アングラー:林 良一


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2012.5.18

〈林〉湾フグ再訪釣行

ゴールデンウイークを挟んだこの一ヶ月、ありがたいことに5回に渡る釣り教室を開催させていただく機会をいただき、明日の【LTマルイカ・スキルアップ講座】にて一連の釣り教室は一旦終了いたします。

ゴールデンウイークには、6才の息子を伴ってのマルイカ釣行でしたが、息子には喜んでもらえた(と、父親は勝手に思っている)のですが、やはり自分の釣りとなると「・・・。」、ラスト30分、釣り座で寝てしまった息子を見やりながら竿を出しはしますが、そう上手く嵌れる筈はありません・・・

そんなこんなの一ヶ月、自分の釣ができないストレスからではないのですが、前日の夜な夜な・・・、「明日は釣りに行けそう。マルイカ、湾フグどっちにするか・・?」など思案し湾フグに決定! 翌日早朝吉久さんに急ぐのでした。

 

「今日は1日ジックリやるぞ!」と、早朝の宿に到着してみると、今日潮先と思われる釣り座にはもう先着の方がいらして、しばし反対舷にしようかと迷いましたが、先着の方の隣の釣り座を確保、右舷艫2番の釣り座となりました。

船上でのレクチャーを終えた大澤船長、旧江戸川を下り、ベタ凪の東京湾を南下して行きます。

ポイントは富津岬を上手に望む大貫沖、昨日は20匹近い釣果があったとのことで、やおら気持ちは逸ります!

水深は10mよりも浅く、朝一は潮止まり、5号のオモリで様子をみます。

開始1時間半で中~大型を3匹、「幸先いい感じ、このまま行けば昨日のように・・・」と思った途端失速・・・。船内ギマやヒイラギといった外道が活発に上がることもありますが、本命のフグからのアタリが遠のいていきます・・・

「外道が多く序盤で2パック(アルゼンチンアカエビ20本)近いエサを使っちゃったなぁ・・」と、船上でエサを買い求め、一回り小さくカット、エサの粒数を稼ぎます。

 

当日沖目は澄み潮で岸寄りは濁り潮、船長は沖目、岸寄り、その中間の薄濁りのエリアを、魚探を睨み丹念に船を入れ替えアンカリングしますが、移動するとポツポツ釣れるもののすぐにアタリは途絶え、その度に碇を揚げ、全部で10回以上はポイント移動をしてくれたのではないでしょうか。

午前中遅い時間から予報通り南の風も吹き始め、竿先を叩く風、船の揺れも加味して、削った超軟調穂先では苦戦しましたが、今日はこの自作の竿にこだわり終日通し、終わってみればアカメを含み超大型混じりで10匹の釣果。船中の合計が20数匹の釣果でしたので、「不肖(湾フグ釣り教室の)講師」ではありますが、そこそこ立ち回れたようでした(汗)

帰港後宿でさばいてもらうと、10匹中4匹から白子が取れ、その量は両手に二杯分ありました。

そんな大型フグ独特の、トップガイド半個分を鋭く動かすが重みの無いアタリに反射的にアワセを入れると、掛けた直後一瞬底に張り付く抵抗をみせた後、片手で持つ竿があれよという間にのされ、有無をいわさず竿先を下に向かされてしまう横ッ走りにヒヤッとさせられ、 竿ごとリールを握る右手の握力は、「竿を引き落とされてはなるまい」とすぐにマックス近くに、胴~元が硬い専用竿のこと、大型フグが鉤を外そうと、頭を振りながら暴力的に泳ぐ挙動が断続的な力となって襲いかかってくる反面、右腕が、そして胸中では喜びの悲鳴を上げながら、左手はリールを巻けるわけもなく、ついついドラグに指が掛かり・・・

アタリは少なく、千載一遇のチャンス、まさに「永遠の中の一瞬を捉える」ごとくの湾フグ釣りですが、その難しさ、面白み、そして真髄を再訪できた釣行でした。