アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2012.10.22

〈林〉どこが無駄か?

往年のライダーの方々には、「バリバリ伝説」という漫画をご存知の方も多いかも知れません。 高校生の巨摩 群 が主人公のオートバイを題材にしたストーリーで、ある日公道でホンダの750ccを駆る彼に、同じくスズキの750ccを駆る転校生、聖 秀吉が現れるのです。

後に彼らは公道を離れチームとなりサーキットへ、より速く、そしてより高みを目指して疾走していきます。 その中で、その聖 秀吉が初めて走るサーキットで・・・ 「このコーナーは突っ込みで0.5秒縮まるな」、「こっちのシケインでもう0.2秒」など、いかに緻密にラップタイムを縮めていくことを常に考えながら、ラップを重ねていく毎にじりじりとタイムを縮めていくシーンがあります。 まさに自分のライディングを正視して無駄を把握し、その無駄を削ぎ落とすようにしてタイムアップいくシーンなのです。

 

釣りでは決して漠然とは釣らず、対象としている魚の気持ちを思い計りながらの誘いを心掛けることが大切ですが、マンネリな釣りに陥る前に「どこが無駄か?」を考えてみると良いかも知れません。

たとえば皆さんがおやりになっている、船べりトレイのマグネットに鉤を並べておくことも無駄を排除することの一つで、鉤を交換しようと思った時に一々一本づつ袋から出していたのでは、その回数×時間分船上では無駄になってしまうことは言うまでもありません。

折角乗った船なのですから、仕掛けを下している時間でさえも無駄にせず、次のアサリを付けやすく水管の向きを揃えて並べたり、釣り方、食い方によってチェンジしていく鉤やオモリなどを用意したり、はたまた周辺の釣り人の釣り方を観察したりと、なるべく無駄な時間を作らず、有効に濃く釣りに徹していたいものです。

 

以前夜アナゴ釣りに傾注していた頃、目の前の船の船長から僕が乗っている船の無線に「今の林さんの手返しは12秒だったよ」、「今度は20秒掛かってるよ」、「一荷で掛けても16秒だねえ」など、釣りながらその無線に耳は釘づけ、「より無駄を無くしより速い手返し」に集中し釣り進めていたことを思い出しました。

DKOやTKBなど、カワハギ大会真っ盛りな今、より無駄を減らし、是非入賞となる貴重なもう一枚を手にして下さい!