石花海の大鬼カサゴ釣り
オニカサゴ。
標準和名はイズカサゴ。 英名ではスコーピオンフィッシュと呼ばれる。
背びれと胸びれに強い毒性を持った棘があり、刺されると生命の危機に瀕することもあることから、スコーピオン(さそり)の名が付けられたのだろう。
その引き味は強烈で、またその食味は抜群!あまり市場に流通しない魚なので、沖釣りのターゲットとしてこのオニカサゴ釣りに魅了されている釣り人は少なくない。
かく言う私も間違いなくその一人だ!
成長が遅いと言われる魚で、50cm、2kg級のオニカサゴになるには20年、30年掛かると言われる。
今回は、オニカサゴ釣りが大好きな中間7人と西伊豆・土肥港のとび島丸さんに伺った。
銭洲遠征にも行ける大型船に乗り込み、駿河湾口の中央部にある「石花海」(せのうみ)というポイントを目指す。
早朝4時出船。ゆっくりと船を走らせ、6時半頃石花海に到着。 その間、船室内のベッドで仮眠をとる。とび島丸さんは、船の掃除が隅々まで行き届いていて船室内も快適に過ごせるのが有難い。
大型船ゆえ釣り座も広々。釣り上げたオニカサゴを活かしておく大きなバケツやクーラーボックスを足元に置いてもご覧の通り。
数日前までの強風・大時化予報が嘘のようなべた凪の石花海。
前日の予報の土砂降りの雨もこの海域では全く降らず、朝方の寒さも10時頃にはポカポカ陽気で上着を脱ぐような絶好の釣り日和だ。
こうなると、俗に言う「凪ぎ倒れ」を心配するのが釣り人の性だが、そんな心配も開始早々に払拭された。
一日中食いっぱなしという訳ではないが、所謂「時合い」の流しでは、あちらこちらでダブルで釣れ上がることもあった。
これは、このポイントを熟知した鈴木健司船長の正確な状況判断と操船技術の賜物だ。乗船者全員に数も型も満遍なく本命を釣らせてくれ、それでいて資源保護の観点をしっかり持ち、同じ場所2度流さないと。これぞプロフェッショナル! (27cm以下のオニカサゴはノーカウントでリリースというルールも設けている)
我々も、良型を充分釣らせていただいたので、30cm前後のオニカサゴは全てリリースした。今後もこの豊潤な海でオニカサゴ釣りを楽しみたいから。
さて、この日使用したタックルは、
ロッド:ショットバイパーMH-210
リール:シーボーグLTD500J
ライン:UVFメガセンサー12ブレイドEX+Si 4号
今回のポイントの水深は120m~200m前後。 オモリは150号。
従ってリールはシーボーグ300番でもOK。PEラインは3号でもできるが、高切れのリスクを考えると4号を使用した方がベター。
置き竿でアタルこともあるが、やはり手持ちで誘いをかけた方が潮流の速さや海底の形状、エサ取りの有無等が分りやすい。
ショットバイパーはバットエンドが長いので、脇挟みでも良し、写真のような持ち方でも良し!グラスソリッドのロッドとは思えぬ操作性の良さが際立つ。
仕掛けは、大鬼狙い仕様で、幹糸10号、エダス8号×30cm。 幹糸は天秤側から、40cm-70cm-100cm。針はムツ針19号~20号。
エサはサバ短を大きめにカットしたものを使用。当日は底潮が緩かったので、サバ短の身をさらにこそいでヒラヒラするようにして装着。 エサを大きく(長く)する理由は、①アピール力 ②エサ取りや小型魚がアタックしてきても針掛かりに至らず、本命魚との勝負が長くできる。
チモトにはフロートパイプ、針には半割りにしたタコベイトを付け、少しでもエサの動きが出るように心掛けた。
誘いは、オモリ着底後仕掛けが馴染むのを待ち、竿先をゆっくり頭上一杯まで上げ(仕掛け全長分)、ゆっくり下ろしてきてまたオモリ着底。これの繰り返し。
誘い上げていく際、オモリが底を離れて直ぐにアタリがあれば、上針にヒットした証拠なので、しっかり食わせの間をとってから一度あわせを入れる。 大鬼と思しき強烈な引きならばそのままリーリング。あまり大きそうではない場合はリールを1回転巻きステイして追い食いを狙う。
竿を頭上一杯上げたところでアタリが出た場合は、先針にヒットしているので追い食いは狙い辛い。
アタリがあっても速あわせは禁物。かといって送り込み過ぎたり、待ち過ぎもNG。根に潜られてしまったりする。
アタリがあったらそのままテンションを保ちながら一際強い引き込み(針まで咥えて頭を振る行為)になるまで待つ。エサを離されてしまったら再度オモリを着底。食い直してくることが多い。
アタリが遠くなる時間帯は必ずある。 エサ持ちが良いのでつい同じエサを付けっぱなしにしてしまうが、なるべくこまめに新しいエサに交換した方が良い。
全員、大鬼ゲットし、数、型共に充分満足のいく釣行となった。
今シーズンは、そろそろ春の濁り潮が差してきてオニカサゴ釣りは厳しくなってくると船長談。
替わりに真鯛ののっこみが始まる。 とび島丸さんでは、4月からまた銭洲遠征が解禁になるので、オニカサゴ釣りはまた来期にこのメンバーで集まろうと約束して帰路についた。
とび島丸さん、鈴木健司船長、中乗りで面倒を見てくれた高山さん、いつもながら楽しい釣りをさせていただき有難うございました。
ポテンシャルの高い石花海に感謝。