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2022.5.5

SSR-1 メタリアエギタコS-178 / アナリスターエギタコS-185

第一回目の「S-sense Report 」は、2019年3月に書き上げ、埋もれていた原稿をご紹介致します。

この「アナリスターエギタコS-185」、「メタリアエギタコS-178」の開発が、後の「極鋭エギタコS-176」へとつながっていきます。

※文中の「アナリスターエギタコ」は、現在廃番となっており後継機種として「アナリスターエギタコMH-175」が発売されています。

以下、三年前当時の文章です。

201922日、「アナリスターエギタコ S-185」、「メタリアエギタコ S-178」が、フィッシングショー大阪にて遂にそのヴェールを脱いだ。その研ぎ澄まされたシェイプからは、許されたものだけが持ち得る機能美というオーラを漂わせていた。発売間近となった、期待のニューロッド。「エギタコX」に端を発した柔軟穂先の可能性は、更なる高みを目指し新たな二本 に引き継がれる。

– – それでは、清水さん。先ずは、「アナリスターエギタコ S-185」についてお聞かせいただけますか。

清水: 今回の基本的な変更は、グラスソリッド穂先をより柔軟な調子としています。また、従来の「アナリスターエギタコ」よりコントロール支点を多少手元寄りになるよう設計をしたことにより、初心者の方を含めてより扱いやすい調子に仕上がっています。

– – より扱いやすい調子を必要とした理由はどの辺りにあるのですか?

清水: 2016年、ダイワとして初めてエギ専用船タコロッド「アナリスターエギタコ」が発売され、翌年には「メタリアエギタコ」が発売となります。「意のままに動かせる攻撃的ロッド」という共通テーマを掲げ、タコを掛けるまでのプロセスを釣り手主導で楽しんでいただけるロッドを目指しました。ハイレスポンス穂先から穂持ちまでの操作性を高次元でバランスさせた攻撃的ロッドが誕生し、多くの方々に船タコ釣りの楽しさをお伝えすることが出来たと感じています。

一方2017年夏、「エギタコX」開発過程で一つの思いが私の頭をよぎります。

私が通う明石エリアは、潮流の変化が激しく潮の大きい日ともなれば潮の流れの緩い場所を求めて船団は移動を繰り返します。それでもしかけをコントロールしきれない場面に遭遇することが多々あり、初心者の方が攻め調子の硬調ロッドを使いこなせないという事実がありました。今一度、「対応力が高く最も使いやすい専用ロッド」というアナリスターシリーズのコンセプトに立ち返るロッドの必要性を感じた瞬間でした。

– – それから二年の月日を経て、ついにこの春発売となりましたね。

清水: そうですね。思ったより早い立ち上がりで驚きました(笑)。このクラスのロッドとしては、非常に満足のいく性能に仕上がったと思っています。しかけ操作時のレスポンスの低下など穿った見方をすれば先行モデルのデチューン捉えられる可能性もありますが、海底におけるしかけの接地性は抜群に向上しました。多くの方が使いこなせるようなチューニングを施しています。

また、特筆すべきはロッド重量です。先行モデル175cm/134グラムに対し、185cm/111グラムと全長が伸びたのにも拘らず23グラムの軽量化を果たしています。エアセンサーシートを含め重量軽減という意味合いにおいても大きく進化しました。これは私の持論ですが、夏場に一日中誘い続ける船タコ釣りではタックルの軽量化は必須です。身体への負担の軽減、集中力の維持、そして一番に楽しさの追求。船タコ釣りは、誘いを入れ続ける釣りなので手元に大きな負担がかかってきます。手に馴染みやすく疲れを軽減出来るエアセンサーシートの採用は、大きな恩恵を得るものだと考えています。

– – 今回発売の「アナリスターエギタコ185S」、どのような方にお使いいただきたいですか?

