アングラー:福田 豊起


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2022.9.28

マルチゲームで小湊沖のヒラマサを攻略

9月28日南房小湊港鯛丸さんでオキアミコマセのヒラマサ狙いにチャレンジしてきました。

今回のタックル

ロッド;リーディングマルチゲーム 64 M-235

リール:シーボーグ300j-L

PE:UVFデュラセンサー×8+Si² 4号

ビシ:MDビシⅡ80号

この時期、小湊の地先で釣れるヒラマサはデカい。10キロ級はもちろん20キロを超えるモンスターまでが狙える。それに反して常連さんのロッドはワンピースのマダイロッドがメインでかなり華奢で始めは驚いたものだ。

お隣の勝浦海域とは違い、小湊のポイントは根が平らでヒラマサ特有の根ズレによるバラシは少ない。比較的緩めのドラグでヒラマサを走らせて疲れさせてから獲るスタイルだ。ハリスも6~10号と狙いのサイズの割には細め。さらに、一日の内で細ハリスのマダイやシャクリを繰り返すシマアジなども狙えるとあってロッドには悩むところ。

そこで今回連れ出したのはリーディングマルチゲーム64M-235。本来モンスターヒラマサに対するにはライトなロッドであるが、小湊スタイルであれば十分対応可能と私は考えた。また置き竿でもシャクリでもそのしなやかさと操作性から器用に対応してくれるまさにゲームロッドだ。このロッドもしなやかでありながら操作性が高い『新バランス理論』の恩恵を多いに受けていると言えるだろう。

6時前に港を離れる。ポイントが至近なのが小湊の特徴だ。

水深は38メートル前後。底から9ないし10メートルの指示ダナだ。コマセを打ちながらヒラマサの回遊を待ち伏せするイメージ。

開始1時間はエサ取りも少なく船中イナワラとヒラソウダの顔を見た程度。日も高くなってエサ取りが出て来たかな?と思った矢先、となりのミヨシの方に大きなアタリ。しばらくのヤリトリの末ハリス切れ。

そして同じ方に再びビッグヒット。今度は重量感はあるもののおとなしい引きだ。上がって来たのは8キロオーバーの本命ヒラマサ。俄然気合が入る。

この日は澄潮。水温も26℃とかなり高い。条件としてはイマイチ。回遊待ちの釣りと言う事もあり、船中で忘れたころにドカンとアタリがある感じ。シーボーグ300j-Lのカウンターのタイマーを目安に手返しをひたすら続ける。

また、底からのタナ取りでタナが低いせいなのだろうか、置き竿でじっくり待った方がアタリが出やすい気がする。私の苦手なスタイルであるが集中力を切らさないように心がける。

するとようやくアタリ。ハリス10号に対しては気持ち緩めのドラグ設定としていたが、走り出す様子はない。マルチゲームの曲がりを楽しみつつ、ワラサかな?と思って上がって来たのはマダイ。4.5キロの大ダイにびっくり。

この後、船中で沈黙が続く。そこで船長さんはマダイを意識してポイントを東に小移動。こちらは50メートル前後とやや深い。

私はマダイ用にハリス4号に替えて様子を見る。しかし、マダイ狙いに替えても容易にアタリは出てくれない。集中力が切れかけたころ置き竿にしていたロッドが突っ込んでドラグが一気に滑り出した。

相手は易々とラインを出していく。カウンターの数値が90メートル近く出たところで走りは一旦止まった。船長さんは船で追いかけてサポートしてくれるが一向にリフトを受け入れてこちらに頭を向ける様子はない。

岸寄りの根に向かって走っている。これはヤバいと思った矢先ハリス切れ。ハリスがザラザラになって切れている。根ズレだ。マダイを意識していたが相手はヒラマサであろう。船長さんもこのポイントはヒラマサは居付かないが回遊することはあるとのこと。

そこで、ハリスを10号の戻して再び投入。ラッキーなことに、タナ取り後ハリスが馴染む間もなくマルチゲームが再び突っ込んだ。

鋭く大きく首を振る様子からヒラマサであろう。ドラグテンションを嫌がって中々走り出さなかったが、走り始めれば軽々と10メートル以上もラインを出していく。

このポイントは先程のバラシで分かるように朝のポイントよりも自由に走らせてしまうと根に走られるリスクが高くなる。巻ける時にはわずかでも巻いて間合いを詰める。

ヘビータックルと違い疾走をガチで止めることは出来ないがライトなタックルは感度が良い事がアドバンテージとなる。水中の魚のイメージがしやすいので魚のわずかな隙をついて頭をこちらに向けるよう心がけてヤリトリをすればチャンスが広がるだけでなくヤリトリはより楽しくなるというもの。

ブランクスの進化はもちろんだが、ZERO-SEATも感度と軽量化に大いに貢献している。シーボーグ300J-Ⅼのジョグレバーの操作性と相まって直感を頼りにヤリトリが出来るのが嬉しい。

リーディングマルチゲーム64Ⅿー235とかなりライトでしなやかなロッドであるが、いざと言う時には無理を聞いてくれるのがさすがDAIWA船ロッド。ご覧のようにバット部にはまだ余裕が残っており、チャンスと見ればヒラマサをこちらがコントロールすることが出来る。これが『新バランス理論』の恩恵だ。

大物専用モデルのようにロッドを立てているだけで大型ヒラマサをリフトしてくれることは期待できないので、釣り人が積極的にリフトを意識する。タックルの限界を引き出す喜びは、ゲームロッドでのヤリトリの真骨頂、至福の瞬間だ。

底から離れるまでは強引に、底を切ってからは丁寧なヤリトリを心がける。ハリスを手に持つと魚は大きく周りながら上がって来る。ヒラマサだ。その円を先導するよう回しながら上げてタモに誘導する。勝負あり。

やや痩せていたが長さは1メートルをゆうに超えていた。10.1キロ、

更なる大型ヒラマサに続いてこれから良型のシマアジやマダイも期待できる秋の小湊沖はじつに目が離せないエリアだ。