アングラー:福田 豊起


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2022.6.5

洲崎沖モンスターマダイハンティング

コマセマダイ終盤となる5月後半から俄然モンスターサイズの大ダイが上がり出す海域がある。それが千葉の洲崎沖。ここ数年で開拓されたポイントだけに知らない方も多いかもしれないが、そのポテンシャルは関東とは思えないほどと言えるだろう。

モンスターサイズに挑むべく6月1日洲崎港の第二美吉丸さんにお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:リーディングスリルゲーム64Ⅿー255

リール:シーボーグG300J

PE:UVF PEデュラセンサー×8+Si² 3号

ビシ:MDビシⅡL80号

 

今回、モンスターサイズを向こうに回してスリルゲームでチャレンジすることにした。ここ何年かこのロッドで大型マダイ、ヒラマサ、シマアジなどの難敵と渡り合ってきたが、その集大成となる釣りが狙いだ。

5時過ぎに港を離れる。私の釣り座は左舷の胴の間。ポイントは至近でゆっくり走って10分ほどであろうか。指示ダナは深く50メートル前後。

この日は終始、強烈な二枚潮であった。オマツリを避けるためビシを振り込んで投入したり、途中で念入りにサミングするなどかなり注意をはらう。

デフォルトの仕掛けはムネヤマ6号、先4号のテーパー仕様の一本バリ12メートルで様子を見る。朝、反対舷で良型のマダイが上がった様だがここから沈黙が続く。魚探に反応はかなり映っているようだが、とにかく潮かたが悪く釣りづらい。

日も高くなった頃、食いが悪いので15メートルと伸ばしていた仕掛けを詰めて10,5メートルとして様子を見る。低活性対策としてハリスを伸ばすことがおおいが、春のマダイは浮くことがままあるので逆を試してみる。

すると、スリルゲームに明確なシグナルが。すかさずアワセを入れると一気に走り出した。今回はモンスターサイズ狙いと言う事で一瞬緊張したが、丁寧にリフトするとたまらず頭をこちらに向け始めた。

とは言うものの、その後も速い潮に乗ってかなりの抵抗を見せてくれる。上がって来たのは3,2キロのマダイ。狙いのサイズではないがこの型が上がれば御の字だ。

沖上がり近くになって反対舷でなんどか竿か曲がったが結局、左舷ではこの一枚で終了となってしまった。

終盤、アタリが出てきただけに後ろ髪引かれるおもいが。。。この後、無性に釣れる気がしてならない。船長さんに訊くと午後も出船するとの事。このまま帰る予定であったが急きょ午後も乗ることに。いそいで、コンビニによって午後船に滑り込んだ。

午後は午前と反対舷、右舷胴の間の釣り座となった。投入すると午前よりも二枚潮がきつい。幸いラインが払い出す流れであったため神経を使わずに済んだが、アタリは遠い。有利な釣り座と判断してハリスは4号10,5メートルとスタンダード仕様とした。

しかし、船中でもアタリが無い。勘が外れたかと思った矢先、スリルゲームにシグナルが。

ロッドを手に取ると走る様子はないものの結構な手応え。頭を振る様子からマダイに間違いないようだ。最後まで走らずじまいであったが、上がって来たのは午前の一枚とそん色ない本命マダイ。

 

続けて今度は一気にスリルゲームを絞り込んで一気にドラグを滑らす気持ちの良いアタリ。

グッドコンディションのメスダイ。4キロクラスの堂々とした綺麗なマダイだ。それにしても潮の流れが速いので引きが強い。

さらに、ホルダーにセットしたスリルゲームが叩かれる。すかさずアワセをいれるが、ひたすら重いだけで走らない。走らないだけでなくこちらに頭を向けるそぶりも無い。こちらの様子をうかがっているようだ。デカい。

大物はいきなり突っ走る場合も多いが、様子を見てから猛然と走り出す狡猾な個体に出会うことも有る。私がその猛ダッシュを警戒して慎重になっている間に相手は速い潮に乗ってどんどんラインを引き出していく。

ついに相手は悠然と走り始めた。船下側にラインが入った状態が続く。ロッドを海面に突っ込んでなんとか耐えるが、不利な状況だ。なんとかラインが船下から離れ危機的状況は脱したものの、相当走られてしまった。

スリルゲームでのヤリトリはこちらが主導権を握ることが重要。コマセマダイ専用ロッドに比べればレングスも短く、引きをためた時のリフティングパワーは及ばない。ロッド任せではなく、釣り人自ら魚の頭をこちらに向けてリフトすることにスリルゲームのヤリトリの楽しさと難しさがある。

今回は、完全に後手に回って不利な状況となってしまった。何とかラインが立つ状態に持ち込んで魚の頭をこちらに向ける。スリルゲームが有利な点は感度が良い点。さらに取り回しの良さからその感度をフルに生かした機動性に優れる点が挙げられる。タックルの感度はアタリを取る場合だけでなく、ヤリトリにおいても明確なアドバンテージとなるものだ。

だが相手もさるもの、食いダナから上に上がることを嫌がって一進一退が続く。ここでも、潮の流れが加わって信じられないほどのスタミナを見せてくれた。だが、徐々にプレッシャーをこちらが掛ける場面が増えてた。

こちらのリフトに応じるようになっても時折力強い抵抗を見せる。ついにビシを手に取ると速い潮に取られてハリスが張り出してしまう。ボコんと上がって来たのは7キロのメスダイ。狙っていたモンスターサイズだ。

 

 

この条件でモンスターサイズと言える一枚を何とか上げることが出来た。大物との息詰まるヤリトリに加えてタックルのポテンシャルを引き出せてファイトは無上の喜びを釣り人に与えてくれる。

この後、しばらく休憩したのちにハリス5号でもう一枚追加。これも良型であったが、ハリスが太くなったぶん強気のスリルゲームらしいファイトを堪能。出来過ぎのフィニッシュとなった。

この日は終始強烈な二枚潮に翻弄された釣りづらい状況であったが、洲崎沖のポテンシャルをまざまざと見せつけられる釣りが出来た。