アングラー:林 良一


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2012.5.11

〈林〉海水温

釣行直前、釣果情報などと共に必ずチェックする項目に「海水温」と「黒潮の蛇行」があります。

個人的に・・、いや、あくまでも「自己流に双方を解釈」し、釣行時事前に集められるデータの一つとして役立てています。

まずは海水温です!

 

移ろう季節と共に変わっていく気温、主にその気温の変遷にやや遅れながら、僕らが釣りをするフィールドである海の水温、いわゆる表層海水温(以下海水温)も変化していきます。

下の図は、神奈川県水産技術センター、千葉県水産総合センター、東京湾漁業研究所からなる東京湾口海況図で、インターネットにてアクセスしてご覧になれます。

 

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毎土曜日と 日曜日、祭日を除き毎日更新されていて、東京湾口部の表水温の変遷がご覧になれます。

 

海風や陸風といわれる風がありますが、一日を通して変化の少ない海水温に比べ、日照がある日、昼と夜とでは変化する陸上気温との温度差による風のことで、日中と夜とでは概ね風向が反対向きに変わります。先にも記しましたが、季節の移ろいに密接する陸上の気温より、季節の移ろいに遅れながら変化していくのが海水温の特徴でもあります。

また、流入河川が多い湾などでは、淡水である河川の水は海水に比べて比重が軽く、河口から海に流れ出た直後は淡水が上に被るように流れ、その下に海水があることも珍しくないようです。双方混ざらないということも無いと推測できますが、「水潮」と呼ばれる濁った川の水が表層に広がっていても、その下層はクリアな海水だったりと、陸上での曇り空のような海中もあるかも知れません。

そして、その魚種が活発にエサを摂り、いわゆる高活性になりやすい水温を「適水温」などと呼んだりしますが、仮にその適水温が15℃だとすると、それ以下の温度から上がってきた15℃では活性が高く、逆にそれ以上の温度より下がってきた15℃では低活性になり気味ということも覚えておくと良いかもしれません。

さらに、気温の1~2℃の変化は陸上では大きな変化ではありませんが、水中での1~2℃は大きな変化と言え、陸上で人が感じる数倍の変化だと思って差し支えなく、例えばこの時期「一日で水温が2℃下がった」などは、陸上では一つ寒い季節に移行した様相だと考えられます。

週一回位でも良いのですが、1年を通して海水温を覗いていると、例えば「マルイカは15~16℃位になると例年好調、安定して釣れてくるな~」など、水温による対象魚の釣れ始まり~最盛期~終盤などがある程度読めるかもしれません。

一月前の爆弾大気圧とよばれる大きな低気圧が通過した後や、長雨の後、夏炎天が続いているときなど、極端な天候や天候不順のときなど、海水温の変化を注意して見ていると、水温変化の傾向、釣行に関してのヒントが見て取れるときがあります。

 

 次は「黒潮の蛇行」についての私見をリリースしたいと思っています。