ベイトリールの糸巻き量
先日リリースした状況変化に追従 ~湾奥出船マルイカ~で、「スプールに一杯に巻く」という記述をいたしましたが、僕なりのライトタックルでのベイトリールの糸巻き量について書いてみたいと思います。
ベイトリールのスプール一杯にラインを巻いた状態では、
スプール外周近くの1周の長さ×ハンドル1回転でのスプール回転数=ハンドルを1回転した時ラインを巻き取れる長さ
となるわけで、ラインをスプールエッジの面取り部分近くまで巻いておくと、仕掛けの沈下時にはスプールの回転数を最小に抑えられ、巻き取り時には、ギア比の高いリールならなおさらの事、ハンドル1回転でのライン巻き取り量が長くなります。
例えば・・・
直径3.5cmのスプールにギリギリまでラインを巻いたとしたら
3.5cm × π(円周率=円周÷直径=3.14)=10.99cm となり、スプール1回転で約10.99cmのラインを巻き取ることができます。
しかし、直径3.5cmのスプールでも、スプールエッジより5mm低く、直径2.5cmの所までしかラインを巻いて無かったとしたら
2.5cm × 3.14=7.85cmで、スプールギリギリまで巻いた時とは、スプール1回転で巻き取ることのできるラインの長さに3.14cmの差があります。
ギア比が6:1のリールでは、ハンドル1回転でスプールが6回転しますので、ハンドルを1巻きしたときの差は
3.14 × 6=18.84cmとなり、ハンドル1巻きで19cm近い差になります。
実際水深60mのマルイカ釣りでは、仕掛けの全長を6mとすれば、真下に仕掛けが落ちても54mのライン(リーダーも)がリールから放出されているわけで、空巻き時、ギア比6:1のリールに直径3.5cmのスプール一杯にラインを巻いていれば、ハンドルを約82回転すれば仕掛けを回収できるのに対し、スプールエッジより5mm低く巻いた状態では約115回転ハンドルを回さなければならず、その差は33回転もあり、隣の釣り人がスッテを投入器に入れ終った頃、自分はリールを巻き終わる位の時間差があるのではないでしょうか。
また、カワハギ釣りで僕は、ドラグを調整し大型カワハギの引きをかわしているのですが、スプールの軸からラインの放出される距離が遠い程、スプールが回されようとするモーメントが強はたらき=少ない力(魚の引き)でドラグを滑らせることが可能ですが、反対に、スプールの軸からラインの放出される距離が短い程、大きな力でないとドラグは作動せず、細やかなドラグ調整が難しくなってしまうと考えられます。
ただし、スプールにラインを巻き過ぎてしまい、スプールの口径をラインの直径が上回ってしまっては、スプールより膨らんだラインがリールのボディーに擦れてしまったり、分解掃除の際スプール径を超えたラインがボディーに引っ掛かり出てこなかったりします。
また使用時でも、細いラインであればあるほど、ちょっとしたバックラッシ時にスプールとボディーの間にラインが入り込んでしまったりするトラブルが起こることがあります(経験済・泣)。
個人的にはこのような理由から、LTのベイトリールにはラインをスプールエッジ近くまで巻き使用しています。でも、巻き過ぎには注意を払っています。