アングラー:林 良一


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2012.4.15

〈林〉海図のススメ

船舶免許をお持ちの方なら手に取ったことがあり、言わずと知れた海の地図「海図」。

僕は東京湾中部地区の海図を10年近く前に買い求め、PCの横の壁に貼ってあり、PCで釣果情報を見ては、天気予報を見ては、明日の釣行に思いを馳せてはふと立ち上がり、気になるエリアの水深や海底形状を見返しています。

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手持ちの海図のことは以前も書いたのですが http://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2009/06/11/35/  ある釣友が「久里浜沖では上げ潮の時にマルイカが食うよねぇ!」と言っていて、海図のその辺りをよく見返してみることにしました。

「久里浜沖は上げ潮が食う」、それは僕も以前から体感していたのですが、そのエリアは概ね久里浜と金谷を結ぶフェリー航路付近です。

水深60m前後のそのエリアのすぐ南側、即ち湾口側は、V字型に切り立っている崖のようになっていて、真南に10キロほどの地点では、水深が500m前後もあります。

 

ここからは推測なのですが、100m以上水深がある水温の低い暗い海底から浅場を目指して用心深く移動してくると思われるマルイカ。

時に狂ったように釣れることもありますが、時にナーバスになるのか、魚探にハッキリとした反応があるにもかかわらず何方の竿も曲がらないこともあり、時には反応らしい反応も散りぢりに消滅してしまうときすらあります。

そのマルイカ達が東京湾口で、上げ潮に押されながらベイトとなるイワシ、プランクトンなどと共に急峻な駆け上がり沿いに押し上げられ、その駆け上がりの頂上付近、水深60m前後に滞留、活性が上がるのではないかとの推測ができます。

 

そんなことを想像しながら海図を眺めていると、同じような地形のエリアを探してみたり、アカメフグのポイントでは皆一様に共通点が見出されたり、どの釣りでも根や駆け上がりの縁など、地形の変化+潮流が大切なことが分かってきます。

また、実釣で山立てをして、その記憶を元に海図に目をやると、やはりそこにはポイントとなり得る変化、ヒントがあるものです。

 

夜一人PCを覗きながらグラスをくゆらせ、拳大の氷からゆるりと溶け出すゆらぎを見つめ考えながら、ふと立ち上がり海図にマーキングをして悦に入っていることが嫌いではありません。