外房名物カモシ釣りの威力
例年ゴールデンウィーク頃から始まる外房のカモシ釣り。ここの所春にマダイとヒラマサの荒食いがあり大きな盛り上がりを見せる。今年はエサのサンマの不足やスタートが遅れたことでファンをヤキモキさせたが6月から本格スタートとなった。7月1日勝浦松部港の和八丸さんにお邪魔させて頂いた。
ロッド:ショットバイパーⅯ-225SMT
リール:シーボーグ600MJ
外房のカモシ釣りはマダイとヒラマサの両狙いと言う事でタックルはけっこうヘビー級。しっかりしたワラサタックル、もしくは大型のヒラマサに的を絞るのであればライト泳がせタックルが向く。
今回のロッドはショットバイパーⅯ-225SMT。細身だが、マダイ、ヒラマサの両狙いが出来るしなやかさとバワーを兼ね備えており、その汎用性の高さは特筆に値する。また、SⅯT穂先の感度も釣りの楽しさを倍増させてくれる。
リールはシーボーグ600ⅯJ。大型のキハダを射程に収めるパワーを誇る一方でジョグの操作性とATDドラグによって細いハリスを使用した場合の繊細な操作をも可能にしてくれる。ハリス4号のマダイから14号以上のヒラマサまで十二分に対応してくれる頼もしい一台だ。
朝、右舷ミヨシに釣り座を構えてセッティングを済ませる。4時半に港を離れ、御宿沖の三本松と呼ばれるポイントを目指す。北東の風が強いが海は穏やかだ。どうやら潮の流れがいつもとは逆の北東から南西に流れる逆潮のようだ。
5時30分から投入開始。朝のマダイに荒食いに期待しての第一投だ。マダイの活性が高い事を前提にハリスは8号4ピロ6メートルにサクサスサルカンを介して6号を2ヒロ3メートル接続。トータル6ピロ9メートルとした。通常マダイ専門であれば4号8ヒロ12メートルアタリが標準であるが、コマセに突っ込んでくる活性の高いマダイをターゲットした太くて短い仕掛けと言える。
すると船中ではポツポツと竿が曲がる。予想通りの展開に胸が躍る。
「オキアミコマセのマダイ春の乗っ込みマダイは臆病なのでビシを動かさないで、付けエサを上から自然に落とし込む意識で。。。」とは良く聞くセオリー。実際、私も春のオキアミコマセではこのセオリー通りの釣りを心がけている。だが、外房のカモシ釣りの場合、春のマダイラッシュの時は積極的な誘いが功を奏する場合が多いと感じる。30秒に一回、竿を大きく動かしてコマセワークと誘いを兼ねた操作をひたすら続ける。
オキアミコマセとカモシの違いがコマセの違いによるものなのか、海域の違いによるものなのかは分からないが大きな違いがあることは間違いなさそうだ。ヒラマサ狙いのハリス14号の仕掛けでマダイが食って来ることも珍しくないほど。
竿を誘い下げたところで明確なアタリ。ところが、これはハリ掛かりせず。気を取りなおして誘いを続けると、今度は誘い上げた竿が叩かれるもスッポ抜け。三度目は誘い上げたロッドがガシッっと止められる激しいアタリも程なくスッポ抜け。悶絶の3連発スッポ抜けにすっかり冷や汗モードになってしまった。
食いが良すぎて付けエサを食った後も魚が反転せず、そのタナでコマセを食い続けているためハリ掛かりが悪いのかも?とも考えたが実際のところは分からない。
この後、ガクガクするだけでなかなか突っ込まないアタリに半信半疑でアワセを入れると途中からマダイらしい引きに。やはり、コマセを荒食いしている様子を感じる。
ハリスが6号とあって鋭い引きをロッドとドラグで軽くいなしてあげるだけで余裕のヤリトリ。上がって来たのは良型のきれいなメスダイ。
ここから追撃と思った矢先、船中でもパッタリとアタリが止まってしまった。朝のマダイラッシュを堪能してヒラマサ狙いに切り替えるつもりであったが、目論見がハズレてマダイ狙い続行。
アタリの渋い状況がかなり長く続いてしまった。すると、水面に変化が。風は北東のままだが朝よりも穏やかになったにも関わず、水面がざわつき始めた。真潮、すなわち南西から北東に流れる潮が入って来た証拠だ。
すると、先程とは嘘のようにアタリが出始めた。誘い上げて戻したそのタイミングでロッドがひったくられるアタリ。
ハリス分からゆっくりとコマセを振りながらタナに合わせる途中でズドン。
コマセを振るロッドがガッっと止められるアタリ。
タナに合わせてからハリスが馴染んだ頃を見計らって、シーボーグ600ⅯJのジョグで巻き上げ速度1のデッドスローの誘い。1,5メートルほど上でズドン。
とことごとく誘いにマダイが応えてくれる。残り時間が迫ってからであったが夢中で釣り続ける。
この時期のカモシ釣りで釣れるマダイは型も魅力。このサイズが船中でも一番小さいサイズであとは2キロオーバーがアベレージ。この日は特大は出なかったものの3キロクラスは何枚も上がっていた。
最後にはこの通り。終盤のマダイの荒食いに夢中になってしまい、ヒラマサを狙う事は出来なかったのが心残りとなった。
和八丸さんでは、この数日前にはヒラマサのアタリが連発したとの事。20キロクラスも取り込まれており、このタックルに相応のファイトをするべく再挑戦を誓うのであった。
