アングラー:林 良一


BLOG TOP 林 良一の記事一覧
林 良一さんの記事
2015.4.10

3次元で考えてみる

先日、お花見をしながら隅田川を下り、その後東京湾に出てシロギス釣りをするという「佃発  江戸前小物釣り」に参加させていただきました。
老若男女18名が参加。桜咲く佃中澤さんの桟橋から出船したまでは良かったのですが・・・

150404_080329

 

隅田川を下ったところで折からの東の強風がよこたに吹き付け、船に乗り慣れていない方やお子さんもいらっしゃるので残念ながら引き返しました。その後は墨田公園辺りまでのんびりと航行、川からお花見をして帰港したのでした。

150404_081918

 

下船後まだ14時前。それではと、佃発 江戸前小物釣りを企画された鈴木さんのお店 貝焼きバル 祥音さんで2次会と相成りました!

前置きが長くなりました。

その祥音さんで10名程が集まり釣り談義をしていると、スプラッシュさんの新年会でご一緒した曽根さんがマダイ釣りのお話しをされていました。

耳を傾けてみると・・・

「いつも決まった人だけが釣るんだよね~、ホント不思議だよ。船長に『なんであの人だけがいつも釣るの?』って聞いてみたら、『3次元で考えるんだよ』って言われたんだよね。3次元って考えろって一体どういうことだろう・・・?」と、ほろ酔いながら真面目な面持ちでした。

僕は以前「カワハギ仕掛けを3次元で揺らす」といった内容のブログ記事をリリースさせていただいたことがありますが、曽根さんがおっしゃっていたのはマダイ釣りの事ですので「潮と船の向きと流れ、タナ」等が要素となる3次元だとピンときました。

そこで・・・

「曽根さん、釣り船は沖でスパンカー(帆)を立てますよね。スパンカーは艫にありますので、海上に吹く風がスパンカーに当ると風見鶏のように船の舳先が風が吹いてくる方向に向きますよね。北風が吹いているとすれば、船は概ね舳を北に、艫が南になるように海上に浮いているということになります。
次に潮の流れを考えてみましょう。例えば北東方向から潮が流れてくれば、潮は船下を通過し南西方向に流れ去って行きますよね。船を定点に止めていたとしたら、潮が早ければ早い程、海中にあるラインは南西方向に斜めに流されてしまうことになります。
そこで船長は、船を南西方向に、つまり左舷の艫方向に流して行き、ラインはなるべく垂直に立たせながら、ポイントなる根やヘリの付近を、又は魚探に映し出された反応の上に船を流すのです」

と、ここまでお話しすると曽根さんは「だから日によって左舷が釣れたり、右舷だけが良かったりするんだ!」と膝をたたき、理を得た表情で杯を煽るのでした。

ただ、風に関しては気象予報士でもない一介の釣り師(僕の事)が天気「予報」を観て「予想」を立てるのですから、当日船上で予想していた風向きでないことも珍しくは無く、潮の流れに関しても、黒潮の蛇行や気圧、またはエリアにより、決して潮見表通りにはならない時もあるものです。

 

3次元で考えてみる

0次元は点、1次元は線、2次元は面、3次元は立体。

海中を3次元、立体的にイメージしてみると、海底やタナなど、面で捉えられる2次元に仕掛けを下すことで立体的に想像することができるのではないでしょうか。
マルイカでもカワハギでも、状況その他により常に一定の位置(タナ)で釣れることはありません。この考え方はどのような釣りにも少なかれ当て嵌まる事象だと思います。

また、前記の船の流し方も関わってきて、大抵複数の釣り人が竿を出す乗り合い船のこと、潮が払い出す釣り座=潮先の釣り座 は船を流し替える度に1番先に新しいフレッシュな場所に入って行くことを把握し、いざ船で沖に出た場合、自分の釣り座は相対的に、他の釣り人どのように位置しているかの判断が大切で、どの釣り座でも最高のパホーマンスができるように心掛け準備していたいものです。

 

【フレミングの左手の法則】

親指がライン、人差し指と中指の作る面がタナであれば・・・、釣りは3次元で考えてみることが大切かも知れません。

 

imagesCF9VTZHJ