アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2014.7.14

〈林〉食い込ませる穂持ち

先日、十数年振りにマゴチ釣りをして、あらためて感じたことがありました。それは、エサを咥えたアタリの初動から本アタリまでのプロセスがあり、本アタリ=アワセ時 であることはもちろんですが、本アタリに導くプロセスにおいて、オモリを背負ってたおやかに、余裕を持ってたわんでいる穂持ちが重要な役割を果たしているということでした。

 

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ハリ掛かりに至るまでの近しいプロセスの釣りにタチウオのエサ釣りがあります。主にサバなどの切り身をエサとして使う釣りのこと、特に食いの渋い時など、アタリの初動は切り身の先端部を噛んだ「モタレ」として表れ、波の影響で上下動している穂先が止まり加減になったりします。ここからがマゴチ釣りと似ていて、切り身をタチウオの口のより奥へと、引かれればしなやかにたわむ穂持ちに促せられながら、エサに仕込んだハリはフトコロ、ハリ先と、徐々にタチウオの口の中に入って行き、口の中でハリ先が立ち、完全にタチウオの重さを感じたときに、竿を持ち上げるようにしてストロークの長いアワセを入れます。

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どちらも、口先からハリが出て掛かっていても、ハリ付近のハリスはザラついていることもあり、一旦口の中に完全にハリが入った後、引き出すようにしながら掛けている時もあるようです。

 

エサの食い方によるアタリの出方は魚種により、季節により、活性により様々ですが、誘いを掛けていて突然訪れたアタリでは、食い込ませる前記の2魚種で考えてみると、オモリを背負った穂先の手前、モタレを出す穂持ちが大切な役割を担っていて、モタレ=プラスの(魚の)重さの変化 だとすれば、オモリを背負った状態からスムーズに、そしてしなやかに、余裕を持って曲がり込む穂持ちが目感度でのアタリを伝え、「ハリの無い部分のエサを咥えたアタリの初動を弾かないこと」に繋がっていると考えられます。

アタリの初動の後は、徐々にエサを口の奥へと誘うのも適度な穂持ちの反発であり、そういった掛けるまでのやりとりをしばし慎重に楽しみながら、ハリ先が口の中で立ったときの、ひときは大きな引き込みでアワセを入れガッチリとハリ掛かりさせる醍醐味、直後に訪れる心躍る引きに釣り師は魅了されてしまうものです。

カワハギや湾フグなどは、ハリで掛けるような釣りをすることもありますが、そういった竿は、柔軟な穂先でアタリを出すものの、硬めに作られた、穂持ちより手前部分で掛けに行く釣りとなり、タイムラグのない、相手にもこちらにも許容範囲が少なく、そこを求められる正確さが楽しさとなっている感の釣りでもあります。

 

食い方、釣り方による竿の役割。ことエサを食い込ます釣りでは、オモリを背負った適切な穂持ちの調子や柔硬が大切、モノを言うのではないでしょうか。

今年は開幕が早い夏タチウオ、また食い込ませに行かねばなりません!

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【LTタチウオ釣り教室開催のご案内】

 7月27日(日)、浦安のさんにてLTタチウオ釣り教室を開催いたします。

毎年お盆の頃に最盛期を迎える夏タチウオ。ジグ、ソフトルアー、エサなど、同じタックルながら違った釣りも楽しめることと、特にエサ釣りでは、エサの端を咥えた状態から食い込ませ、アワセまでのプロセス、その後訪れるトルクフルな引きが魅力な釣り物です。

参加ご希望の方は、直接吉久さんにご予約をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

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