アングラー:福田 豊起


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2019.8.4

メタリアアカムツで波崎沖寒猫根アカムツ

7月からスタートした波崎港出船の寒猫根アカムツ。ここは春先のポイントである銚子沖に比べて浅いのが特徴。夏の乗っ込みポイントと言える。ここへ来て良型の新群れが入ったとのことで7月31日信栄丸さんにお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:メタリアアカムツS-195

リール:シーボーグ200J-L

PE:UVFメガセンサー12ブレイドEX+Si2号

コード:SLPWスーパーAIRコード220

バッテリー:スーパーリチウム11000WP

夏から秋にかけての茨城、福島海域では150号よりも軽いオモリを使うところが多い。水深も150メートルよりも浅いポイント主流。特に波崎港出船の船宿さんではより軽い120号のオモリで統一してくれている。それならば軽いオモリに対応したライトなタックルで楽しまなくては損と言うもの。

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そこで、よりライトにアカムツゲームを楽しもうと言うコンセプトから生まれたのが今回のメタリアアカムツのS-195だ。もう、ゲームロッドと呼びたくなる軽やかな操作性と曲がりが楽しめるしなやかさ。特に誘いが肝となるアカムツ釣りゆえにその操作性は重要。また、感度も譲れない必須項目だ。その一方で、仕掛けが跳ねてしまうようではアカムツは口を使ってくれない。この微妙なバランスを取りつつアカムツゲームを最大限に楽しめる仕様となっている。

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また、巻き上げ時の口切れによるバラシ対策ももちろん抜かりはない。魚が掛ってからはグラスソリッドを思わせるような粘りのあるクッション性を発揮。キャッチ率を高めると同時に美しい曲がりで楽しませてくれる。巻き上げ時は手持ちでウネリをかわすのが理想だが、凪の日ならばホルダーに掛けての巻き上げもアリだ。

寒猫根のポイントは深くても150メートルほど。潮の流れも銚子沖と比べて流れも緩やかな日が多いのでオマツリの頻度も少ないので高切れのリスクも低い。ゆえに小型のシーボーグ200J-Lに2号300メートルを使用。このタックルであれば片手での操作も楽々。誘いにも集中することが出来る。

また、こんな時はぜひスーパーAIRコードを試して頂きたい。スーパーAIRコードの重さは付属のコードにくらべて半分の重さ。コード一本でライト感が全く変わるからだ。

航程1時間でポイントに到着。私はミヨシ先端に釣り座を構えた。

ポイントに着いてみると水色の濁りのきつさに驚く。サバやサメの邪魔は少なくなるかもしれないが、本命アカムツが口を使ってくれるか少々心配になる。

不安をなぞるように、明らかにアカムツでなないアタリが。。。始めこそアタリを出したものの重いだけ。これならばオマツリのリスクは無いので残りのエサでしばらく勝負してみるが、新たなシグナルは無い。巻き上げてみると案の定、大きなドンコ。

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しかも、次回の投入も同じサイズのドンコ。しかも2本バリのうち上のハリに掛っている。通常ドンコは泳層が低いものだが濁りのせいであろうか。

今後の展開が思いやられると頭を抱えた次の流し、不安を振り払うような明確なアタリ!鋭くガクガクと鋭角的なそのシグナルは間違いなくアカムツ。巻き始め15メートルは暴れたものの、重さだけをのこして竿先が静かになる。確信はさらに深まる。水面間際でガクガクと大きく暴れて上がって来たのは本命アカムツ。

