アングラー:村上 哲


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村上 哲さんの記事
2022.3.29

大阪湾のNEWターゲットクログチ乗っ込み間近

皆さんこんにちわ。

食いしん坊系アングラ―の”モジャオ”こと村上哲です。

今回は関西より大阪湾で話題のNEWターゲットクログチの実釣を行ってまいりましたので、その模様と全国的にあまりなじみのないこの魚のご紹介をさせていただきます。

そもそもクログチとはどんな魚なの?

クログチはニベ化の魚です。シログチと混同される方も多いかもしれませんがまた別種の魚で、釣り上げてすぐの魚体は銀鱗に包まれ背側が黒く口の中も黒い正に黒いグチといった感じ。

しめてから暫くクーラーBOXで冷やすと銀鱗で黒みを帯びていた背中側の鱗がブルーに光り何とも言えない綺麗な色に変わります。
まだまだ認知度の低い地域的な嗜好品といった扱われ方の魚ですが大変食味が良く釣りのターゲットとしても面白いことから大阪湾では密かなブームが起きています。この魚を好んで食べる代表的な地域に大分県臼杵市が上がります。こちらの地域では「釜借」と呼ばれ隣の家の釜の飯を借りてでも食べたいと思うほど美味しいとのことからこの名が付いたんだそうです。静岡県では「メイゴ」と呼ばれる魚で関東圏の方はこちらの呼び名に馴染みがある方が多いかもしれませんね。

この日の実釣は西宮浜出船の「ブルズアイ」さんにお世話になりました。大阪からのアクセスも良く優しい船長と奥さんがご夫婦で営まれる小さな船宿さんです。まだ遊漁船歴は浅いですが一度乗船すると釣りが大好きなアングラー目線バリバリの船長の操船に惚れ込んだリピーターが続出する人気の船宿さんでもあります。

クログチのポイントまでは大阪湾最北端から最南端までを東西にも走りますのでまずまずの時間を要します。道中は小旅行気分を味わいながら同船者さんと釣り談義にてワクワク感を膨らませながらポイントへ。

このクログチの生息域は大阪湾の最深部197m~90m位の変化があるところがメイン。

潮の緩んだタイミングでこのディープラインを狙うわけですがここは潮が緩むと二枚・三枚潮になる有名なポイントでもあり、船長の判断と操船技術が問われます。80号の錘を吊るした針が2~3個の胴付き仕掛けで狙うわけですが潮馴染みを良くする為ラインはPE1号と錘の重さの割に細い糸を使用。タックルは少し軟調子のライトゲーム系のロッドや7.3調子の太刀魚ロッド等を流用します。水深があり反応薄ければ上げてどんどんとポイントを移動していくため小型の電動リールは必帯。

 

僕は自作にて以下の様な感じで仕掛けを作っています。

ムツ針17号(+蓄光玉)・幹糸6号間110cm

ハリス4号50cm・捨て糸4号80cm

PE1号(300mは最低巻いておく)・リーダーは8号・錘80号

今のところ針上の発光バケ、針には餌と一緒にグローラバ―を共掛けしてヒラヒラ大きく目立たせて使用しているものが好釣果を生んでくれています。

※鯖・イカを餌で使うのが一般的でサンマやカツオのハラモを使う人も。餌はライトに遊べるレベルで出来るだけ長く切って(幅1cm未満・長さ10cm程度)使用しています。

この日はポイント到着から潮が緩み底潮はトロ―っと理想的な流れをしているのですが前日の冷え込みのせいかいかんせん上潮が滑り船の移動が速い為あたりはたくさんあるのに食わせきれない(大きな口をしていますが捕食は下手です)。食わせることに成功した方もことごとくバレてしまうもどかしいスタートとなりました。しかし少し上潮が落ち着いてくると魚が追いつける様になり前あたりから咥えて反転したところをガッツリ一発だけフッキング。クログチは浮袋が膨らみますが大型になると海底から海面までしっかり抗ってくれる魚ですのでかけた後のやりとりもハラハラ大変楽しい。

実釣日はシーズン序盤(低水温にて昨年よりひと月スタートが遅れています)にて大きな個体に狙いを定め大型がいるところを狙って流してくれたので数はほどほどですがしっかり目方のある魚ばかり釣れて大満足の釣行となりました。

持ち帰り腹を開くとうっすら白子と真子が入っている個体もちらほら。
クログチの乗っ込みシーズンは目前。楽しい春はすぐそこまで来ていることが実感できる実釣となりました。

 

【食いしん坊系アングラーの釣り人メシ】

僕は釣りが三度の飯より好きですが調理をして食べることも釣りと同じくらい大好き。
釣った魚を丁寧に大事に大事に持ち帰る姿から魚への愛情が半端じゃない・・・前世は魚だったんじゃないと釣友に言われる今日この頃(苦笑)
でも調理は誰でもできる簡単なものばかりです。盛り付けも完全我流ですのでプロの方が見たら何をしとるんだと笑われてしまうかもしれません。基礎がない分、現職の建築で培ったお庭作りの感覚をこの皿の中に落とし込んで遊ぶ事で素人ならではの知識に束縛されない広がりが持てるのではないかとの試みで鋭意楽しんでおります。そんな素人レベルの「釣り人メシ」温かい目で見ていただけたら幸いです。

今回の特選素材はもちろん大変美味しいと評判の」クログチ

血に独特の癖がある為釣り上げたらすぐに船上でしっかり血抜きをし、水あたりをする魚らしいのでペットボトル氷で海水濃度を下げずにギンギンに冷やした海水氷で急冷させて保管して持ち帰ります。関西では基本すぐに釣った魚はコリコリ新しいその日に食べるという食文化がありますが僕は魚の旨味を引き出すにはその魚にあったショートエイジングは必要と考えています。

今回は3日と7日寝かせたクログチを実食。
クログチは皮目に良質な脂をたっぷりため込んでいるのでまずは炙りがお勧め。

炙りは最近村上家で大人気の黄身ポン酢で頂きます。

刺身は甘めの醤油で。

良質な脂があり火を通しても硬くならない身質の魚ですので煮付けも最高です※アクアパッツァもビックリするくらい合う。

もう一つのお勧めは一夜干し。

朝から満面の笑顔になること請け合いです。

今春中学生となる息子から食べたいとリクエストのあったフライも絶品!

ライトタックルでのぞめて釣り味楽しく、なんにしても美味しい大阪湾のNEWターゲットのクログチ。是非トライしてみてください。