アングラー:富士村 彩花


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富士村 彩花さんの記事
2022.9.29

カムイチェプの声を訊く

 

カムイチェプ

 

アイヌ語で「神の魚」

 

 

 

私たちにとっても馴染みの深い “サケ” という魚はアイヌの人々からこう呼ばれています。

サケは川で生まれ、やがて海へと旅立ち、4年間の長い時を経てまた生まれた川へと戻ってくる・・・・

同じ場所へ戻ってくるというサケの習性のおかげで、アイヌの人々はその地で安定して居住することができたのだといいます。

美しいながらも冬は厳しい寒さに覆われる北海道。

サケはアイヌの人々にとってとても大切な存在であり、それゆえ敬意を込めて “カムイチェプ” と呼ばれているんですね。

 

 

今回はそんなカムイチェプにぜひお目にかかりたいということで、前回サクラマスジギングでお世話になった網走 妙宝丸さんを訪ねました。

 

今年からライセンス制となったサケ(=アキアジ)釣り。

妙宝丸さんも網走・斜里海域のさけライセンスを獲得しています。

 

出船前の船内はほどよい緊張感が。

皆、年に1度のこの短いチャンスのために道内各地から来ています。

 

「彩花スペシャル」のアキアジ仕掛け。

関東ではアキアジ用の仕掛けパーツを揃えるのが難しいとのことで‥‥

槻間船長が今回、特別に用意してくださいました (^ ^)  船長、ありがとうございます !

 

出船する頃にはだんだんと夜が明けて、美しいオホーツクの海が目の前いっぱいに広がります。

 

今回、使用するエサは「カツオの塩漬け」

サンマのブツ切りを使っていた頃もあったそうですが、最近ではカツオやイカが人気なんだとか。

こんな感じでチョン掛けします (^-^)b

錘は250号となかなかの重さ。1日中上げたり下げたりするので体力も要ります。

 

やったことない釣りはいつでもワクワク。

朝のうちはすぐ釣れるのかと思っていましたが‥‥ (汗)

 

 

この日は南風が強く吹いていて、天気も午後にかけて下り坂の予報。

早い時間帯で決めてしまいたい ! と思っていましたが、これがなかなか難しいんだな  (^-^;)

慣れない地での慣れない釣りものはアジャストするまでにどうしても時間がかかってしまいますね‥‥

途中アタリがあるも、サケの口が硬すぎてフッキングしても貫通できなかったりと、勿体ない時間が過ぎていきます。

 

その間に、一緒に行った友人達は次々に良いサケをGET !!

ジギングでも連発していました(^-^) 流石 !

 

トラウト持ち慣れてる人のポージングはやっぱりカッコいいですねぇ(^-^*)

 

またジギングでHIT !?

こっちはエサがついてるのになぁ〜〜なんでだろうなぁ〜〜

 

そうこうしているうちに土砂降りに (涙)

サケの食いもすっかり渋くなってしまい、とうとうラスト1時間。

あとから聞いた話ですが、「こんな状況になってしまって、もう今日は富士村は釣れないかもしれない‥‥」と船のみんながコッソリ心配していたそうです (笑)

 

でもまだまだこれしき !

取材でもなんでもこういうギリギリのピンチは何度も切り抜けているので、本人はまだ釣れる気満々 (笑)

よくアタっている左側の常連さんにエサのカットの仕方から誘いの細かいところまで聞いたりしながら。

最後まで諦めません(^^)

 

でも、そうすると魚は応えてくれるんですね。

 

ラスト1時間。ついにHIT !!

「 うおおおおおお 」

本人よりも船のみんなの方が大盛り上がり (笑)

 

隣の常連さんが心配そうに見てくれてますね (^-^) 笑

船長自らタモ入れに。

 

ネットIN !!

 

釣り人の美しき友情

 

最後の最後に立派なオスが来てくれました〜 !

超・超・超 ・カッコいい ! (*^-^*)

 

ホッと一安心。

「これで思い残すことなく帰れる‥‥」

 

否 !

まだまだ帰りません !! 笑

 

夜は北海道産の肉と米でパワーをチャージして‥‥(^p^)

 

DAY2.

 

この日は早上がり覚悟の出船。

朝一勝負になりそうなので、改めて気合いを入れ直します。

 

昨日の反省点を生かして、アクションは気持ち大きめに。

錘は船の揺れで底を叩くくらいのギリギリの位置で。

すると‥‥

 

朝1投目からHIT — !!!

 

なんと今日は船中1本目 !

まるまる太った美人さんなメスが来てくれました !

 

お腹にはイクラがたっぷり詰まっています (*^-^*)ひゃ〜〜

 

サケが食い上げる時の泳力は本当に凄いんです。

比べるのもなんですが、タチウオの比じゃない速さとパワー。

電動MAXスピードで巻いても‥‥

こんなに糸フケが出てしまうくらい一瞬で食い上げます !(@_@;)

フルパワーで巻きながら

徐々に距離を縮めていき

力の入るところでもう一度フッキング !  主導権を取り返します。

 

その後もコンスタントにHIT !

やっぱり前日にこの釣りを1回経験したのとしてないのとでは釣りの感覚が全然違いますね〜

銀ピカの綺麗なオスも来てくれました (^-^)

卵に栄養を取られていない分、オスの方が身は美味しいみたいですネ。

 

妙宝丸の常連さんも良いサケをGETされてましたよ(^-^)b

 

それから南西の強風が吹き始めてしまい、船長判断でAM9時前に早上がり。

風が吹き始めてから一気に豹変するオホーツクの海を目の当たりにしました。

そこが美しくもあり、また怖いところでもあります。

でも少しだけでも釣りができてよかった。

船長、ありがとうございました !

 

釣ったサケは関東までクール便で直送。

ちなみに左がオスの尾ビレで、右がメスの尾ビレ。

 

綺麗な色をしていますね〜 !

 

メスに入っていたイクラは丁寧に処理して醤油漬けに(*^-^*)

ご、ごはんが見えません 〜〜〜!!!!

なんと神々しい

宝石のような輝き‥‥

 

定番の塩焼きはフワフワのホクホク !

白子は天ぷらに、身は塩焼き・鮭フライ・西京漬に、アラは良い出汁が出るのでお味噌汁にしました(^-^)

 

 

残念ながらサケ釣りに関しては一部報道にもあるように、マナーの悪い人々がいることも事実。

サケが「カムイチェプ」神の魚として歴史の中で大切にされてきたこと。

4年の長い旅を経て、子孫を繋ぐためにやっと川へ帰ってきた、その命を戴くのだということ。

何ひとつとして決して無駄にすることのないよう、改めて意識を高く持ちたいと思いました。

 

今回はちょっと長くなっちゃいましたね !

最後まで読んでいただきありがとうございました(^-^)

 

 

そして今回お世話になった網走 妙宝丸の槻間船長、上乗りで助けてくれた息子さんの拓斗くん、2日間一緒に過ごしてくれた友人と、妙宝丸の常連さん方に改めて感謝申し上げます!

 

また来年もよろしくお願いいたしますね (*^-^)ノ