アングラー:林 良一


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2014.6.20

〈林〉粘りつくアタリ・マダコ釣り

先週位から東京湾奥で好調に開幕したマダコ釣り。竿を使わない手釣り、太目の渋糸にテンヤを付けて釣る伝統的な釣法に、6月19日(金)、浦安の吉久さんから挑戦してきました。

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仕掛けはタコテンヤを使いますが、今回は前日にパーツ買いをして自作してみました。「羽子板」と呼ばれる竹から削り出したヘラ状の板に、大きなハリを2本、テンヤオモリの50号をそれぞれタコ糸で取り付け、接着剤で固めれば完成です! 

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出来上がったテンヤを、宿で貸し出してくれる渋糸に接続すればOK! シンプルな仕掛けです。

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出船前には、タコ船の峰岸船長から、エサのカニの付け方、小突き方、アタリ、アワセ、取り込み、根掛り回避法など、マダコ初心者の僕にとってはありがたく、たいへん参考になるレクチャーが行われ、僕が開催している釣り教室のレクチャーにも、いつも参考にさせていただいています。

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エサはタコの大好物、冷凍してあるイシガ二等を解凍して使います。 

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「タコのサイズが小さい」との情報から、僕は小振りのカニを選んでみました。テンヤに付いているタコ糸でタスキに縛り、テンヤにカニを固定します。 

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さて、ポイントに到着し、合図と共に皆さん一斉にテンヤを海に投げ入れます。ポイントは堤防回りなど、ゴロタ石が敷き詰められている根回りが中心で、テンヤを根掛りさせないよう、1秒に2回ほど、5cmほどテンヤを小突き、渋糸を張り気味に、決してテンヤを引きずらないように心掛けながら釣ります。平日でしたが22人乗船で、マダコ人気を窺わせます。 

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小突いていると「コツコツ」と、テンヤのオモリが底に着いては離れる挙動が指先に伝わりますが、タコがカニを発見し腕を伸ばすと、その硬質な「コツコツ」と伝わる挙動が、軟質の「ネバネバ」に変わり、そのまま子突きを続けている=カニがタコに襲われまいとして逃げる動き をしていると、この「ネバネバ」が段々と更に粘っこくなって行き、指先の感触では、座布団でもテンヤの上に置いたような、だけどテンヤを聞くと動かないことは無いような、重量感のある重みに変わってきます。これはタコが、カニに覆いかぶさり抱き付いた重さなわけで、ここがアワセ時! 片手を命一杯渋糸の下方に持って行き、勢いよく、タコの重さを感じながら頭上まで跳ね上げ、タコにハリを貫通させます。

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お隣の方もお見事! マダコを釣り上げられました!!

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釣り上げたタコは、そのままバケツなどに入れておくと、必ずと言っていい程脱走してしまう為、船宿で手に入るこんな網袋に入れ、口を縛って水の中に入れておきます。 この時は中盤、300g位のタコが6杯獲れました。

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コツコツと小突きながら、ジワーと粘着質に重くなるアタリで胸がときめき、テンヤの中心部までタコが乗るまでのドキドキ感、アワセた後の心地よい重み! 沖上りまで11杯のタコを獲ることができました。船では合計152杯のタコが上がりました! 

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釣り上げたタコは、内臓を取り除き、塩で揉んでヌメリを取って湯がけばこの通り! 

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小振りのタコゆえの柔らかな歯ごたえ、噛むほどにしみ出てくる美味しさです! どうですか、この瑞々しさ!!  

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今回100%手感度、言ってみれば、目をつむっていてもアタリを取れる手釣
を体験してみました。峰岸船長いわく「レクチャーを忠実に守っていただければタコは釣れます!」の通り、根掛りを回避しながら、指先に感じ出す粘つくアタリにも小突きを止めず、頃合いを見計らってアワセた時の爽快感を伴う重さ・・・。タコ釣り、また行ってしまうかもしれません (笑)