アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2009.4.7

スッテの色

僕はタチウオのジギングもやるのですが、ルアーである「ジグ」にも、様々な色、形があります。

形はジグの動きにおよぼす要素がありますが、ここでは割愛し、ジギングの色の見地からのスッテの色を考えてみたいと思います。

「海の中では、黒、紫などの濃い色が派手な色、逆に白、ピンクなどは地味な色」と書かれたジギングの本を読んだことがあります。                                                                              それは、かなり暗い海中でのことで、ジグのシルエットを認識して補食する魚にとって、白、ピンクなどは周囲の海水の色に溶け込んでしまい、シルエットがぼやけ、ジグを捕らえきれないというのです。                   反対に、濃い色のジグは周囲の海水の色とのコントラスト(対比)がハッキリとし、クッキリとでたシルエットを魚が捕らえ補食できると。

ただこれは、マルイカのスッテにに比べ、動きの早いジグでのこと、ジグに比べ、動きの少ないスッテには当てはまるのでしょうか?

また、「ジグの色で迷いがでたら、背中は海の色、腹は空の色にしろ」とも。                                 これは、そのエリアにいるベイトフィッシュに色を合わせろということで、補食魚が、泳いでいるベイトを上から見た場合、背中が海の色に溶け込む保護色のはずであるし、下から見た場合、海面は乱反射した光で漠然と乳白色に光っているので、その色=空の色?に近い保護色にしろ、という考え方もあるようです。

ただ、ジグは光を通しませんが、スッテは透過性のものがほとんどで、宮澤さんの記事にもあるように、かなりの透過性のハダカから、ジグと同じで光を通さないメタルまで、様々な段階の透過性、また、スッテ表面の布や糸の色、ボディーの色があります。

スッテは乾燥している状態と、水に濡れて、スッテ表面の布の色や巻いてある糸の色ににボディーの色が透けて見えている状態では、まるで別物のような色の違いがあるものもありますよね。

永田さんも「蛍光灯にスッテをかざし、光を透過させて見てみる」と書いておられ、室内で海中のスッテの色をイメージするヒントを与えてくれています。

光を透過するスッテは、海水がクリアなほど、水面に近いほど、晴れているほど、その透過した色を意識して仕掛けに組み込むことが大切と思われ、光量が少ないときはそれを逆手に取り、少ない光を乱反射させるハダカのチョイスの必然性などが考えられます。

また、シルエットがハッキリするメタル、濃い色のスッテほど、誘いをかけるためにスッテを派手に動かすタタキなどでも、光を過し乱反射させるハダカよりはハッキリイカに見えているのか?もしハッキリと見えているなら、イカの活性の高いときには濃い色のスッテなのか?

ホントかどうかイカに聞いてみたいところです。                                             「イカ星人」の友人は沢山いるのですが、残念ながら「イカの友達」はいないものですから・・・。