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次の投入もさっそくアタリ。しかし、ハリ掛かりしない。やはり力強い鋭角的なアタリであったので悔やまれるところ。だが、私の場合、こんな時は2本バリを使っているのであれば、残りのエサで勝負をかける。感度の良いタックルを使っていればこの程度のイメージを描くことはたやすい。ここで巻き上げて再投入するのであれば数分のロスタイムはま逃れない。残りのエサで自信をもって釣りに集中出来ればチャンスは広がると言うもの。この作戦が功を奏して再びアタリ。カウンターでガツンと同時に鋭角的なガクガク。一瞬?サバ?となったが、その後の重量感と叩くようなガクガクからアカムツと判断。巻き上げに入っても中々おとなしくならないので少々不安になったが25メートルほど巻き上げると静かになった。上がって来たのは35cmオーバーの良型アカムツ。Effect_20190801_202039

この型が一尾上がれば満足できる。プロトタイプの集魚アイテムを使ったので写真はご勘弁を。

朝一の不安をよそにアタリは続く。隣の方のタモ取りをしているとホルダーに置いていた穂先が激しく叩かれている。あわててロッドを手にしてスイープ気味にアワセるとフッキングに成功。シテヤッタリと思った瞬間、鋭い突込みを竿でかわす。首振りの幅が大きい。200JのATDドラグが滑って巻き上げが時折止まるほどだ。

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このスリリングな一連のヤリトリを片手で楽しめてしまう。もはやかつてのアバウトな中深場釣りのイメージは全くない。手持ちでロッドを叩くようなアカムツの首振りをかわしつつ至福の巻き上げ。200号のオモリではとてもこのダイレクト感は味わうことは出来ない。

ヤリトリの様子から船長さんが操舵室から出てきてタモを構えてくれた。上がって来たのは40cmを軽く超える極肉厚の本命アカムツ。

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浅場の寒猫根でこのサイズに恵まれたことに感謝。大型のアカムツの迫力を写真に表現することは意外と難しいもの。

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ならばと撮ってみたのがこの写真。持った手と見比べて頂きたい。そのボリューム感を感じることが出来るだろう。

続く流しでもドキッとするようなアタリ。またしてもフッキングせず、残りのエサで勝負。実のところ浅場の寒猫根と言う事で小型主体と踏んで普段は使わない16号をハリを使ってしまった。いつも通り17号のハリであればこれほどのすっぽ抜けを演じることはなかったのかもしれない。幸い、またしても次のアタリでフッキングに成功。先程と同様振り幅の大きい首振りに期待が高まるが。。。

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上がって来たのはアラ。まだまだ大型になる魚であるが、この位のサイズがあれば食べるのが楽しみだ。

しかし、夢のような状況はここまで。潮の流れが止まってしまいアタリも遠くなってしまった。船中では時折本命が取り込まれる我慢の拾い釣り状態。

ハリスを短めにして誘いでよりエサが動くようにするとようやく良いアタリが出てくれた。

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こんな時は食いも浅いためいかにもアカムツらしい際どい掛かりとなる時もしばしば。そこで、メタリアアカムツの粘りのクッション性がモノを言う。

この後本命は小型のみ。最後、試しにステイトを短くしてみるとムシガレイの連発でフィニッシュとなってしまった。

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改めて寒猫根のアカムツをやってみると様々なことに気づかせてくれる。浅い水深、軽いオモリで釣りをするとなんと竿先や手に伝わる情報量の多い事か。かつてのアバウトな中深場釣りにおいて気付かないだけで海底では様々なドラマが展開されていたことを思わずにはいられない。また、上げ下ろしの時間も短く魚も多いゆえに、試してみたことにすぐに答えが出ることがうれしい。試行錯誤のし甲斐があると言える。関東周辺の胴突き仕掛けのアカムツ釣りの様々なフォーマットはこの寒猫根での釣りから発祥したことが頷けると言うもの。アカムツ初挑戦の方にもおススメしやすいばかりでなく、アカムツマニアが通い詰める魅力の釣り場であると言えるだろう。

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産卵を控えたこの時期のアカムツは一年でも最高の脂の乗り。赤いルビー、白身のトロの呼び名に隠れ無しの味をぜひ多くの釣り人に味わって頂きたい。

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また、ゲストで釣れたアラも負けずとも劣らない味に驚かされた。