アングラー:林 良一


BLOG TOP 林 良一の記事一覧
林 良一さんの記事
2013.11.15

〈林〉スミイカのエギングに適した竿とは!?

ここ数年秋になると、夏から始めるカワハギ釣りがトップシーズンに向かう中、釣趣はテクニカルであり食味も良いスミイカやイイダコの釣果が気になり出します。以前は毎秋数回づつ、スミイカやイイダコの乗合船に乗っていたものでした。今回は「餌木で釣るスミイカに適した竿は?」と考えを巡らし、11月14日(木)、浦安の吉久さんに行ってきました。

スミイカ船担当の峰岸船長。恒例の出船前のレクチャー開始です! 良く見ると、今回はテレビカメラが回っています。当日は何と、釣りビジョンの取材が入っていました。

131114_065930.jpg

僕も釣り教室の祭などは、出船前にレクチャーをさせていただきますが、スミイカ釣りの場合基本的には中オモリ10号、ハリス1.5mに餌木を付けたシンプルなタックルで、釣り方のキモは正確なタナ取り、餌木のチョイス、アワセにあり、カワハギ釣りと比べるとこちらもシンプルではありますが、更に噛み砕きながら乗船されているお客様にレクチャーをする峰岸船長を見る度に、今後の釣り教室に生かせる部分を多々感じられ、プロ意識が良い刺激となります。

さて、今回のタックルですが、①10号のオモリ+餌木を背負う ②スミイカが2本の食腕で餌木にコンタクトの直後、8本の腕で餌木を抱く挙動が(できれば手感度でも)察知できる柔軟な竿先+アワセでカンナをガッチリ掛けられるバット ③水深は20m以浅でラインはPE08 などを鑑み思案、「湾フグ竿の中に一部、スミイカ釣に適した良い調子があるとのことだけど、その竿は湾フグ釣り用としては柔らかすぎる」をヒントに、DAIWAのカタログで絞り込み、手持ちの竿ではどれが理想に近いか、これぞと思うものに10号オモリを下げてみたり、バットパワーを試す為に曲げてみたりして2本に絞りました。

その1本はメタリア マルイカ M-145+リールはスマックRT+ラインはハイパーメガセンサー0.8号の組み合わせと

131114_090156.jpg

もう一組は リーディング マルイカ M-140+T3+ハイパーメガセンサー0.8号としました。

131114_090608.jpg

ロッドは両方ともマルイカ用ですが、どちらかと言うと柔らかいタイプの俗にいう内房スタイルの調子で、マルイカ釣りではオモリを背負うと、柔軟な穂先ゆえトップガイドが真下を向く柔らかさで、その真横から見るトップガイドの上下動によってアタリを取る竿ではありますが、マルイカは軽くても30号位のオモリを背負うのに対して、10号オモリでは穂先が少ししか曲がらず、ガイドのリングを真裏から、文字通りリング状に見たままの上下動でアタリを取るスタイルとなります。

さてさて面白くなってきました! こうして新たなタックルや仕掛けで挑むときは、いつもワクワクするものです!!

まずはメタリアから試しますが、少し北よりの風が強く、舳の釣り座はやや揺れ加減です。前回までは180cmのロッドだった為、風波に対する竿の上下動がその時よりやや大きくなります。海底付スレスレをトレースするタナで、あたかも餌木が泳ぐかのように水平移動させることをイメージし、この上下動を宙のゼロテンションで極力抑えます。

タナを取ってみるとメタリアの穂先は、メタル部分と穂持ち部分が少し曲り込み、この状態では9:1調子に近い竿に見えます。アタリは割合大きく、1cm近くトップガイドを押さえ込むように出ました。それは、タナを低く取り過ぎて、カンナが海底の何かに一瞬引っ掛かったような大き目なアタリで、本アタリは「重みのあるツン」であるのに対し、底の何かに引っ掛けたアタリは「重みの無いツン」で判断できます(もちろん根掛り時は異なりますが)。

そんな感じで2、3杯獲った後、今度はメタリアからリーディングに持ち替えてみます。メタリアより竿先が柔軟なリーディング、やや風があり、風が穂先をはたく祭のブレはありますが、140cmとやや短いながらも、柔軟さで揺れを吸収しながらアタリを待ちます。その時の竿の曲りは7:3調子で、アタリはメタリアより大きな振幅となって表れました。

そして、どちらの竿もマルイカ用ですので、イカにカンナを刺すバットパワーは申分なく、巻き上げ途中や水面でのバラシは皆無でした。

そうそう、冒頭での釣りビジョンの取材の主は・・・、DAIWAフィールドテスター、北本さんでした! 北本さんとは今年のフィッシングショー、ミーティングでご一緒していました。ご活躍されていますね!

131114_120330.jpg

「メタルトップは餌木でのスミイカには向かない」という意見もあったようでしたが、今回メタリアを使ってみて体感できたことは、目感度はもちろん「プンッ」という、スミイカの食腕が餌木を捉えた挙動も手感度としてハッキリと伝わったことでした。メタリアはやや硬調、リーディングはやや軟調といったところで、個人的にはどちらにも合格点が出せました。今後、そんな新たなスミイカ・エギング専用ロッドが出ればと思っています。

帰港中の操舵室で、舵の下をふと見ると、最前線ステッカーと僕のステッカーを貼ってくれていました! ありがとうございます峰岸船長!!

131114_151822.jpg

 

新たな発見があるスミイカ釣行でした。今年、もう一度位は行きたいと思っています。

131114_152743.jpg