アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2010.4.13

〈林〉マイ・スタイル

釣の How to を紹介するもの、それは本であったり、ネットでの動画であったり、このブログであったりと、現在は多種多様な情報として存在していて、一昔前の釣り人と比べると、ある意味物凄く恵まれている今日があります。

情報を得やすい環境にプラスして、釣り道具の進化にも目を見張るものがあり、それは素材であったり、機構、機能であったり、フィールドでのトライ&エラーの末の知恵の結集であったりします。

情報を有益に生かし釣りをしていくことは、スキルアップの為の一つの早道であり、さらに結果が伴えば喜びに転化することでしょう。

 

一方車の運転技術は、普通最初に教習所に通い第一段階から始まり、路上、卒検を経て、試験場での試験に合格すれば、その場で運転免許証が交付され、先輩ドライバーと肩を並べ、初心者マークを付けて公道での車の運転ができるわけです。

特に免許証(入漁証などではなく)がなくてもできる釣りですが、釣りを始めて間もなく、大抵の方は車でいう運転免許は無意識に取れているという感覚があり、先輩釣り師と肩を並べて釣りをしていることと思われます。

釣りは、門が大きく開かれた趣味であり、幼少の頃釣りの経験があったり、はたまた大人になってからでも、「釣りとは何ぞや」位は理解の上で、色々な情報をもとに釣具屋さんに通ったり、経験者と交流を持ったりしながら、そして一喜一憂しながら経験を積んで行かれるのではないかと思われます。

 

マイ・スタイル。

試験で合格点に達しているので交付される免許証、まだどこかぎごちなく、完璧な運転とは言えず、経験はゼロに近い初心者であるはずです。

経験を積み、そこから自分の運転スタイル、クセと言ってもいいかもしれませんが、基本に則った自分流の運転の仕方になって行くと思います。

釣りでも全く同じことが言えると思うのですが、How to 通りの基本的な釣り方、先輩釣り師の助言などは非常に大切なことで、それをしっかりとした基本と絡め釣りを組み立て進めて行くことは、スキルアップをして行く上で大切なことかもしれません。

 

でも考えてみると、例えば免許取立てでF-1を運転できるわけもなく、好タイムなど期待できるわけがありません。

自分のオリジナリティーを釣技に反映させるには、情報の中のどれが、どこが自分の釣りに有益なのかを見極めなければならず、それは経験なしでは困難な事柄もあると思われ、それに加えて基本がしっかりと身に付いていることが前提になるかと思います。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とは孫子の兵法、「魚を知り己を知れば毎回爆釣」かどうかは、自然相手の釣りのこと、何とも言えませんが、一時の釣果を引きずらず、そして釣果だけではなく、毎回違った体験をする釣行の中で、自分で納得の行く釣り、次に繋がる釣りをしていくことが大切ではないでしょうか。

 

オリジナリティーが持ち味、売り物としている芸能人や歌手、お笑い芸人の方々、二人としていない個性、だからこそファンがいて支持されているのではないかと思います。

私達もまた、一人一人個性のあるオリジナリティーあふれる釣り人なのです。

一人一人の釣りの幹に、独自のオリジナリティーあふれる枝葉を付けながら釣りを続けて行って、不意に、そして自然と笑みがこぼれた時、まさにその瞬間がご自分の「マイ・スタイル」ではないでしょうか。