清水: 私の経験談ですが、タックルを購入する際には1万円の壁、2万円の壁、3万円の壁というものがあるような気がします。とりあえずその釣りものを食べてみたいからという理由でタックルを購入する場合は、最低限の専用タックルで1万円程度の予算が一般的な感覚ではないでしょうか。私がカワハギ釣りを始めた時に購入したロッドは、1万円弱でしたから(笑)。その上のモデルは、その釣りを楽しみたいという性能への期待値を込めて2万円までか、行き着くところまでいってしまうかの何れかですね(笑)。

そういう意味において「アナリスターエギタコ S-185」は、これから始める初心者の方や中級者の方向けの位置付けだと私は考えています。

私もそうなんですが、テンヤから船タコ釣りを始めた方に共通することは意図せずしてしかけが動き過ぎるきらいがあります。テンヤ釣りでは、リボンやテンヤを連結しているライン太さやテンヤ単体の潮流から受ける抵抗がエギと比較するとかなり大きく、この感覚でエギ釣りをすると想定以上にしかけが動き過ぎてしまうんですね。本人が抑えているつもりでも、動き過ぎている。初心者の方もしかけを同様に動かし過ぎる傾向がありますから、ある意味「アナリスターエギタコ S-185」は、その部分を補正する大きな武器になると思います。

– – 使いやすいロッドに仕上がっているようで、発売が待ち遠しいですね。

清水: スポーツセッティングの車を一般の方がどんな場面でも使いやすいように足廻りをリセッティングしたようなものでしょうか。ここ一発の切れ味では先行モデルに劣る場面もあるかもしれませんが、トータルしてみると新モデルの方が使いやすく結果的に釣果につながっている。そんな感じかもしれません。

アナリスターシリーズの「対応力が高く最も使いやすい専用ロッド」というコンセプトに、かなり近づけたと自負しています。多くの方にお使いいただき、楽しんでいただきたいと思っています。

– – 続いて清水さん一押しの「メタリアエギタコ S-178」についてお聞かせください。

清水: 事の始まりは、ダイワ開発スタッフの西村豪太氏と話したたわいの無い一言だったと思います。「新しいメタリアエギタコを開発するのにどんな調子が欲しいですか?」という問いに、「極鋭カワハギ レッドチューン AGS SF」のような調子のロッドが欲しいと伝えました。

– – またとんでもない発想というか、船タコ釣りにその調子を求めるとは(笑)

清水: 私なりにその調子が必要だという根拠は持っていました。根拠を持ってはいましたが、満足し得る性能のロッドを創り出すことは出来ないだろうとも思っていました。

– – それは何故でしょうか?

清水: 調子を形にするだけであれば、案外簡単にイメージ通りのロッドを創ることが出来るような気がします。でも、考えてみてください。こんな夢物語みたいなロッド、普通は出来るわけがないんですよ。柔軟な調子をした感度の鈍いロッドが出来上がってくるものと思っていました。

– – 清水さんが、船タコロッドに求める性能とは何でしょうか?

清水: 一番にタコの触りや海底の状況を的確に伝えてくれる感度だと思います。私は禁断と言われながらも、「極鋭カワハギレンジマスター」というメタルトップ採用ロッドを十数年使い続けてきました。他素材ロッドも多数購入し使いはしましたが、私が求めるレベルには至らなかった。メタルトップでしか再現出来ない絶対的感度と独特の操作性というものがあります。このふたつの要素を高次元で維持し得ることが、最低限の課題だったと思います。

– – では、なぜ「極鋭カワハギレッドチューン AGS SF」のような調子を求めたのでしょうか?

清水: 昨年のようにタコの個体数が少ない年回りや低活性の場合、錘位置を動かさずに錘を立てたり寝かせたりしてエギが漂うような誘いが有効です。この錘を立てたり寝かせたりする操作をするための調子ですね。

また、これはテンヤでの釣りを得意としていた方に共通するのですが、エギが動き過ぎて思ったように釣れないということが挙げられます。ちなみに私もこの部類の人間で、個体数の少ないシーズン序盤や深場のポイントを案外苦手としています。結局、我慢の釣りが出来ないんですよね(笑)。

– – 次に「メタリアエギタコS-178」は、かなり独特の調子となっています。仕様決定までのセッティングなどで苦労された点はありますか?

清水: アベレージ的なロッドをつくるのではなく、既成概念とらわれない常識外れに敢えて挑戦したこともあり、柔軟な穂先の調子とパワーを持ったブランクという相反する機能を両立させるのは大変でした。「メタリアエギタコS-178」は、超柔軟調子でありながらフッキング時における針を打ち抜くのパワーロスを最小限に抑えています。この点について開発陣は、かなり苦労をされたと思います。

– – それでは、常識外れの「メタリアエギタコS-178」(笑)の使い方を指南していただけますか。

清水: 初心者の方には、かなり難敵かもしれないですねぇ。なんせ常識外れの超柔軟穂先ですから(笑)。使い方としては、穂先の動きに目が行きますが、誘いを入れた時に曲がりの支点となる場所(コントロール支点)を意識するような釣り方をしてください。これだけの事で、かなり釣果が上がると思います。

