アングラー:林 良一


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2012.5.20

〈林〉【LTマルイカ・スキルアップ講座】 第8回釣り教室

5月19日(土)、浦安の吉久さんにて、【LTマルイカ・スキルアップ講座】を開催いたしました。

当日は快晴で北寄りの微風、湿気の少ない爽やかな朝、出船前船上でのレクチャーにも力が入ります!

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                            吉久さんHPより 

 

今回ご参加いただいた方は20名。【LT(ライトタックル)マルイカ】と銘打ちましたが、今回は様々なタックルの方もいらっしゃるようです。

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前々日はトップで40杯の釣果、出船前のレクチャー終了後、皆さんの期待を乗せた昭久船長の船は、もう初夏と言って良いほどの日差しを受けながら旧江戸川を下り、一路久里浜沖のポイントを目指します。

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久里浜の東電の煙突と対岸の竹岡を結ぶ辺りの、浦賀水道航路南端、水深35m前後が今日のポイントです。ここは以前にも書きましたが、剣崎と金谷を結ぶ湾口付近の水深500mから急峻に駆け上がってくる、海底はいわば崖の縁のような地形。本線航路の入り口ということもあり、海図からは複雑な海底形状がイメージできます。

 

さて、そんなポイントで昭久船長は船をスローに航行、潮色はやや濁りが入っていて水温は20℃、程なく魚探に反応が見られたようで、船長素早くクラッチを切り・・・、一瞬皆さんがミヨシ方向やや傾き、慌ててオモリを手します。そして再度クラッチを入れ今度はユックリと船を風上に向けた刹那、本日待ちに待った第一投です!!

ところがしかし、出船前船長が懸念していた、表層の潮だけがかなり早く流れている状態=上潮だけが飛んでいる状態で、ラインが1号以下で50号、2号なら60号のオモリの指示なのですが、中には太いPEの方もいらして、艫側に飛ぶように流されていく幾本ものラインを見やりながら、「潮が弛むまではやり辛いなぁ・・」と感じる朝一の状態でした。

だがしかし、そんな中良い反応はあるようで、釣り辛いながらも船中ポツポツとマルイカが姿を見せますが、オマツリも同様に多い様相でした。

そして1時間、1時間半と時間が経つにつれ潮は緩んでいったのですが、それに比例するように、今度は反応も小さくなってしまったようで、船回しし反応の上にピタリと船を乗せるには、船長魚探と船の周囲の安全確認を煩瑣に繰り返しながら、素早くではありますが決して慌てず、ピタリと反応に乗せて開始の合図を出しますが、段々と渋い感じとなって行きました。

表層は濁っている中海底部分の潮色はクリアなのか、赤帽ハダカ系のスッテに実績があがり皆様にそれをお伝えするのですが、マッチャなどにも時々乗りがあり、スッテのセオリーをいま一つ絞り込めない感がありました。

 

そんな中、メタリアでご参加の三浦さん。マルイカ釣りは数回目ということでしたが、「自分で『マルイカを釣った!』という感じが今までなかったのですが、今日参加してみて、マルイカ釣りの扉が開いたような気がします!」と笑顔で竿を握っておられました。その証拠に、それまで首を傾げながら誘いを繰り返していた三浦さんでしたが、最後の最後に1杯獲り、それは1杯ではあったものの、誘いでマルイカを自分の間合いに入れ、まさに「狙って獲った」1杯であって、「釣れちゃった○杯」とは雲泥の、今後に繋がるたいへん価値のある1杯だったことと思います。

また、センサーレッドチューンでご参加の岩田さん。僕が「着底一発は、個人的にはゼロテンションでアタリを探しますよ」と、竿をお借りしデモンストレーション、それを見ていただき、やり方を聞いていただき、今度は岩田さんの番です! 「そっか~、こういう風に握ってゼロテンションをキープするのですね!」と、より集中力を高めてゼロテンの練習開始です(もちろんオマツリに注意の意をお伝えし)。そして船を一巡してくると、渋い時合にも関わらず2杯のマルイカを追加していて恵比須顔! 後半一人ポツポツ釣り続けるのでした。

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カワハギ、湾フグの教室にもご参加いただいた高沢さんは終了間際、船回し中に・・・、「今南風が強く、僕はミヨシを2段上がった揺れる釣り座。今この釣り座でもりょうさんゼロテンションで竿先をキープしイカを掛けられますか?」との質問に、「ではやってみましょう!」と彼に釣り座を代わっていただき開始の合図→オモリ着底素早くゼロテン→上下動のストロークが思ったより大きく・・、そのときアタリ!→アタリを見送り座った体制を船縁際に寄せ竿のストロークを確保している一瞬に逃げアタリ→体制整えゼロテン続行→アタリ→アワセ→ガッチリ乗りました! この間約5秒。イカを取り込み、小心者の講師は胸をなでおろしたことは言うまでもありません(汗)

 

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実釣では、皆様を回るごとにお話し、ご質問などを頂戴し、僕の分かることであれば、そのご質問の回答に派生したお話しもするように心掛けています。その話しの最中にまた新たなご質問、お話しに派生していくのです。お互い無類の釣り好きのこと、最初は緊張の面持ちの方も、時間が経つにつれ釣り談義に花が咲き、笑いを交えた交流になっていくのも教室の良いところではないでしょうか。

帰港後は桟橋でジャンケン大会を行い、今回もご参加の皆様に笑顔で、そして次の釣行に繋がる何かをお持ち帰りいただけたかと思っております。

 

半年間、8回にわたり開催できました釣り教室では、僕の隣で今まさにご自分で竿を持たれている方のお気持ちを考える機会、お一人お一人と対話していく機会を与えられ、「僕自身も皆さんに育てられている」とうい気持ちを感じ、不肖講師ではありますが、そう言った思いを胸に今後も釣り教室を続けていければと思っています。

 

「昨日は良かったんだよな~!」、「明日はいいだろう!」など、釣り師の「時世に今はない」という言葉がありますが、まさにイカはその傾向が強く、昨日の釣果が今日の傾向になることが他の魚種に比べて確率的に少なく、前日の爆釣の釣果に喜び勇んで今日は撃沈・・・、またはその逆も少なくありません・・・ 

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                        竿頭のみっしさんの気合の入った背中です! 

 

でも、テクニカルゆえに、難しいがゆえに奥が深く面白みのある、ゲーム性の高いマルイカ釣り。今季はロングランで楽しめそうな気配! 僕も竿を出したくてウズウズしています!