アングラー:福田 豊起


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2017.11.7

カモシ釣りヒラマサ ライトタックルの可能性

11月7日、勝浦松部港の和八丸さんでカモシ釣り。ここ数回、ライトタックルで挑戦させて頂いています。マダイの釣果には恵まれ、ライトタックルの可能性に手ごたえを感じてきたところ。すっかり秋も深まり外房の大物釣りのシンボルであるヒラマサの模様も気になるところ。今回はライトタックルスタイルのカモシ釣りでヒラマサを意識しての釣行となりました。

朝6時前に出船。ポイントは目の前の勝浦灯台横の水深50メートル前後。ゆっくりと準備を済ませ臨戦態勢を整えます。

カモシ釣り?と思われる方もいらっしゃるか思います。勝浦周辺のご当地釣法で、サンマのミンチをコマセに使うのが特徴。サンマと言えばその脂と美味しさは皆様ご存知の通り。その集魚力は絶大でヒラマサを始め大型のマダイなどもコンスタントに狙える大変魅力的な釣法だ。

今回のタックル

ロッド リーディング スリルゲーム73MH-195

リール シーボーグLTD  200J-L

道糸 メガセンサー12ブレイド2号

ノーマルタックルでは、専用竿やライト泳がせ、落とし込みロッドを使うのが通常。それに対してスリルゲームは調子としてはライトウイリーやライトタチウオ、ライトヒラメなどに適合するイメージ。一方で、全身カーボンソリッドなのでタフさは見た目以上。ハリス8号までは、ガチンコファイトが可能。そのポテンシャルを引き出せるかが腕の見せ所でもあります。

ノーマルタックルのリールは、今では500番クラスの電動リールを使う方が多い。一方で、もともとカモシ釣りは、ナイロンラインを道糸に使用していたこともあり、ライトトローリングリールを使う方もまだまだ健在だ。そこで、200番の電動とPE2号の組み合わせは、一昔まえであれば、ナンセンスと言われてしまうだろう。

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シャベルビシ速攻ⅢM60を使用。ノーマルタックルでは靴下のような大きな布製のカモシ袋にオモリ100号の組み合わせ。オモリが軽い事もさることながら、袋とプラビシで抵抗が全く違うのが驚きました。ヤリトリのダイレクトさに差が見られたのは大きな発見ですね。なお、サンマのミンチは脂分が多く非常にすべる。そのままでは、セットする時に苦労するので、滑り止めテープを張ってみたところ大正解。

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天秤回りはカモシ釣りのトラディショナルスタイルを尊重してカモシ天秤を使用した、遊動式。魚が引いたときにビシの抵抗をハリスに受けない非常に優れたシステムになっている。近年では相模湾のキハダに使用する人が増えている。

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60号のビシでのロッドの曲がり。いかにライトな竿であるかイメージして頂けるだろう。要はイサキタックルでカモシ釣りにチャレンジしている感覚だ。

この日の指示ダナは20~37メートル。指示ダナ+ハリス分ビシを下してからコマセを振りながら指示ダナに合わせる。釣りかた自体はコマセのマダイやワラサとそう変わらない。私は、ヒラマサを意識して8号のハリスでスタート。エサも持参したイカを付けた。定期的に竿を大きく振って誘いを入れる。この誘いがコマセワークにもなっており、私は1日この動作を繰り返す。

カモシ袋に比べてビシに入るサンマのミンチの量は4分の1ほど。ここ数回試した感じでは、投入のインターバルは半分の5分弱が目安となりそうだ。このコマセの絶対量がヒラマサにどう影響するか?マダイでは問題ないようだが、青物のヒラマサでは、コマセを撒いたもの勝ちの可能性もあるからだ。

期待に反して朝は、ノーヒット。いっぽうで、ミヨシの方が小型のマダイを連発。それを見て私は、エサをサンマに切り替える。すると、メジナが3連発。どうやら、やや二枚潮の影響もあり、私のいるトモからミヨシに向かってコマセが偏ってしまっているようだ。それならばと、ハリスを伸ばしてみる。4号8ヒロとした。エサのサンマも小さく切ってコマセを警戒しながらついばんでいる魚をイメージしてみる。

すると、竿先が叩かれたとおもった矢先、道糸が一気に走り始めた。時折、首を振っておりヒラマサと確信。ハリスは4号なので、もちろん強引に走るヒラマサを頭をこちらに向けることは出来ない。ヒラマサは根に向かって走ってハリスを切ろうとする習性がある。すでに、水深以上にラインは出ているので、いつ根ズレによるハリス切れを起こしても不思議ではない。この時は、運良くヒラマサは根に向かわずに走ってくれたようだ。走りが止まったところで、寄せに掛る。

ジョグパワーレバーでのポンピングで巻ける時には、強引に巻く。ドラグが滑っている状態でも、プレッシャーを常に与え続けることが出来るATDが確実にヒラマサの体力を奪っていく。ヒラマサの頭の向きを常にイメージして、頭がこちらに向いた時は、一気にリフトに掛る。同じ4号ならば、ライトタックルの方がハリスの限界ギリギリを引き出すには、向いていることも感じることが出来た。そして、姿を現したのは5キロのヒラマサ!

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この後、もう一発。

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この後、さらにもう一発よいアタリがあったものの、根ズレでロスト。ハリス4号ではヒラマサの疾走を止めることは出来ないので、ヒラマサがどこに走るかでキャッチの成否が左右されてしまうのは致し方ないところかもしれない。

今回は、ヒラマサの食いが良くなかったので細ハリス作戦を取った。今後は、ライトタックルで8号ハリスの限界を試してみたいものだ。8号のハリスとスリルゲームの限界を引き出して、果たして何キロのヒラマサの走りを制することが出来るのか?ここ数年、年末にかけてヒラマサの模様が盛り上がる傾向にある外房勝浦のカモシ釣り。そのチャンスは、必ずあるはずだ。KIMG0500

なおライトタックルのカモシ釣りは、この春から和八丸さんが試し始めた、まだまだ手探り状態の釣り。混雑時など、ライトタックルが使用できない場合もあるので興味のある方は予約時に確認してください。