アングラー:田渕 雅生


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田渕 雅生さんの記事
2019.3.7

神秘的な魅力・深海釣り

 

水深1,000m。

太陽光が全く届かない「漆黒の世界」に生息する真紅の魚・「ベニアコウ」

漢字にすると「紅赤魚」となる。 漁師さん達は「コウジンメヌケ」または、「メヌケ」と呼び、魚類の卸売り市場では、「オオサガ」と呼ばれることが多い。

コウジンとは、「荒神」と表し、神聖な魚として扱われていることが窺える。

釣具の進化により、そんなDEEPな領域でさえも遊漁のターゲットとしてチャレンジさせてもらえるようになった。

PEライン12号を1,400m巻くことができるダイワのマリンパワー3000 24V

紅30

巻上げ力、ドラグ力、ラインキャパ、どれもこの深海釣りに必要充分な機能を備える。

加えて、仕掛け落下時のスプールの回転が滑らか=速い! 巻上げ時のモーターが静音。

プリセットノブとレバードラグの調整+ATDドラグで巻上げ時の絶妙なドラグ設定が可能=バラシを減らす。

東京スカイツリー(634m)+東京タワー(333m)をも超える1,000mの深海からハッキリと竿先に伝わる魚信。

道糸がPEラインになり、どんどん進化した賜物だ!

巻上げは速度18~20程度。船の揺れをドラグで調整し、巻上げ時のラインテンションをできるだけ一定に保つようにする。 仕掛けが海面に上がってくるまでの20~30分(海が悪いと40分程度)、何が上がってくるのかワクワク・ドキドキ。

海面を割って上がってくるのは、真紅の本命・ベニアコウ以外は、黒かグレーの魚達。

ソコダラ、トウジン、イバラヒゲ、ホラアナゴ、深海サメ数種。

紅2

これはクロソコダラ。

鍋にして美味しくいただける魚だが、海面にその姿が浮かび上がった時の興奮度は、本命漁に比べるといささか小さい。

紅5

紅4

大海原にポツンと浮かぶ船上で、長い電動リールの巻上げ音が止み、仕掛けを手繰り始めると、仕掛けが船から離れるように払い出していく。浮き袋が膨らんだ魚体が2kg~3kgのオモリをも浮かせてしまうのだ。

巻上げ時からのワクワク・ドキドキが1オクターブ上がるような興奮をおぼえる。

紅いか?黒いか?

真紅の魚体が海面に現れた瞬間、興奮度MAX!!! 心臓は張り裂けんばかり!頭から湯気が勢い良く出ているような!眼が飛び出すような! 「今まで生きてきた中で一番幸せ!」と言ってしまいそうな(ちょっと古い)

あらゆるHAPPYな感情が湧き出てくる。

紅13

紅7

1回の投入に1時間以上かかる。 仕掛け投入~着底まで15分程度。 20分~30分流し込み、巻上げに30分前後。

乗船時間が決まっている遊漁船では、1日に4投となる。

色んな海流ゾーンを経て1,000m下のポイントに仕掛けを流し込んでいく船長の知識と技量にただただ感服する。

「手軽さ」とは真逆の釣りだが、機会があれば、この深海ワールドの釣りを是非一度体験してもらいたい。

 

今回は、松輪・間口港の鈴清丸(すずきよまる)さんにお世話になりました。

鈴木亨平船長、有難うございました。