アングラー:福田 豊起


BLOG TOP 福田 豊起の記事一覧
福田 豊起さんの記事
2020.8.9

ショットバイパーでシマアジとアジの泳がせ

梅雨も明けてすっかり夏本番。夏らしい釣りをしたいと思い立ち8月5日に千葉県勝浦行川港の作栄丸さんにシマアジとアジの泳がせカンパチのリレー釣りにお邪魔した。

今回のタックル

ロッド:ショットバイバーM-225SMT

リール:シーボーグ300j-L

PE:UVFメガセンサー12ブレイドEX+Si 3号

ビシ:MDビシL60号

今回のタックルの主役はショットバイバーの新たな追加アイテムであるM-225SMT。その汎用性の高さから人気を博しているショットバイパーシリーズになんとスーパーメタルトップ仕様が追加された。SMTによって手に響く感度と同時にしなやかなSMTは食い込みの良さと目感度がアップ。このロッドの小手調べに今回の釣行をチョイスしたともいえる。

使った感触はショットバイパーそのもの。反発を抑えたしっとりとした曲がりに強力なパワーを秘めている。なんでも使いたくなるその汎用性はヘビーなゲームロッドと呼びたくなるほど。実は私も使っていて気付かなかったのだが、このM-225SMTは従来のショットバイパーのグラスソリッドではなくカーボンメインのチューブラパワーマキシマム。総糸巻き加工やカーボンの弾性をコントロールすることによってテイストやパワーは紛れもなくショットバイパー。一方でカーボン主体ゆえ、嬉しい事にレングスが伸びたにもかかわらず、かなりの軽量化に成功している。

私は右舷トモに釣り座を構えて、4時30分に港を離れた。

まずは、泳がせのエサとなる小アジをサビキで釣る。数日前の様子から「まだショゴ(カンパチの若魚)はちょっと早いみたいね」との情報もあり、一応エサ程度の確保のつもりであった。ひところに比べてアジの減った外房海域だが、この日は難なくエサにするする分を確保。イサキの子供ウリンボも混じった。

水深は20メートル弱、オモリは40号であったがショットバイパーのままで釣ってしまった。十分に豆アジのアタリをSMTの穂先は伝えてくる。そろそろエサ分は足りるかなと思った矢先、豆アジのアタリを伝えるSMTがひったくられる。ショゴが豆アジを横取りしたのだろう。

さっそく、仕掛けを泳がせに替えて豆アジを投入してみる。先程の横取りはサビキの一番上のハリが伸ばされていた。少し高め、底から5メートル前後を探ってみる。すると、狙いどうりM-225SMTの穂先が激しく叩かれた。

ハリスは10号なので全く不安はないが、予想以上の引き。初物のショゴとあって小型を想定していたが、上がって来たのはお兄ちゃんサイズの本命。M-225SMTの実力を発揮するほどではないが、そのしなやかさから十分にこのサイズのショゴの引きを堪能できる。思わず声を上げてしまう楽しさだ。

 

そのサイズから今年新たに来遊した魚ではなく居付きの魚であろう。居付きのカンパチは脂の乗りが良い事が多いので美味。ショゴはあまり期待ていなかったにもかかわらず、うれしい誤算だ。

この後、ショゴのアタリが遠くなったのでタナを広く探ってみる。すると、底近くでM-225SMTの穂先がかすかに抑え込まれた。そのまま、待っていると「フッフッ」と生体反応を感じる。おそらく、ヒラメであろう。ショゴを想定していたので、ハリは伊勢尼の15号と大きいうえ孫バリは付けていない。さらに、アジエサはイワシに比べて食い込みが悪いので慎重にアワセのタイミングを計ったがフッキングには至らなかった。さらにもう一度同様のアタリが有ったがまたもやフッキングミス。

帰港まえに再び泳がせをやるとの事なので、リベンジを誓って今日の本命シマアジのポイントに向かった。

こちらのポイントも20メートル前後と浅い。仕掛けはハリス4号の2メートル+αの2本バリ。とりあえずシャクリを入れてタナを広く探る。M-225SMTは激しくシャクる釣りにはややレングスが長いが、操作性が高いので難なくこの釣りに対応してくれる。また、既存のショットバイパーにくらべレングスが長いにもかかわらず、軽くなっていることも見逃せない。

数投してみると、エサ取りが凄い。通常、一回の投入でタナを2往復探る所を一回で回収。付けエサのチェックをする。しばらくは、エサが残らない状態が続いた。根気よくシャクっているとショットバイパーのSMTにかすかにアタリ。すかさずアワセを入れるが空振り。急いで仕掛けを入れ替える。

