アングラー:福田 豊起


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2018.12.2

大興奮!玄界灘の落とし込み

私にとってヒラマサは特別に思い入れのある魚。ゆえに玄界灘の落とし込み釣りはぜひチャレンジしたいターゲットであった。ようやく念願かない11月27日に北九州芦屋・柏崎漁港の星龍丸さんに乗船する運びとなった。

今回、お声がけ頂いた田渕テスターと大阪湾テンヤタチウオのスペシャリスト西野さん、そして今回の釣行のセッティングをしていただいた地元の郷原テスターという豪華布陣で臨んだ。この日は6時過ぎに乗船して、ベタ凪の海に船は走り出した。

今回のタックル

ロッド:ゴウイン落とし込みH-243-j

リール:シーボーグLTD500j

PE:UVFメガセンサー12ブレイドEX+Si6

シンカーは100号、仕掛けは星龍丸さんオリジナルの落とし込みサビキ5本バリ。ハリスは16号と18号を購入した。

初めての釣りと言う事で郷原テスターのお話を始めとする様々なことから手がかりを得てイマジネーションを膨らましていく。

まず気になったのは仕掛けのハリの小ささ。私の慣れ親しんだ外房のカモシ釣りも同じヒラマサをメインターゲットとしている。カモシ釣りも泳がせなどに比べると格段にハリは小さめを使うのが特徴だが、それよりも二回りは小さい。ベイトの小さいウルメイワシを掛ける必要があるので当然だが、ヒラマサとのヤリトリ時にはハリの強度、口切れともリスクは高くなるだろう。また、ハリスの短いサビキ仕掛けなので枝スの結びも弱点になるはずだ。まずは、16号のサビキをチョイス。ドラグ設定は約6キロくらいであろうか。ハリや枝スの安全率を見込んでカモシヒラマサにおけるハリス12号位の設定で臨んだ。

そして、このドラグ設定を確かめた郷原テスターが何も言わず笑顔を見せた。まずは合格のようだが。。。このドラグ設定の範囲内で強気のファイトをするのが私の当初の作戦であった。

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そしてさらに今回サポートしていただいた遊漁船Trip号の小濱船長さん。取り込みやオマツリほどき、釣った魚の神経締めまで大変お世話になりました。タイラバやイカメタルが得意との事なので次回の釣行ではぜひそちらでもお世話になりたいです。

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航程たっぷり二時間との事。凪のせいもあるが外房と違いウネリが無い海に驚かされる。ゆえに船はかなりの速力で滑るようにポイントに向かう。途中、良い反応を見つけた東船長さんは80メートル前後のポイントで第一投をすることとなった。面舵側で早速アタリがあったもののバラシ。早々に見切りをつけて再び船は沖を目指す。隠岐の島を超えて水深120メートルのポイントに到着。いよいよ決戦だ。

この日のベイトはウルメイワシ。まずはこのベイトを付けることが第一関門。ベイトを上手く付けることが出来れば本命のアタリを出すことにそれ程苦労はしなかった。中層やや低目にベイトの反応がいることが多く、ベイトが付いたら底まで仕掛けを下して本命にアタリを待つ。このベイトのシグナルをとらえることが落とし込みロッドに求められる第一条件と言う事を痛感する。この日はベイトを付けるのに苦労する場面も見られたのでなおさらだ。また、この着底させるときにベイトが外れやすいのでそ~っとオモリを着底させる。この時シーボーグLTD500jのフォールブレーキダイヤルを使えば落下速度を適切にセーブできる。

さらに船長さんから、アタリを待つ時はオモリが着底して立つか寝るかのゼロテンション状態が理想と教わる。初めて聞くメソッドだが、なるほどゼロテンションであればベイトの動きが分かり易い事と同時に本命の食い込みを妨げない効果もあるだろう。さらに幹糸を支点としてエダス分周りながら暴れるベイトの動きも良くなることも考えられる。こういったノウハウは直接船長さんに聞かないとなかなかわからないものだ。

すぐにイナダ、ワラサクラスのヤズが竿を曲げる。元気が良いのはイナダサイズのヒラマサの子供、ヒラ子だ。

そして遂に、この日誰よりもベイトを素早く付けていた田渕テスターに強烈なアタリ!

