アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2011.8.20

〈林〉手感度・目感度・耳感度!?

竿を握った手に伝わる挙動、それは海底の岩であったり、砂地の感触であったり、好敵手からのトリッキーで微細な変化であったり・・・。それらからの情報を感じ取ることのできるチタントップの竿を使い慣れてくると、本命なのか外道なのか、詳細な海底の状態、形状をイメージできるようになり、釣り進めて行く上で大きなアドバンテージとなります〔手感度〕。

一方柔軟なメタルトップの竿は、海底でオモリを寝かしてた状態でのゼロテンションで、トップガイド半個分の早いが重さのない振幅=アタリを目視で取ります〔目感度〕。

レースマシンに例えれば、最高峰のF-1マシンそのもののポテンシャルを持っている竿を使い、使い手の貴方は手感度と目感度両方の情報を脳裏で常に分析しながら、今誘うのか、待つのか、アワセるのかなど、過去の経験も総動員しての一杯との、あるいは一枚との駆け引きは、まさにアタリを出して掛ける釣りの醍醐味ではないでしょうか。

 

手感度は触覚、目感度は視覚で捉えるものですが、少し違った状況をここで考えてみてください。

例えば一人、遊園地のお化け屋敷に入ったとします・・・。

入り口を入ると日差しの下とは違って真っ暗なお化け屋敷の中、目を凝らして見回しますが、ほとんど何も見えません・・。

ユックリと歩みを進めながら両手で前方をまさぐりつつ、目を凝らしたまま、必死に物音を聞こうとすると思うのです。

いわゆる手感度と目感度がスポイルされた状態では、自然に耳感度ともいえる聴覚も導引しながら歩みを進めて行くと思うのです。

 

そして釣りでは、眉間に皺を作りながら竿先を凝視、手に伝わる情報に集中、それでも見送ってしまった感がある違和感的な変化があるとき、穂先を見つめる視線はそのままに、自然と聞き耳を立て釣り進めてく自分がいます。

こんなときそうなのですが・・・

ほんの、極々小さく「コツン」ときた挙動を手感度と目感度で確認はできたのですが、その「コツン」の本質が何か分からないとき、本命であれはアワセに行く為のプロセスに移行していきますが、外道ならアワセの必要はなく、船が流れて高根にオモリが当ったのであれば若干底を切り、と、その内容により当然竿の操作が大きく変わってくることが必須で、先程の極々小さな「コツン」は何であったのか? 次に訪れるのは何かとの情報収集に神経を研ぎ澄まし、つい聞き耳までを立て、耳感度も導引してしまいます。

 

「耳感度って、アタリの音ってあるの?」

いやいや紛らわしい内容でスイマセン、小さなアタリに音は無いですもんね。

耳感度までを導引するほど集中してアタリを探し出し掛ける釣りが好きなものなのですから、ついついこんなこともしてしまうのです・・・