すると、再びM-225SMTの穂先に小さなアタリ。シャクリを止めた瞬間のかすかなアタリであったが、今度はフッキングに成功。SMTの面目躍如だ。期待したほどの引きではないがヒラを打って抵抗する様子から本命の期待がかかる。上がって来たのは一キロ前後の本命シマアジ。

このサイズでも味は絶品。

しかし、この後が続かない。本命のアタリもさることながらエサ取りも散発的になってしまう。そこで、置き竿にしてじっくり探ることに。すると、間もなくM-225SMTの穂先が舞い込んだ。先程とはくらべものにならない重量感。食わせたのは根から外れた深場だったので、ドラグを使って慎重にヤリトリをする。

シマアジの始めの引きはめっぽう強い。しかし、スタミナはそれ程ではないので始めの引きをイナスことさえできれば勝負はこちらのモノ。ショットバイパーのしっとりした曲がりが上手くシマアジの暴力的な引きをかわしてくれる。始めの引きを何とかしのいで、頭がこちらに向き始めた。勝算が見えたと思った瞬間、無念のハリ外れ。

シマアジは口がもろいので、ハリ外れのバラシが多い。しかも、走りが止まってこちらを向き始めたタイミングでハリが外れる場合が多い。チャンスがあっただけにくやしいバラシとなった。こればかりはハリの掛かり所次第。アタリをとらえてアワせると良い所に掛かる場合が多いが、置き竿であったため魚が反転して口の横の弱い部分に掛かってしまったのかもしれない。

このあとは、すっかりアタリが遠くなってしまった。次のポイントではイサキが連発する場面があっただけで、結局シマアジからのシグナルは訪れなかった。

最後に再び豆アジの泳がせにチャレンジ。朝のヒラメを仕留めるべく、今度は孫バリ付きの仕掛けを即興で作って投入してみる。ヒラメを意識して底から50cm前後にタナを取った瞬間、M-225SMTの穂先が叩かれる。

低いタナにしたにも関わらずショゴが食ってきたようだ。ヒラメを意識して8号のハリスにしてしまったが、何の不安も無い。M-225SMTの総糸巻きのしっとりした曲がりを楽しみながらのファイト。

ショットバイパーの懐の深さとパワーの片鱗を感じた。さらなる太仕掛けで大物が相手であれば竿尻を下腹に当てたファイティングポジションを取る。そうなればショットバイパーのポテンシャルはこんなものではない。その時を想像すると楽しみで仕方がない。

上がって来たには朝よりも幾分型の良いショゴ。

ここから怒涛のラッシュが続く。タナが低いためか食い上げのアタリもアリ。一気にSMTが舞い込むアタリもアリ。写真を撮る間も惜しんで夢中で釣り続ける。

ショゴを4連続で取り込んだところで怒涛のラッシュがいったん止まった。ここで、夏の高水温のためもあって活きた豆アジが切れてしまった。そこでウリンボを使うことに。

これが時間的に最後の一投となりそう。やはり低目のタナでアタリを待つ。するとM-225SMTの穂先にモタレを感じた。ヒラメらしきアタリだが、ショゴの連発の後で孫バリをセットしていない。さらに豆アジよりも二回り大きいウリンボとあって食い込みに不安がよぎる。ウリンボは皮が固く、ヒレの棘も固いので豆アジ以上に食い込ませるのが難しい。

M-225SMTの穂先のしなやかさを頼りにモタレ具合を推し量りアワセのタイミングを計る。朝の轍を踏むまいと集中する。すると間もなくモタレがひと際大きくなったことを確認してアワセを入れると確かな手応え。まさにSMTの目感度を頼りにモノにしたアタリを言えるだろう。

確かな重量感からやはりヒラメのようだ。ショットバイパーのパワーと懐の深い曲がりならば良型ヒラメを暴れさせないヤリトリをすることはたやすい。全く暴れさせることなく水面に姿を現したには予想通りの良型ヒラメ。狙った通りのフィニッシュに大満足の釣行となった。

船長さんにショゴを一本お裾分けする余裕が有るほどの豪華釣果となってしまった。

ショゴとヒラメのお腹の中はイワシで一杯。ちょうどイワシの回遊と今回の釣行が重なったようだ。魚探に反応が出ていただけでなく、水面にいたる所にイワシの姿が見えるほどの回遊であった。ラッキーとしか言いようがない。

後日食してみたが、ショゴの脂の乗りにビックリ。また、近いうちに再釣行したくなる楽しい釣りとなった。