アングラー:林 良一


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2012.2.24

〈林〉色を付けるのは貴方

先日、映画界の巨匠スチーブン・スピルバーグ監督のインタビュー番組を観ていて胸を打たれました。

ハリウッドを代表するスピルバーグ監督、古くはジョーズ、未知との遭遇、ジュラシック・パークなど、どれもが名作といわれる映画、その製作本数も相当なことは言わずもがなではないでしょうか。

番組ではインタビュアーが、「監督、ジョーズの頃と比べると今は、CG機器の発達によって、ジュラシック・パークなどの太古の昔に絶滅してしまった恐竜達をスクリーンに蘇らせことも容易でしょうし・・・」との質問に、「確かにその通りです。CG技術の発達により、今まで出来得なかったことが可能となり、映画を作り上げていく上での可能性が広がりました」と言っていました。そしてこう続けたのです・・・、「でも、いくらCG技術が発達したとしても、それに『色を付けるのは私達なのです』」と。

また、「ジョーズの頃はCGが皆無だったが、わざとスクリーンにサメを登場させない手法を用いることにより、観客達の想像力をかき立て、より深い恐怖感を植えつけることにより、観客とスクリーンの一体感が生まれた」とも語っていました。

釣りでは・・・

竿ではチタントップ、Xトルク、カーボン製のガイド等。リールは素材による軽量化、ジョグパワーレバー、TWS等。仕掛けなどではサクサス、タングテンシンカーなど、まさに「最高の瞬間を感じる」ことのできる沢山の素晴らしいアイテムの登場があり、映画界のCG技術に匹敵する釣り界のタックルの目覚しい進歩と向上には目を見張るものがありますし、一昔前の質実剛健な、ちょと漁師的なタックルからよりライト感を意識した、以前より狙った魚が身近に感じられる=高感度=軽量であるタックルが手に入ることで、好敵手とより密接に対峙できる環境にあるのではないでしょうか。

 

先のスピルバーグ監督の『色を付けるのは私達なのです』は僕には、「発達する釣り具、それを使いこなしていくのは釣り人なのだ」と聞こえてきました。

発展していくタックルに恵まれている環境にある中、それらの特性を熟知し準備を怠らず、実釣では感性を研ぎ澄まし、その時々刻々と移ろいでいく状況のスリップストリームから逸脱しないよう追従し、いつもベストな状態で最高の瞬間を感じていたいものです。