アングラー:福田 豊起


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2020.12.28

イワシ泳がせのマハタ五目

冬になって潮が澄みマハタの好シーズンをむかえた。潮の流れも安定傾向。12月27日外房勝浦松部港の信照丸に期待を胸にお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:リーディングスリルゲーム64 Ⅿ-225

リール:シーボーグ200J-L

PE:UVFメガセンサー12ブレイドEX+Si 2号

生きイワシの泳がせと言う事で仕掛けはヒラメ仕掛けに準ずる。ヒラメと両狙いや根の穏やかな釣り場ではハリス6号のヒラメ仕掛けをそのまま使う場合も多い。

だが、勝浦沖はよりマハタ専門かつ根の険しい釣り場なのでハリスは太めが無難。私はハリス8号もしくは10号を多用している。今シーズンはエサのイワシが小さめなので孫バリがシングルフックの方がイワシへの負担は少ない。思い切って孫バリを切って親バリ一本勝負にしても面白いだろう。

この秋、大ヒラメマハタ仕掛けSS+S が発売された。ハリはもちろんサクサス。大きな口で一気にエサを飲み込むイメージをしがちなマハタだが、実際のアタリの出し方は千差万別。なかなかフッキングに持ち込むのが難しい事もしばしば。親、孫ともサクサスフックを使用しているので千載一遇のチャンスを生かしてくれるはずだ。

また、誘いを繰り返す私の釣りにおいてハリスのヨレは大敵。ゆえにサクサスサルカンはそのヨレを軽減してくれる。細かい事だが、この釣りでは大事な要素だ。

また、快適船シンカーSNもよりアピール力をましてパワーアップ。ボトムタッチの感覚をより確かなものにしてくれるセンサーアイはもちろんそのまま。今回はPEが2号と言う事で60号を使用。

6時過ぎに港を離れて御宿沖のポイントを目指す。明るくなって釣り開始。この日は比較的浅い20~50メートルのポイントを探った。

開始して一時間。アタリは遠い。数日前に吹いた南西風により底潮の水温が低下したようだ。それ故前日はサメの邪魔が多かったとの事。

ようやくアタリが出たが、これはアヤメカサゴ。アヤメカサゴにしてはかなりの大型だ。

根の荒い勝浦沖はタナが高い。3ないし4メートル、5メートル以上のタナでもマハタは食って来る。興味深いのがその日の潮具合でマハタのタナが異なること。ベタ底にいる時もあれば、根のうえ数メートルをホバリングしてエサを探す時もある。高い根があるポイントでは根掛かり防止の意味もあるがその日のタナを広くリサーチすることも必要だ。

次のアタリは穂先がモタレたあとに一気にスリルゲームを絞り込むマハタらしいエキサイティングなもの。この興奮を味わいたくてあえて今回はスリルゲームでもしなやかな64のⅯを使用した。

マハタはこの始めの突込みから根をめがけて走ろうとする。根に逃げ込まれてしまえば釣り人の負けだ。それゆえ、よりパワーのあるロッドの方が適しているともいえるが、ここはあえてその名の通りスリルを選んだ形だ。

一キロ超えのまずまずの本命。

この後から船中でもロッドの曲がる場面が増した。次も本命と思いきや良型のアカハタ。

勝浦沖がアカハタの北限となっていたが、とうとう御宿沖にまで勢力を広げたようだ。マハタ、アカハタ共に個体数が増えたことを実感する。

元気なアタリを出してくれたのはかわいい本命。もちろんこのサイズはリリースしたい。マハタはかなり生命力の強い魚。海水の循環ポンプのある船であれば、しばらくオケで泳がせてトリートメントすると見違えるほど蘇生する場合が多い。この子も元気に戻っていった。

さらにマトウダイのゲストも。これから春にむけて型、数ともに期待できる美味しいゲストだ。

さらに食い上げるようなアタリはチカメキントキ。結構、高いタナでもあたって来る。この魚もすこぶる美味だ。

活きたイワシを使うこの釣りではゲストの多彩さも魅力。どれも高級かつ型が良いもの嬉しい。

残り時間もあとわずか。マハタのサイズアップを狙いたいところ。この日は潮の流れが緩かったので比較的ゆっくりシーボーグ200J-Lのジョグパワーレバーを調整してタナを取った。タナを探りつつこの間にもアタリを出す作戦だ。

ジョグでゆっくり巻き上げていると、穂先にかすかにモタレを感じた。巻き上げを止めて様子を見る。するとモタレが大きくなって明確にゴツゴツとアタリを感じた。だが、ジッと我慢。マハタであればここから一気にロッドを絞り込む場合が多いのだが、モタレ程度のシグナルが続く。

かなり時間をかけているにもかかわらず一向に絞り込む気配が無い。マハタではなく小型の根魚かな?とも思っているとモタレにグッと重量感が加わった。意を決してアワセを入れる。

すると、予想以上の手応えと強力な突込み。良型の本命だ。マハタはエサに一気に飛びついて強烈なアタリを出すことも有れば、ホバリングしながら捕食する場合もあり、アタリの出方にバリエーションがあるのが面白いところ。

強烈な突込みに対して、ここはスリルゲームのパワーを信頼してジョグをオンにして一気に勝負を賭ける。スリルゲームの限界を知らないと躊躇してしまうかもしれないが、10号のハリスギリギリに設定したドラグで全力ファイトできるのがスリルゲームの真骨頂。

始めの突込みさえかわせば勝負はこちらのモノ。水面に姿を現したのは3キロ弱の本命マハタ。マハタは実際の重さ以上に迫力を感じる。

水温の低下で食いがイマイチの日であったが終わってみれば御覧の通り。

勝浦沖ではイワシの回遊も見られるようになった。さらに春になるとヤリイカの回遊も始まるはず。これらイワシやヤリイカの回遊がマハタ釣りにも確変をもたらしてくれる。これからますます目が離せない釣りがこのイワシ泳がせのマハタ五目だ。