〈林〉タタキ前編 ~名人の名言を自分に当て嵌めて~
マルイカ釣りでのスキルの一つタタキ。
「あたかも弱ったイワシを模すように・・・」とは、永田さんが提唱するタタキの意味の最も大切な一つであり、頷けるテクニックだと実感しています。
一言で「タタキ」と言っても、その振幅、強さ、早さなど、それは個人によってまちまちな場合が多いかもしれず、狙って意図した動きをスッテに与え、そのタタキで効果的にマルイカを誘い、スッテを抱かせてしまえばしてやったりだと思うのです。
自分の釣りに当て嵌めてみると、僕はゼロテンションでの釣りを主体としているのですが、
ゼロテンション=オモリを海底に寝かした状態+竿先がわずかに曲がっている状態
でのタタキについて考えてみました。
竿を上下に激しく揺すり、海中のスッテに動きを与えるタタキ。
先のオモリが寝ている状態で、タタキの初動が竿を跳ね上げる動きだとすれば、オモリは海中で激しく立ち上がり、連続したタタキの動作によってイレギュラーにパタパタと、立ったり寝たりを繰り返す動きをしているかもしれません。
もっともこの動きは、振幅のやや大きな、力強いタタキによるオモリの動きということです。
こののタタキでの、直結仕掛けでのスッテの動きをイメージしてみると、海底のオモリのパタパタと同調するかのような振幅で上下に、メタルスッテの重みで振動するように左右に揺れ動いているかもしれません。
また、オモリが寝ている状態から一瞬、ちょこっとだけ弛ませて、その弛みをピンと連続して張るようなタタキ。
海底で寝ているオモリのアイは、海底で激しく、しかも連続して瞬間的に引っ張られますが、オモリ自体はそのまま立つ迄には至らず、連続したタタキの動作によってほんの少し立ち上がりかけては寝てと、それを繰り返す動きをしているかもしれません。
このタタキでスッテの動きをイメージしてみると、ほんの少し仕掛けを弛めた分を勢いよく張られる為、細かくピンピンとした動きだと思われます。
「ここまで細かく考えなくてもいいのでは?」
確かにそうかも知れません。
ただ僕はタタキながら、今まさに海中にあり、投入直前に自分で配列したスッテの動きに見入っているマルイカの気持ちをイメージしながら釣りをするのが好きなものですから。