アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2015.4.14

自分流のゼロテンション・前編

マルイカ釣りではオモリが着底した直後や巻き落としの後、カワハギ釣りでは誘った後、湾フグ釣りでは誘い下げ後、その他アナゴ釣りやイイダコ釣りの他、僕は様々な釣りでゼロテンションを多用します。

僕の私見では

ゼロテンションとは直訳すると「ゼロの張り」という意味合いですが、ラインを張らない釣りではなく、「ラインを極々緩く張る状態でアタリを出す」ことがゼロテンションなのです。
潮の流れ、水深、それに伴うオモリ号数と竿先の張り、ラインの太さや仕掛けの潮受けなど複合的な要素が絡んできますが、オモリを海底に置きイトフケを取った状態でラインと竿の角度をアタリの出やすい角度に保ち、「海底にオモリを置いたままが保てる竿先の曲りを辛うじて保っている状態」をゼロテンションといいます。
竿先は目線の高さ位がアタリ≒微細な変化を目感度で捉え易く、僕はマルイカ以外の釣り物でゼロテンションを維持するときは、いざアワセに行く時、よりストロークが取れる為もあり、座った姿勢でゼロテンションを保ちます。

ゼロテンション、以前こんな釣りがありました。

これは一昨年のマルイカ釣りでのことでしたが、僕は艫2番の釣り座で艫にはもう1人、片舷6人でのマルイカ釣りでした。
当日は舳突っ込みで、流し替える度に船の前から釣れ出しましたが、艫2番の僕には中々アタリが無く、艫の方はブランコ仕掛けで時々マルイカを釣り上げるものの僕は沈黙・・・。
そのまま中盤が終わり沖上りまで後1時間半と言う時に風が吹き出しました。この時点で僕は、トップとはダブルスコア―位に離されていたのではないでしょうか。
風が更に強くなる中、オモリを切っての誘い上げが主流(だった?)のマルイカ釣りのこと、舳先ほど風波に翻弄されピッチング(上下動)が酷く、その揺れを相殺させる為に竿を上下し海中の仕掛けがあまり上下動しないよう誘い上げを繰り返します。
僕はそれではと、海中で仕掛けがピタッと止めていられるゼロテンションオンリーの釣りに切り替えたところ連荘が続き、船中1人だけアタリが途切れず、ラスト1時間半を釣り切り仲間に追い着いたのでした。

 

でも問題もあります。

海上に動かずに固定されている防波堤などは違い揺れる船上でのこと、湾フグ釣りのように、柔らかに削り込んだ竿先ほど船の揺れが竿先の曲がりへと直結してしまい、その曲りがあればあるほど微細な変化として表れる場合のアタリを殺してしまい・・・、つまり、船の揺れによる竿先の曲り=ノイズの方がアタリより顕著に目感度に表れてしまっていては、極小さなアタリを取って掛ける釣りの障害になってしまいます。

ですから、微細な変化である場合のアタリを大きく出そうと、竿先が細く柔らかい竿ほど船の揺れ、風での振れが出てきてしまうことがあり、アタリを感じ取る難易度はグンと上がってしまいます。

ではどうすれば良いのか?

また、ゼロテンションは万能ではなくデメリットもあります。

では、乗り合い船などでゼロテンションを効果的に釣りに取り入れるにはどうしたら良いのか?

次回、自分流のゼロテンション・後編 に続きます。

 

2010年3月27日、最前線ブロガーでマルイカ動画撮影をした際、タタキを入れた後に独自のパーミングでゼロテンションを決めてアタリを出している時の写真です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA