アングラー:林 良一


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2010.7.6

〈林〉アタリを出し掛ける釣り

あくまでも個人的な見解なのですが、マルイカ釣りと湾フグ釣り、共通しているところがあるような気がします。

 

僕の湾フグ釣りのスタイルは、船下でのゼロテンションを維持しながらアタリを待ちます。                                                                         (参考記事:これも繊細、湾フグのコンタクト ~実釣編~ http://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2009/04/08/21/)                                              

例外もありますが、主にオモリを海底に付けての状態でアタリが出るよう誘いをかけ、ゼロテンションの状態でアタリが出るタイミングを計ります。

アタリが出たら即アワセ、カットウ鈎が後から付いてきてくれますので、たるんでいるフグの皮にイカリ鉤が刺さりフグを掛けることができます。

 

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マルイカ釣り。

スッテを襲い抱くマルイカ。

そのアタリを察知して掛ける、すなわち竿を煽り、今抱いているであろうスッテをずらし、カンナにイカを掛ける・・。(参考記事:スッテのカンナ http://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2010/04/05/66/)

 

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どうでしょう、こうして考えてみると、異論がある方もいらっしゃるとは思うのですが、「アタリで掛ける」部分は似ているように僕は感じます。

 

 

数年前、1.3mの対のアナゴ竿の穂先部分を削り、極敏感な穂先の湾フグ竿、それも全く同じ調子の竿を2本作ったことがあります。

 

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もちろん完成してすぐに、ワクワクしながら湾フグ釣りで使用、当時2本竿でアナゴ釣りに興じていた僕でしたので、思うような竿さばきができると思っていたのですが・・・・。

左右交互に誘いをかけながら、誘い後のアタリに集中しました、そう左右交互にです。

マルイカ釣りの場合に当て嵌めると、タタキ直後にアタリがあるイメージで、左右の竿を交互にタタキながらステイ、右の竿ががタタキなら左の竿はゼロテンションでステイ、左の竿のアタリの有無を見極め、次は左の竿にタタキを入れ右はゼロテンションで・・・、たまに片方の竿を置き、巻き落としをしながらの繰り返しになるかと思います。

実際には仕掛けの回収に倍の時間がかかってしまったり、2人分のスペースを取ってしまったりと、乗合船では現実的ではないのですが・・・。

 

実釣の湾フグ釣り。

左の竿がゼロテンションでステイ、アタリの見極めをしている時、右の竿は誘い下げをしながらフグの注意を引くよう心掛けます。

そして湾フグのアタリ、私見ではほとんど目感度で、竿先に大きなアタリが出るようなら、それはもう引きだと思っているのですが、そんな微細なアタリを目で取る湾フグ、ポツポツ上がるその日、開始から3~4時間経ってやっと左右の竿で一匹づつのフグが獲れました。

それまで一本を手持ち、もう一本を置き竿にしてみたりもしましたが、どうも注意が散漫になってしまい上手く行かず、それからは普段使い慣れている一本竿に交換してしまいました。

何故か?

それは、2本竿ではアタリに気付かずエサが盗られてしまっていることも多く、アタリを出せた筈の、そして、掛けられた筈のフグも掛けられなかったと実感したからで、2本竿による集中の散漫、主に目感度が十分届かず行き渡らずだったと、自問自答しながら、反省しながらの結果が出たからでした。

アナゴの場合も2本竿ですが、実釣での手感度による左右の竿の重みの違い、または竿を握る手に「ゴツゴツ」などアタリが伝わってくるものです。

 

マルイカも湾フグも、集中力、注意力の必要な釣りで、常に相手(獲物)を自分の間合い入れるような誘い、アタリを誘発させるような誘いが必要な、メンタルが大切な釣りだと思っています。

アタリを出せさえすれば、アワセを入れればフグにはカットウで、マルイカにはカンナで獲物を掛けに行けると、大義の意味ではそう考えています。

もっともサワリが短く、足も細くて軟らかなマイクロマルイカの場合は、ちょっと手こずっちゃたりしますが・・・。

 

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