アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2012.2.3

〈林〉漠然と釣らない

去年2回、今年1回開催させていただいたカワハギ教室ですが、船釣り2回目の方からカワ研のエキスパートの方まで、沢山の方々にご参加いただきました。

出船前、約30分のレクチャーの後出港、船上では皆さんを回り個別にお話しをしながらのカワハギ釣りをいたしました。

この3回のカワハギ教室で感じたこと、例えばゼロテンション・・・

以前にも記しましたが(2009.04.09 バーミング http://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2009/04/26/19/)、僕は独特パーミング方法を取り、ウネリや波で船が上下する環境の中で、上下に振る竿の振幅が間に合えば、オモリは海底で寝ていて、張ったラインに潮の抵抗だけを受けている=トップガイド半個~1個分穂先が曲がっている状態=ゼロテンションがほぼ維持できます。

「自分には無理」とおっしゃる方々に、それを細かにご説明、「今日できなくてもいいのです、漠然とパーミングするのではなく、意識して釣り進めて行く内に自ずと『コツ』的なものが掴め、そうなるとカワハギ、マルイカ、湾フグ、アナゴなど、このテクニックを使う魚種も多く、きっと役に立つはずですよ!」とお伝えいたしました。

 

こんな考え方はいかがでしょう・・・

道を何も考えずに漠然と歩いていたのでは、段差につまづいたり、行き交う人の肩とぶつかってしまったり、交通事故に遭ってしまうかも知れません。

漠然と釣りをしていたのでは、いつエサが盗られたのかわからない(カワハギ、湾フグは除く・笑)、底立ちが分からずラインを出しっ放しにしてしまう、オマツリを魚の引きと勘違いししゃにむにリールを巻いてしまうなど、注意をしていれば分かること、そうトラブルの要因にならないことがあります。

また、こんな考え方も・・・ 

以前僕は、「カワハギは底付近に生息する魚、宙釣りなんて自分には絶対に無理! 『宙で掛ける』など、一部の常人離れした達人の行う釣り」と思っていたものでした。

でも、「同じ人間であるし、釣り好きの度合いは決して負けるとも劣らないはず」と根気良く、決して漠然とは釣らず、自分の竿、仕掛けなどの精査、周辺環境の把握、それは潮色であったり潮汐であったり、水温の変化であったり、エサの状態であったりにも気を配り、「一日宙で通せるか?」を自分に課し臨んだことも一度や二度ではありませんでした。

そして、きっと何事にも「やり過ぎ」は禁物で、迷い悩んでしまっても良いことはなく、例えば環七のような広い車道のある道、それも信号や歩道橋のない場所を横断しなくてはいけないとき(実際は道路交通法で禁じられています)、きっと「今右から車が来ているなあ、左からは当分来ないよう・・、では右からの車が途切れたときに・・・」など、迷い悩まずに「考える」はずではないでしょうか!?

釣りでも同様、「今魚は何を考えているのだろう」と思い計りながら釣り進めて行く過程で、先ほどの自分自身のタックルと周辺環境の把握があれば、あとは集中し考え釣り続け、その先にあるヒントが垣間見えてくればしめたもの、それは漠然と釣っているのではなく、そうすることによって釣った魚は「釣れた」のではなく、胸を張って「狙って釣った」となるのではないでしょうか。

 

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