アングラー:福田 豊起


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2022.12.12

南房天津沖アカムツ極鋭中深場SFで狙い打ち

ここ数年、年末になるとアカムツが天津沖に固まりだす。そこで12月7日に天津港の快昌丸さんにお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:極鋭中深場Hー205SF

リール:シーボーグG300j-L

PE:UVFデュラセンサー×8+Si²  3号

新しい極鋭中深場にはSFが追加された。アカムツ釣りで多用するゼロテンション』状態での感度、操作性を追求したモデルであり、極鋭中深場のなかでもアカムツ特化仕様ともいえる。しなやかなSⅯT部を長めにしてゼロ点状態をキープしやすく、なおかつゼロ点状態でのアタリが正確かつ明確になっており魚種やどのハリにアタリがあったかの判断が非常にしやすくなっている。また、アワセた後の乗り感の表現も優れておりアカムツと他魚の判別が容易になった。

通常、穂先部のしなやかな部分を長くすると操作性が犠牲になる場合が多いが『新バランス理論』によるロッド全体のバランスで操作性を補完しているのでロッド全体では軽くシャープな印象を受ける。手持ち派のアカムツロッドの最高峰と言えるだろう。

一方、天津沖は比較的ゼロテン状態をキープするよりもオモリを底から切ってタナを探るシチュエーションが多い。宙の釣りにおけるSFの対応力を今回は見極める狙いだ。

ゆっくりと6時30分に出船してトコトコと至近のポイントに向かう。やがて水深は280メートルと船長さんからアナウンスがあった。

着底してカウンターをみるとほぼ280メートル。仕掛けの分を差し引いてもラインがまっすぐ降りている。潮の流れが無いようだ。

船長さんによるとつい一昨日まで潮の流れは良かったとの事。天津沖はもともと外房でも潮の流れが緩い所とは言えまったく流れないのは良い状況とは言い難い。

案の定、アタリは少ない。ときおりかすかなアタリがあるがカラスザメ。なんとなくではあるが、潮の緩い条件であればこの水深のカラスザメのシグナルを感じるタックルの感度に感心してしまう。

天津沖のように少し上のタナを探る場合、私は電動リールを使ったデッドスローの誘いを多用する。手持ちで手巻きでデッドスローはかなりの重労働だが、この日は凪だったのでホルダーに掛けたまま楽ちん誘い。底から3メートルを重点的にさそう。シーボーグG300j-Lならタナの上限に達したらクラッチを切って着底、再びクラッチを入れると電動巻き上げを再開するので便利だ。

しかし、明確なアタリがあってもアワセた時の乗り感がしっくりこない。案の定、巻き上げに移ると穂先が安定しないのでアカムツでは無い。

上がって来たのはスミヤキことクロシビカマスだ。この後も何かしらのアタリ自体が少ないこともあり厳しい状況が続いた。

終盤になってスミヤキのアタリの頻度が増えて来た。そしてオキギスと諦めかけたその時、再び明確なアタリが。

オモリ着底直後でややガッついた感がありアカムツらしくなかったがアワセを入れると良い感じの乗り感。その直後に二回目の明確なアタリ。再びしっかりアワセを入れて巻き上げに掛かる。

確かな重量感と巻き上げ時の落ち着いた巻き上げ時の穂先の様子からアカムツと確信。

確信を持てたのもSFのアタリ、乗り感の感度ゆえだ。上がって来たのは小ぶりながら待望のアカムツのダブル。

時間が無いので慌てて次の投入に移る。280メートルオモリが落ちる時間がもどかしい。着底して糸フケをとり、デッドスローに移ろうとする間もなくSⅯTの穂先が激しく叩かれた。

今度はけっこうな乗り感に頬がゆるむ。巻き上げ途中、ロッドを激しく叩く瞬間はこの釣りのクライマックスだ。

40センチを軽く超える良型に興奮しつつも次の投入にあわただしく映る。潮の流れが緩いので潮回りもわずかに船を移動するだけなのでテンポ良く釣りが出来る。船長さんと息を合せて釣りが出来る喜びをかんじる。

この後も投入間もなくアタリが出る状態が続いた。先程まであれほど苦労した居たのが信じられない。アタリが出るたびに船長さんと笑顔で顔を見合わせる。

着底直後のゼロテン状態であれば極鋭中深場SFは本当に大きなアタリを表現してくれる。竿のストローク分誘い上げた状態でのアタリも操舵室で見ている船長さんが笑顔になるほどの明確さに笑いが止まらない。

結局、終了まで空振りなしの7連発の大立ち回りを演じることが出来た。この間、アタリから水面に姿を現すまでアカムツと確信できているだけに大興奮の大団円で終了。40センチを超える良型も3匹と実に贅沢な釣果となった。

今回の釣行はドラマチックな展開に違いはないが、極鋭中深場SFがそのドラマをより鮮やかに彩ってくれたことは間違いない。良いロッドは釣りそのものを楽しくしてくれるものだ。

年明けには銚子犬吠沖のアカムツが開幕する。こちらでも極鋭中深場Hー205SFは活躍してくれるであろう。天津沖もまだまだこれから。これからアカムツには実に楽しみなシーズンだ。