アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2012.6.21

〈林〉釣り勘

「ビギナーズラック」という言葉がありますが、ビギナー=初心者、であることは周知の通り、釣りでは、釣りの知識が浅く釣船も初めての方が、釣り経験のある人をさておきそこそこ釣ることを指す言葉ではないでしょうか。

そして、いつの間にか釣りの魅力に取り付かれ、釣り関係の雑誌を読み、ネットで調べ、「自分にきっとこの竿が合っている」、「リールはこれ!」など、釣りに深く傾注していく方もいらっしゃるかと思います。

さらにそれから、釣りに真剣に打ち込んで行く為に、無心であったビギナーの頃の心持は過ぎ、「次はもっと釣ってやるぞ!」という楽しい野心が頭をもたげてくると、本当の意味での釣りの門をくぐっており、詰め込んだ知識のようには易々と釣る事のできない現実に直面、この頃おしなべて釣果は下降気味ということがよくあるものです。

また、ベテラン釣り師はそのような経験を潜り抜け、今までの百戦錬磨の経験があるにも関わらず、逆にそれがトラップとなってしまい、「確信に頼り過ぎて」失敗してしまうことが時としてあるようです。

 

釣りは、狙う魚種毎にほぼ特化したタックル、テクニックがありますが、皆さんも得意な魚種、食べるのは好きだけど釣るのは苦手な魚種があるかも知れません。スポーツでも、「サッカーは得意で上手なのだが、バレーボールは観戦専門で・・・」というのと似ているかも知れません。

生まれ持ったセンス=得意な事は、人それぞれ個々にあると思うのですが、個人的に僕は、カワハギ、マルイカ、湾フグ、アナゴ、イイダコ等、「アタリを出して掛ける釣り」が好きなこともあり、それらの釣り物には共通するところも多く、似通った「釣り勘」を動員することができ、狙った魚種の活性の変遷=釣れ方の移り変わり、を後追いする距離や時間が短くできるのではと考えたことがあります。

また、きっと経験したことが無い釣り物の場合、その「釣り勘」はどこまで通用するか分からず、やはりビギナーから始めることになるかも知れません。

 

釣果だけに限ってしまえば、船に乗ると様々な条件があり、それは釣り座であったり、隣合わせた釣り人の釣り方、タックルであったり、その船長の操船であったり、潮流、水温などの自然条件もありますが、たとえどのような条件であったとしても、一度船に乗ったとすれば、いつでも過去の引き出しを「釣り勘」というフィルターで選び出し動員して、常に安定した上位の釣果≒上級者となるのではないでしょうか。

そしてそれには、家に居ながらにして出来るノットの練習であるとか鉤の結び、仕掛け作り等々、細かな大切な部分も完璧にしておくことが大切だと思います。

 

これは全くの私見ですが、「竿頭は目指すものであって誇る物ではない」と考えていて、たとえ竿頭になっても、反対に釣れなくても、「次に繋がる何か」を毎回持ち帰るように心掛けることが大切だと考えています。