイエンドモデルを購入するパターンが多いような気がします。
私がカワハギ釣りを始めた時と同じようにハイエンドモデルではない「アナリスターカワハギ」や「カワハギX」を購入するメリットや、①②のパターンと比較してこれらのロッドの優位性をご説明します。
先ずは、ダイワカワハギロッドのローエンドモデルである「カワハギX」をご紹介致します。
下画像は、12月13日加太釣行時に「カワハギX」を使用して釣り上げたカワハギです。
カワハギのサイズは、15cm程度。いわゆる「ワッペン」と言われているサイズです。
カワハギ釣りの場面においてハイエンドモデルは、『微細なカワハギの触りを感じる』事が重要視されます。
しかし、当日使用した「カワハギX」や「アナリスターカワハギ」に私が求めたものは、微細なアタリを察知することではありません。私がこの二本のロッドに求めたのは、針先に付いたエサを自在に動かせる性能です。
①②のパターンでは、仕掛けを上げたらアタリも感じなかったのにエサが全て無くなっていたという経験をされた方が多いのではないでしょうか。上下に手を動かして誘いを入れてはいるが、ロッドのセンター部で動きが吸収されてしまい穂先まで動きが伝わっていない場合がよく見受けられます。ここに『ワッペン』が群がったら、なすすべもなく瞬時にエサを丸裸にされてしまいます。専用ロッドを持つことにより積極的にエサを動かせますので、誘い分けによりエサを保持することも『ワッペン』を掛けることも可能となります。
『ワッペン』が混じるポイントで大型カワハギを狙うのであれば、如何にエサを残すのかを考えピンポイントでボトム付近でゆっくりとした誘いを交えてみてください。
和歌山加太エリア、和歌山中紀エリア、徳島阿南エリアでは、「M調子」がお勧めです。
リールは、「フネX 100H」。ラインは、PE0.8か1号がお勧めです。
◉ロッド: カワハギX M180 メーカー希望本体価格 @16,900円
◉リール:フネX 100HL メーカー希望本体価格 @12,200円
*実売価格は、釣具店や通販サイトでご確認ください。
続いて、「カワハギX」の一つ上位モデルである「アナリスターカワハギ」をご紹介致します。
ローエンドモデルである「カワハギX」と価格差は、メーカー希望本体価格で7千700円。私自身この二機種を同時に使う機会がなかったため、価格面から今までは「カワハギX」をお勧めしていました。
今回使用した「アナリスターカワハギ 91-172」の感想を率直に述べると、「カワハギX」との差額分の価値はあると感じました。
「アナリスターカワハギ 91-172」にリールを付け手にした瞬間感じたのは、「カワハギX」と比較してかなり持ち重り感が軽減されているなということでした。「カワハギX」と比較して80ミリ短い全長と、ロッドバランスの良さが持ち重り感の低減に大きく寄与しているような気がします。
そして、「エアセンサーシート」の採用により、ロッドとリールを包み込むように持つ事ができます。「エアセンサーシート」は、感度や軽量化の恩恵以上に、手や指にかかる負担を軽減できることが最大のメリットなのかもしれません。
次に仕掛けを投入しての「アナリスターカワハギ 91-172」のインプレッションに移ります。
一般的に「9:1調子」と「8:2調子」を比較すると「9:1調子」の方がロッドとして硬いイメージを持ちがちです。
しかし「アナリスターカワハギ 91-172」は、「カワハギX M-180」よりしなやかな印象を受けます。トップからバット部のセッティングや穂先に採用されている「メガトップ」が大きく影響していると思われます。
◆ダイワテクノロジー : メガトップ
実釣当日、「アナリスターカワハギ 91-172」でも『ワッペン』から『尺カワハギ』まで取り込むことが出来ました。
個人的には、「カワハギX」より「アナリスターカワハギ 91-172」の方が扱いやすく伝達感度にも優れ、入門用ロッドとして最適な調子だと思います。
専用ロッドを持つとカワハギ釣りの楽しさが広がるとともに、カワハギ釣りの奥深さが垣間見れます。
ストレスなく一日を過ごすため。釣果を伸ばすため。家に帰って美味しく食卓を囲むため。
専用ロッドは、新たな世界をあなたに見せてくれるはずです。
◉ロッド: アナリスターカワハギ 91-172 メーカー希望本体価格 @24,600円
◉リール:フネX 100HL メーカー希望本体価格 @12,200円
*実売価格は、釣具店や通販サイトでご確認ください。
