〈林〉マルイカの気持ち
マルイカしかり、釣りの対象である獲物を取り巻く環境、時期などにもよるとは思うのですが、これから釣ろうとする獲物の機嫌は悪いより良い方が、活性は低いより高い方が、おしなべてアタリが出やすく釣りやすいと言えるかも知れません。
マルイカでのコマセスッテ、効果を期待し、一杯でも多くのマルイカとの出会いを作るべく仕掛けに混ぜ込み、「どの位置にどのようなスッテを」に気を配り、コマセスッテを見ているマルイカにアピールすべく誘うイメージ・・・、そう思い想像するだけでも楽しいものです。
そうした、予想通りの効果が一杯のマルイカとなって表れ、コマセスッテを付けていない近くの釣り人との比較対象の中での、戦略通りの価値ある一杯、釣り人冥利につきる嬉しい瞬間でもあります。
また逆に、良しと思って仕掛けに付けたコマセスッテをマルイカが警戒し恐れ嫌う可能性もあるかも知れず、 「他の釣り人が付けていないコマセスッテを付けたのだから・・・」と慢心する前に、 「もし効果的でなく、逆にアタリが遠のく場合もあるかもしれない」とも同時に考え、今まさに足元の数十メートル下にいるであろうマルイカの心中を模索することも大切かと思います。
カワハギ釣りでは、ケミホタルを仕掛けに取り付け使う場合がありますが、やはり効果的なことを実感、その後、仕掛けには常にケミホタルを付けていました。
ところがあるカワハギ大会の時、ケミホタルを付けていない両隣の釣り人は時折カワハギを釣り上げるのですが、僕にはたまにしかアタリがないのです。
曇天だったその日、「ヒカリ物は有効、だって今日は海の中は暗い筈、この光に誘われ寄ってきたカワハギがアサリを見つけて・・・」の筈が???です。
沖上がり直前、そう、まだ20分位時間がったでしょうか、「おかしいいなぁ、こんな筈では・・・」と内心思いながらも、意を決してケミホタルを外してみました。
そうしたら、その後3枚カワハギを釣る事ができました。
それはたまたまだったのかも知れませんが、そんな経験もあったのです。
戦略を立て、獲物を攻略する為のコマセスッテやケミホタルですが、まず獲物の機嫌を伺うツールと考えてみるのも一興ではないでしょうか?