アングラー:福田 豊起


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2021.5.1

銚子沖アカムツ絶好調!

関東のアカムツ釣り場としては驚異的な魚影を誇る銚子沖。4月半ばから潮の流れが落ち着き、釣果が上向いてきた。そこで銚子犬若港孝進丸さんにお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:極鋭中深場H-205

リール:シーボーグ300JーL

 

4時半に港を離れ、遥か20マイルの沖を目指す。航程一時間半強。水深150メートル前後のポイントに到着。銚子沖のこのポイントは大きく150メートル前後の浅場と250メートル前後の深場の二か所。

沖合の潮通しの良いポイントだけに、潮の流れで釣況は一変する。潮が早すぎて釣りにならない場合も多い釣り場だが、潮が落ち着いたゆえ釣果が上向いた。言い換えれば釣況は潮の流れ次第でアカムツの魚影自体は常に濃い釣り場なのだ。

船長さんにここの所の状況を聞くと、朝に食いが立つ傾向が強いとの事。そして潮の流れはこのポイントでは珍しく不足気味なくらいとの事。

投入してみると確かにラインがまっすぐに立つ。前日の強風の影響でウネリが残っている。右舷ミヨシの釣り座ゆえ、かなり仕掛けが上下する。ゆえに大きく誘うよりも仕掛けを安定させるイメージでリサーチ。予想に反して一流し目は反応が無い。

次の流し投入早々に鋭いガクガクのアタリ。水深が浅い事にくわえて流れが無くラインがまっすぐ立っているゆえ、アタリがすこぶる大きくて楽しい。取り合えず小型ながら本命のアカムツだ。

次の投入も間をおかずに小気味よいアタリ。しっかりアワセを入れて、竿先に集中する。アワセた時の重量感と200号のオモリが底を離れてロッドがオモリを背負ったテンションでも明確な引きを感じる。アカムツだ。追い食いを狙うべくアワセて上げた竿を戻してオモリが底を叩く状態に戻す。この時、掛ったアカムツの引きに合わせて竿を下す方がバラシは少ない。すると間髪置かずに明確なアタリ。アカムツの始めのアタリはかなり明確なので1引き目が掛った状態でも、2匹目のアタリと判別することが出来る。

もちろん極鋭中深場のSⅯTの目感度と手感度あっての情報であるが、軽量のシーボーグ300J-Ⅼとの組み合わせによる軽さが手感度を増している。高切れにそなえて500番のリールを持ち込むのも一手だが、予備のリールが用意できるのであれば、300番の軽さの恩恵を享受することで釣りの楽しさが増す。

上がって来たのは狙い通りの本命の一荷。

期待の型には届かないもののやはり一荷は嬉しい。アカムツの多点掛けは条件に恵まれないとできないだけに、食いの良い時はついつい狙ってしまうもの。貴重な魚だけに一匹づつ丁寧に釣る方が王道とはわかっているが。。。

この後もアタリは途切れない。船中を見回すと激アツターゲットだけに、皆さん気合の手持ちスタイル。200号のオモリでずっと手持ちは体格の良い男性でも応える。私も大きく誘った方が良い場合はもちろん手持ちスタイルで攻めるのだが、前述のようにこの日はうねりもありミヨシの釣り座と言う事で仕掛けを安定させた方が良いと私は判断。ホルダーにセットして置き竿スタイルで静かに誘う。

私自身、この静かに釣るスタイルが苦手。手持ちスタイルだとついついロッドを動かしたくなってしまう。自分自身の性格も加味した置き竿スタイルだ。

こんな時は電動リールのデッドスロー巻き上げを多用している。オモリが底を叩く状態からジョグを調整して巻き上げ速度4でじっくり巻き上げる。この日は流していて徐々に深くなる流しであったため、オモリが底を叩かなくなってタナから1~2メートル上まで誘い上げた。エサをゆっくりと上へと誘い上げることに加えて、オモリが底を叩く状態から叩かない状態へと変化させることが出来る。この日は、オモリが上へあがって底を叩かなくなったタイミングで2本バリの下バリに食って来ることが多かった。

アタリがあった場合はホルダーからロッドを外して大きくアワセを入れる。ひと際大きいガクガクのアタリ。アワセた後の引きも強い。堪らずジョグをオン。巻き上げ速度は毎分60メートル弱。この日は、潮の抵抗も少ないのできっちり60メートル付近で巻きあげた。早めの巻き上げの方がウネリで船が下がった時のバラシは少なくなる。

デップリとした40cmオーバー。この型が一匹上がれば大満足だ。

この浅場のポイントは大中小の型が混じって釣れるのが特徴。この日は小型が目立ったが、50cmを超える超ド級も食って来るので油断は禁物。

この後もアカムツの食いは続いた。

 

まだ、釣りを開始して1時間半くらいだが、すでに樽の中はアカムツだらけ。銚子沖のアカムツは一人10匹までという規定数がある。このままでは、すぐにストップフィッシングとなってしまう。

そこで、小さいアタリはアワセずに竿を下げてテンションを抜いてみる。ユメカサゴのアタリと分かる時にハリ掛かりを回避する方法と一緒だ。すると案の定、結構な確率でハリ掛かりしないことを再確認。この釣りでのアワセの重要性を改めて実感する。

かなりのバチアタリだが、掛ってしまった小型はそのまま放置して泳がせてみた。朝、船長さんと「このポイントでサバが多い時、掛ったサバに特大のヒラメが食って来た。これだけ魚の多いポイントなので泳がせで攻めたら面白いに違いない」と話しが盛り上がったことを思い出したからだ。流れが無い事もあり、さすがにハモノは食ってこなかったが夢があるポイントだ。

と余裕を見せていると、状況が変わってきた。下バリにユメカサゴが食って来るようになり、サバの邪魔もハッキリと増えだした。

この釣り場で捨て糸の長さは非常に重要。この日私は150cmでスタート。ユメカサゴが多くなった時点で200cmまで伸ばしたが、今度は上バリがサバに捕まるようになったので150cmにもどした。銚子沖ではツノザメの邪魔が多い時も多いものだが、今年はありがたいことに少ない傾向のようだ。これらの、邪魔なゲストを回避しつつアカムツのタナをキープするべく、捨て糸の長さは状況に合わせて調整したい。

日が高くなるとサバの活性が高くなり、反対にアカムツの食いは落ち着いてしまった。そこで、究極のサバ対策である下バリのみの一本バリで攻める。この場合、もちろんエサは一つなのでユメカサゴなどのアタリを見逃すと丸々ロスタイムとなってしまうので集中して釣りをしたい。まぁ、このタックルを使っていればどんなアタリも見逃すことはまず無いものだが。

ここで、追加してのこり30分で規定数達成。

僚船のペラトラブルで早めの納竿となったので、図ったようなタイミングであった。

銚子沖のアカムツは6月一杯まで。潮具合で釣況がガラリを変わる釣りゆえ、この日のようなパラダイスもあればオマツリ地獄で阿鼻叫喚の日も。潮の流れが落ち着いている今がチャンスだ。