アングラー:福田 豊起


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2022.2.6

イワシ泳がせのマハタ 攻めのズボラ釣法!?

先日イワシ泳がせのマハタに挑戦すべく大原の勇盛丸さんに訪れた。

今回のタックル

ロッド:リーディングスリルゲーム73MH-225

リール:シーボーグG300J-Ⅼ

PE:UVF PEデュラセンサー×8+Si² 3号

仕掛け:快適大ヒラメハタ仕掛けSS+S シングル14/13-8

今回のタックルの主役は新しいシーボーグG300J-L。電動ジギング用モデルとして生まれた本モデル。コンパクトさやレスポンスはそのままにモーターの耐久性は飛躍的に向上していることは、エサ釣りにおいても心強いもの。とくにオモリの重い中深場やイカなどの釣りを頻繁に釣行数ならなおさらだ。

朝、5時過ぎに出船。私は左舷胴の間に釣り座を構えた。航程は約50分。水深30メートル前後のポイントに到着。

年末から潮の流れが乏しい状態が続いていたが、この釣行の直前から一転して黒潮が接近。同時にイワシの群れが大原に回遊してきたとの事。ヒラメはもちろんマハタにおいてもイワシの回遊は吉報なので期待は高まる。

流し始めるとかなり潮の流れが速い様子。マハタのポイントは起伏が激しいのが特徴だが、流れが速い分目まぐるしく水深が変わるのでマメに底立ちを取り直す。沖合からのウネリもありやや釣りづらい。好条件とタフな条件が入り混じった状況ゆえ集中力が勝負となりそうだ。

同じイワシ泳がせとは言えヒラメ狙いに比べてマハタの場合は海底から2~3メートル、根の高いポイントではさらに1、2メートル高いタナを狙うのがセオリー。

オモリを着底させて3メートルイワシが弱らない程度のスピードで巻きあげてタナを取るのが通常であろ。そこで一工夫。オモリ着底後、80センチ程度は通常のスピードで巻いて根掛かりを回避。その後、3メートルまで電動リールのデッドスローでゆっくりタナを取って、この間にアタリを出す作戦。デッドスローでイワシが抵抗しながら逃げていく演出をするイメージだ。

言わばタナ取りと誘いを兼ねた釣り方とでも言えようか。

電動巻き上げ4~6位。巻き上げスピード表示で毎分2~4メートルくらいが目安。潮の流れが早ければ底立ちをこまめに取る必要があるので巻き上げも速め。潮の流れが遅ければじっくり攻めることが出来るので巻き上げ速度もゆっくり。また、根がきつい場所ではやはりこまめな底立ちを取る必要があるので巻き上げは早め。根の緩やかなポイントであればやはりじっくり攻める事が出来るので巻き上げ速度はゆっくりとなる。

また、通常のタナ取りに比べると時間をかけてタナまで探ることになるので、私の場合タナで待つ時間はほんの数十秒。常にタナ取りしているイメージだ。

この釣り方を手巻きリールで行えば巻きの手感度で多くの情報を得ることが出来る利点がある一方、電動リールでは手巻きでやりづらいデッドスローの巻きが出来るのが利点。どちらも甲乙つけがたい。

また、このシーボーグG300J-LではモーターON/OFF連動クラッチと言う機能があるのが嬉しい。電動巻き上げをしたままクラッチを切ってオモリを着底。再びクラッチを入れると、先程のスピード設定のまま自動で電動巻き上げが再スタートすると言うもの。

デッドスローの微妙な調整をタナ取りごとに再設定する必要が無いので釣りのリズムを乱すことなく集中できる

根掛かりのリスクが高い場所では、タナを取り直す際は着底後、根掛かり回避で手巻きでハンドルを1~3回程度巻いてアシストする必要があるが、根掛かりのリスクが低い場所では電動のデッドスローの任せる割合が増す。

名付けて『攻めのズボラ釣法』だ。

条件の割にアタリは少な目。集中力を切らさないようにタナ取りを続ける。釣り開始一時間半後。すっかり明るくなったころ、根のきついポイントで根掛かり回避の手巻きから電動デッドスローに切り替えた直後、スリルゲームが大きくモタレた。その後、穂先は戻ってしまったが、そのままデッドスローを続けているとガツガツっと同時にバットが絞り込まれた。

すかさずアワセを入れるとガッツリフッキング。ジョグで巻き上げに入ると心地よい重量感。首を振る様子もなく、抑え込む引きからヒラメと判断。

しっかりプレッシャーを掛けつつ丁寧に巻き上げると予想通りの肉厚ヒラメ。

釣り上げ直後、かなり消化された大量のイワシを吐き出した。1.8キロと食べ頃サイズ。かなり肉厚で見るからにコンディションが良い。これだけのイワシを食っているならばもっと活性が高くてもよさそうなものだが、昨日にイワシを飽食しすぎてしまったのであろうか。

この後も、条件が良い割にアタリが思うように出ない。船中では大原では珍しいオオモンハタが上がって驚かせれた。千葉では館山あたりでは良く見るもののマハタに比べて南方系のオオモンハタも北に生息域を広げているのかもしれない。とにかく、ハタ類は関東で個体数を増やしていることを実感する。

さらに、大トモの釣り人が小型のマハタを釣り上げる。マハタは条件が気に入らないと居ても口を使わない魚。顔を見たのであれば条件は良くなっているハズと集中する。

船は水深30メートル前後のかなり起伏のあるポイントを攻める。デッドスローで2メートル強タナを切ったところでスリルゲームの穂先に違和感を感じた。デッドスローを止めようとジョグに手を伸ばした瞬間、スリルゲームがたわわに絞り込まれる。カウンターでガッツリアワセを入れると激しく首を振る抵抗を見せる。マハタに違いない。ハリス8号ギリギリの強めのドラグ設定を信じて強気にジョグで巻き上げる。根に潜り込もうとするマハタの突込みをかわしてなんとか10メートル巻き上げに成功。ここまでくれば一安心だが、根でハリスに傷がついている恐れがあるのですこしドラグを緩めて丁寧に巻き上げる。

姿を現したのは良型の本命マハタ。

計量すると1.7キロ。マハタと言う魚は迫力があるので見た目では大きく見える。タモ取りした瞬間、かなり消化したイワシを大量に吐き出したのでやはり昨日のうちに荒食いしてしまったのか、船中でも貴重な良型の一匹となってしまった。

さらに、納竿まじかにやはりデッドスロー巻き上げを開始した瞬間、元気の良いアタリを出したのは約700gマハタ。

この日は期待させる条件の割にアタリが少なかった印象であったが、貴重なアタリをものにして十分満足のいく釣行となった。

案の定この後、大原、勝浦海域ともにマハタの高活性の報が届いている。イワシの回遊が安定するであろうこれからがマハタ、ヒラメ共に大型の狙えるシーズン。食味最高の両ターゲットであるが、寒い時期のマハタの鍋は格別。釣り、食ともにこれからがハイシーズンだ。