カワハギが掛かった時の動画は、下記のQRコードを読み込んで『Instagram』内よりご覧になれます。
そしてカワハギ釣りを始めてみたい、カワハギ釣りが上手くなりたいという方へのアドバイスをお伝えします。
私自身の経験上、最初のロッドとしてハイエンドモデルをいきなり購入することはお勧めしていません。
最初は、「カワハギX」や「アナリスターカワハギ」などの安価モデルを数年使い込んでみることが大切です。それらのロッドから伝わる海底の状況やカワハギからのコンタクトをなるべく手で感じ取れるようにしてみてください。
そして、二本目のロッドとして購入するのがハイエンドモデルです。お勧めは、「極鋭カワハギシリーズ」の中でも標準調子である「極鋭カワハギ レッドチューン AGS VS」等が良いのではないでしょうか。
● 極端な調子のロッドは、調子の違いから戸惑いを生むだけなので標準的な調子のロッドをお選びいただいた方が無難です。
ここで「極鋭」というロッドを初めて手にする事によって、今まで見えなかった情報が一気に流れ込んできます。この情報を精査する作業がカワハギ釣り上達のキーポイントとなります。ハイエンドモデルを最初から持つと、得られる情報が多すぎて本来気づかなくてはならない情報を見落としがちになってしまいます。安価モデルからハイエンドモデルに持ち替えたイメージを端的な例に例えるなら、夜間近眼の方が車に乗っていて、眼鏡を外した状態から眼鏡をかけて視界が一気にクリアになるようなイメージです。
一見遠まわりに見えますが、このステップはカワハギ釣りにおいて大きな財産となります。
このアドバイスを聞き実直に取り組んだのが、昨今『三邦丸』や『かるも丸』で竿頭常連の井戸さんです。
当日も爆釣されていました。
イベント当日ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
【DOCUMENTS 】
⭐︎S-sense Report (対談記事:魚種マーク赤地)
2023年1月 西村豪太:極鋭エギタコMH-172 DEBUT
2022年8月 西村豪太:2022エギタコパーフェクトセミナー
2022年7月 西村豪太:極鋭エギタコS-176開発秘話
2022年6月 渕上拓矢:広島エリアひとつテンヤ真鯛釣り
2022年5月 清水恭仁:エギタコSタイプ
⭐︎製品インプレッション (魚種マーク白地)
2023年1月 カワハギX、アナリスターカワハギ
2022年4月 極鋭エギタコS-176
2022年1月 極鋭エギタコS-176
2021年2月 アナリスターエギタコMH-175
2020年7月 アナリスターエギタコS-185(広島)
2016年5月 タコX アナリスターエギタコ
⭐︎フィールド
【船タコ】
2022年7月 明石丸松乗合船
2019年8月 広島遊漁船Credo 明石丸松乗合船
2019年7月 明石丸松乗合船
2018年5月 明石魚英
2017年6月 明石丸松乗合船
2016年8月 明石丸松乗合船
2016年7月 明石丸松乗合船
【ひとつテンヤ真鯛】
2021年7月 広島愛裕南丸
2021年2月 広島慶丸
2019年10月 岡山テンリュウ
2019年6月 広島慶丸
【カワハギ】
2022年11月 和歌山かるも丸
2021年12月 広島慶丸
2020年12月 広島倉橋島
2019年12月 徳島阿南極鋭西日本例会(極鋭四国)
2019年11月 和歌山三邦丸第二回ダイワカワハギパーティー
2018年9月 高知フィッシング今井ロマン号
2018年6月 和歌山加太カワハギクラブ
2017年12月 和歌山加太カワハギクラブ
2017年10月 2016KANSAI PRIDE FINAL
2017年5月 和歌山加太カワハギクラブ
2017年3月 和歌山栖原おいしんぼCUP
2016年10月 2015KANSAI PRIDE FINAL
2016年9月 和歌山三邦丸 和歌山加太カワハギクラブ
2016年7月 2015KANSAI PRIDE
2016年5月 加太KAWAHAGI FESTA 和歌山かるも丸
【その他魚種】
2020年3月 広島Credヒラメ
2019年7月 島根浜田莉恭丸イカメタル
2018年8月 島根浜田莉恭丸イカメタル
2017年9月 明石丸松乗合船のませ釣り
2016年8月 兵庫みなみ淡路海伸丸落とし込み
⭐︎イベント
2019年2月 フィッシングショー大阪
2018年2月 フィッシングショー大阪