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上がって来たのは本命の良型ヒラマサ!

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そして、私にも! 天秤もクッションもない落とし込みではヒラマサ独特の首振りがより強烈に竿を絞る。

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体高の高いグッドコンディションのヒラマサだ。太った個体は体側のイエローラインが薄れるのは外房のヒラマサと一緒。

このあと、間もなくヒラマサらしきを掛けたもののフックアウト。仕掛けを点検すると異常無しだったので、口切れによるバラシの様だ。一本釣って思ったのだが、落とし込みロッドのバットは泳がせロッドの様にガチガチではない。対ヒラマサ用のパワーを備えると同時に引きをいなすしなやかさを保っていると言う事。ヒット直後は根や漁礁に逃げ込もうとする魚を引き離すパワーファイト。その後はハリや魚の口をいたわる繊細なヤリトリが求められる。この相反する要素が落とし込みのヤリトリを難しいものにしていると同時に釣り人を熱くするのであろう。これはスゴイ釣りに手を出してしまったものだ。

さらにヒットは続く。鋭い首振りにヒラマサか?と思われたが途中の引きが違う。上がって来たのは綺麗な大ダイ。タモですくうと手返しが悪くなるので掛かり所を確認してヤマ入れ(ごぼう抜き)!! 豪快この上ない。

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このような太仕掛けで大ダイとファイトする事は中々出来ない。文字通りダイレクト段引きに酔いしれた。

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西野さんもオマツリしながらも上手くヤリトリして本命のヒラマサをゲット。

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そして田渕テスターにさらに強烈なアタリ! 底付近から浮かせるまでの強烈な引きに鉄人の剛腕がうなりを上げる。

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上がって来たのは本日最大の99センチのヒラマサ。

さらに私も続いて

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この後、ベイトが大きく早合わせをしてしまったためのすっぽ抜け。逆に食い込みを待ちすぎて大型の根魚らしきに根に逃げ込まれるバラシが続く。前日には12キロのアラ(クエ)も上がっておりベイトが付いている間はひと時も油断は出来ない。このあたりは経験を積まなければ適切な状況判断が出来ないところかもしれない。落とし込み釣りの奥深さと言えるだろう。

この間も船中では良型のマハタ、ヒラメ、ハガツオ、5キロ級のメダイ、そして多数のマトウダイが上がって百花繚乱。

そして最後のポイントに船は向かった。最もヒット率の高い第一投。ベイトが付かずにオモリが着底してしまっと残念がってしまったのが大きな間違い。間もなく穂先に違和感が。。。と思った瞬間竿がいきなり大きく絞り込まれる。激しい首振りが竿を大きく叩く。しかも振り幅がデカい。大物だ!

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すかさずジョグを入れてアワセを入れる。すると、魚の疾走と相まってロッドを立てることに一苦労。ここで郷原テスターからロッドのポジションを整えてからジョグを入れるよう指導が入った。なんとか仕切り直して竿を立てて魚の頭をこちらに向ける。7,8メートル上げることに成功。「これは行ける!」と思った矢先、再び激しい首振りでフックアウト。

回収して点検するとハリが伸びている。不意のアタリにアワセが上手く行かず掛かり方が悪かったのか、それともヤリトリが強引過ぎたのか。。。悔やまれるバラシであった。

その後もこのポイントではベタ底でベイトが付く。船長さんはベイトが付いたあと10メートル底を切るようアナウンスがあった。どうやら根にタイトについたベイトに本命の大型魚がフタをしている状態の様だ。ベイトが付いてから10メートル手巻きで巻きあげる。巻き上げとアタリがカウンターになってしまいエサ抜かれもあった。だが、最後上手く食わせることに成功。

今度は今日の失敗を踏まえて底付近を切ってからはドラグを気持ち緩めて丁寧なヤリトリを心がける。竿を立てた状態をデフォルトとして巻き上げ途中で魚が暴れた場合は竿でいなすと同時にジョグの巻き上げを緩める。全く持って基本どおりではあるが、頭に血が上った状態ではついつい雑にリールのパワーまかせのヤリトリになりがちなので気を付けたいところだ。

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最後は良型のブリでフィニッシュ。

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星龍丸さんと郷原テスターには本当にお世話になりました。スゴイ釣りを経験させて頂きました。