アングラー:福田 豊起


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福田 豊起さんの記事
2022.5.26

衝撃の青森一つテンヤマダイ

先日、青森県へ一つテンヤマダイ遠征をおこなった。5月22日訪れたのはむつ市の浜奥内港 太洋丸さん。

今回のタックル

ロッド:紅牙テンヤゲームエアAGS Ⅿー240SⅯT

リール:ルビアスエアリティーLT2500-XH

PE:UVF紅牙デュラセンサー×8+Si² 0.8号

リーダー:紅牙リーダーEX Ⅱ タイプF 3号

こちらの一つテンヤマダイは一風変わっている。ホタテの養殖棚に船を固定。ホタテの獲り入れをしている横で竿を出させてもらう形となる。ホタテの収穫の際に落とされる汚れに混じって甲殻類や貝、小さな魚なども落下する。それをエサに寄って来るマダイを狙うご当地ならではの仕組み。

さらに使用するテンヤも独特。他の地域ではまず見たことも無い1号の極軽いテンヤがメインウェポンとなることだ。ご当地では誰もが知る人気アイテムとの事。

紅牙タイテンヤSS+陸奥湾SPはその名の通り1~3号とこの釣りならではの仕様となっている。イガイブラックなどいかにもこの釣りらしいカラーもある。迷わず一番軽い1号をチョイス。

水深は25メートル前後なのでこの軽量テンヤで底立ちが取れるかと心配になる方もいるだろう。だが、船は固定されており陸奥湾内の穏やか海なので経験者であれば、その点はまず心配無用。潮の流れがあるので船から払い出す方にテンヤが流されるが、この流れに乗せていくイメージだ。

陸奥湾のマダイは春水温の上昇と共にエサの豊富な湾内に外海から回遊してくる。湾内でも浅い当海域のマダイの回遊は遅い方。この釣行の一週間まえあたりから釣れ始まった様だが、まだシーズン初期とあって釣果はまだ不安定なようだ。最盛期にはにわかには信じがたいほどの爆釣が出来るものだが、今回は数よりも型を期待しての釣行となった。低水温に強い大型ほど先に回遊してくることが多いからだ。

真っ暗いうちからホタテの収穫作業が始まる。期待と共に竿を出すがマダイからのシグナルは無い。明るくなると洗い落とされる泥と共に様々な生き物が潮の流れに乗りながらゆっくりと沈んて行く様子が見える。いかにも魚が寄ってきそうな雰囲気だ。

この釣りでは冷凍エビが基本のエサとなるが、洗い落とされる小動物を食べに来たマダイがターゲットだけに、それらをエサにすることも面白い。カラス貝やギンポ、さらにホタテそのものも良いエサとなる。

ご厚意でホタテを失敬してエサとさせて頂いた。貝柱を盗み食いしてしまったが甘みがあってすこぶる美味。エサにするのがもったいない。

ギンポは動きが良いように下あごからアッパーカットで孫バリはフリーで付けてみた。ギンポの動き重視の付け方。

極軽いテンヤなので沈みは遅い。最盛期になれば底付近はおろかリーダー分沈めばいつアタリがあっても不思議ではない状態となる。また、極軽いテンヤのフリーフォール中のアタリなので一気にテンヤをひったくって行く最高にエキサイティングなアタリが出るのもこの釣りの大きな魅力。

とは言え、まだマダイの数が少ない様子なのでボトムステイを織り交ぜつつ丁寧な釣りを心がける。

潮の流れがあるので着底後に大きくしゃくり上げて再び着底させるとラインを送り込むことになる。これを利用して船からテンヤを離してリサーチしていく。

ボトムステイをしていると手アタリと同時にメタルトップにシグナルが現れた。この時は、ギンポのチョンがけだったので丸のみさせるためメタルトップに重さが加わるまで様子を見るつもりであったが、一気に穂先を抑え込むアタリに反射的にアワセが決まる。軽いテンヤならではのひったくって行くアタリは最高にエキサイティングだ。

初めのリアクションこそ小さめであったが、走り始めるとなかなかの手応え。根掛かりしない前提でリーダーを太めの3号としてドラグも強めの1キロ強に設定してあったので、存分にマダイの引きを受け止めながらのファイトを堪能。

このなるべくドラグに頼らずにロッドサバキで魚をコントロールするファイトが私が理想とするところ。

 

上がって来たのは約3キロのグッドコンディションのメスダイ。こちらのマダイの産卵はまだまだ先ということでとにかくコンディションが良くて惚れ惚れするほど。それゆえ引きも強い。

さらに今度はホタテをエサにしてみる。するとボトムステイ時にカツカツといかにもマダイが噛みに来ているようなアタリにアワセを入れると、一気に走り出した。

今度はさすがにドラグを滑らせないファイトが出来ない。大ダイだ。

強烈にヒラを打つマダイを制してなるべくロッドでこちらに頭を向けて魚をコントロールするよう心がける。徐々に間合いが詰まっていくが隙あらば、まだ頭を向こうに向けようと執拗に抵抗するマダイに思わす声が出る。

上がって来たのは4キロ半ばのメスダイ

体の厚みが凄い。

テンヤを丸のみして全く見えない状況で上がって来た。ヤリトリの主導権を握られていたら歯でリーダーが切れていたかもしれない。

この後もギンポエサでアタリがあったがスッポ抜けてしまった。

さらに、ギンポで小さなアタリ。今度はミスらないようラインのテンションを抜いて食い込ませようとした矢先、スゴイ勢いで走り始めた。カウンターでアワセを入れるとさらにぶっ飛び始めた。

潮上であるミヨシ側に一直線。ミヨシの釣り人に協力して頂き、ミヨシに移動してファイト開始。その間にもかなりラインが出されてしまった。ここから、ロッドを立てて走りを止めに掛かる。

かなりのテンションが掛かっているはずだが物ともせずラインを引き出していく。船長さんが「そっちは漁礁があるから気を付けて」と声を掛けてくれた。ならばとさらに強引に頭をこちらに向けるよう意を決してファイトを楽しむ。

やや強引ともいえるファイトが幸いして漁礁から離れた方向に魚は向き始めた。ここからは丁寧なヤリトリを心がける。上がって来たのは堂々の貫禄をしたオスダイ。こちらは5キロ台半ば75センチ。今回の遠征の目標達成だ。

分厚い唇に親バリがガッチリ。

これからこのホタテ養殖棚のマダイは最盛期を迎える。その激アツぶりは想像こえる凄さとの事。それは来年の楽しみとして再訪を誓う。

青森遠征ではいつもお世話になっている八戸イワキ釣具店さん。ちょっと特殊と言えるこの釣りでは地元の釣具店さんのサポートが何よりも心強い。ありがとうございました。