また、30号錘を使用する関東エリアや終盤の明石エリア浅場では、扱い易さはもちろんの事、釣果を上げるには心強い相棒となるロッドだと思っています。

– – この先も魅力的な製品が我々の手元に届くと思いますが、最後に清水さんの製品に対する思いを聞かせてください。

清水: スペックありきで開発に入るのではなく、ユーザーの方々が何を感じ何を求めているのかを先ず知ることを大切にしています。ダイワという会社も現場(フィールド)重視であり、考え方のベクトルは一致しています。その先は、ユーザーの皆さまの期待値を上回るエッセンスをどういう形で加えていくか。製品を手にした瞬間「オッ⁉️」っと思っていただけるような、ありきたりの製品では得られない感動を折り込めたい思っています。

我々が提示するアウトプットに対する共感、或いは物足りなさなどのご意見が、新たな開発のヒントとなり製品を更なる高みに引き上げます。

使って楽しく、そのタックルを見ているとまた釣りに行きたくなるような製品を創り出したいですね。

以前、専門紙に連載をしていた対談形式の記事の名称を「S-sense Report 」としていました。webでもこの名称を対談記事に用い、いろんな視点から皆さまに面白いお話をお届けしたいと思っています。


【DOCUMENTS 】

S-sense Report (対談記事:魚種マーク赤地)

2023年1月 西村豪太:極鋭エギタコMH-172 DEBUT
2022年8月 西村豪太:2022エギタコパーフェクトセミナー

2022年7月    西村豪太:極鋭エギタコS-176開発秘話

2022年6月    渕上拓矢:広島エリアひとつテンヤ真鯛釣り

2022年5月    清水恭仁:エギタコSタイプ

製品インプレッション (魚種マーク白地)

2023年1月     カワハギX、アナリスターカワハギ

2022年4月 極鋭エギタコS-176

2022年1月 極鋭エギタコS-176

2021年2月 アナリスターエギタコMH-175

2020年7月 アナリスターエギタコS-185(広島)

2016年5月 タコX アナリスターエギタコ

フィールド

【船タコ】

2022年7月    明石丸松乗合船

2019年8月 広島遊漁船Credo 明石丸松乗合船

2019年7月 明石丸松乗合船

2018年5月 明石魚英

2017年8月 明石丸松乗合船 明石東田丸

2017年7月 明石丸松乗合船 明石丸松乗合船 明石東田丸

2017年6月 明石丸松乗合船

2016年8月 明石丸松乗合船

2016年7月 明石丸松乗合船

2016年6月 明石丸松乗合船 明石丸松乗合船

2016年5月 明石丸松乗合船 明石魚英

【ひとつテンヤ真鯛】

2021年12月 広島愛裕南丸   広島愛裕南丸 広島愛裕南丸

2021年11月 広島愛裕南丸 広島愛裕南丸

2021年7月   広島愛裕南丸

2021年2月  広島慶丸

2019年10月 岡山テンリュウ

2019年6月  広島慶丸

【カワハギ】

2022年12月 広島慶丸 和歌山三邦丸

2022年11月 和歌山かるも丸

2021年12月 広島慶丸

2020年12月 広島倉橋島

2019年12月    徳島阿南極鋭西日本例会(極鋭四国)

2019年11月  和歌山三邦丸第二回ダイワカワハギパーティー

2018年9月   高知フィッシング今井ロマン号

和歌山三邦丸第一回ダイワカワハギパーティ

2018年6月   和歌山加太カワハギクラブ

2017年12月 和歌山加太カワハギクラブ

2017年10月 2016KANSAI PRIDE FINAL

2017年5月   和歌山加太カワハギクラブ

徳島阿南カワハギ大会

2017年3月 和歌山栖原おいしんぼCUP

2016年10月 2015KANSAI PRIDE FINAL 

2016年9月   和歌山三邦丸 和歌山加太カワハギクラブ

2016年7月   2015KANSAI PRIDE

2016年5月   加太KAWAHAGI FESTA 和歌山かるも丸

【その他魚種】

2020年3月    広島Credヒラメ

2019年7月        島根浜田莉恭丸イカメタル

2018年8月  島根浜田莉恭丸イカメタル

2017年9月         明石丸松乗合船のませ釣り

2016年8月         兵庫みなみ淡路海伸丸落とし込み

イベント

2019年2月          フィッシングショー大阪

2018年2月          フィッシングショー大阪