〈林〉AGS-BOTTOM インプレ釣行
今年、ダイワのカワハギ竿の最高峰モデルは「極鋭カワハギ Red Tune AGS-BOTTOM」ですが、その進化したボトム、AGSを搭載したボトムを携え、7月2日(水)、久比里の巳之助丸さんの船上の人となりました。
今回持ち込んだのはAGS-ボトム、AGS-A、AGS-F、1455AIRの4本で、「AGS-AとFの中間的なボトム」の使用感を実釣でどのように体感できるかが一つの目的があり、右腕である1455AIRとの比較が二つ目の目的でもありました。また、0.5mmのスーパーメタルトップを搭載しているボトムは、去年Fで体感しているように、ゼロテンション時の目感度はもとより、目感度に出ない、手感度のみのアタリに対してアワセに行け、今まで獲れなかった1枚を手にすることが可能で、今回のボトムでは、Fよりも穂持ちのパワーも上がり、よりタイムラグの無いアワセができることに期待が持てるという予想がありました。
さて、久し振りの巳之助さんですが、相変わらずの笑顔で迎えてくれる女将さん達、いつも凛々しい親方船長に挨拶を済ませ、受付後アサリをいただき、平作川に架かる歩道を渡り、浩樹船長の船で恒例のアサリ剝きです。当日はベストな小粒アサリで、半分ほど剥いたところで佐藤(ひろかず)君も乗船、2人でアサリを剥きながら、今日のカワハギに想いを馳せます。
そして、今回試してみたいことがもう一つ! 小さなワイドフックでやや長ハリス、ハリを飲み込んでしまったカワハギがハリを吐きだそうとしたとき、喉や口の中でハリ先が立ち違和感を覚え、首を振った挙動をメタルトップで察知、張りのあるボトムの穂持ちで掛けに行くという思惑の精査です。ちなみに左は、スピード・7号です。
さて出船。浩樹船長は竹岡沖を目指し東京湾を横断するように船を航行、べた凪の海、頬に当る風が心地よいです。しかし、梅雨時でもあり、海水は茶褐色に濁り、カワハギ釣りには良い潮色ではありません・・・。船長は、竹岡のゴルフ場が見える、ゲバチ根付近の水深18m付近に船を止め釣り開始です!
ボトムを使いオモリ着底後50cm程底を切り、オモリをヒラウチさせながら再度オモリ着底でピタッとゼロテンションで止めます。すると、時折外道からのアタリはあるものの、小さなベラのようで、ハリ掛かりに至らず、イタズラされているようなアタリの連続が続きます・・・
濁りがキツイので、目でエサを探すカワハギのこと、一所にステイしているエサ+夜光・ケミなどの、暗くても目立つアイテム が必要かな? と思案していると、ひろかず君が船中1枚目のカワハギをGETです! 流石!!(ちょっとドヤ顔・笑)
しばしそのまま釣り続けてみますが、左舷は僕らだけでなのですが、ひろかず君にアタリが集中し、僕の仕掛けを上げてくると、やはり外道食み後だけ・・・、ではと、オモリを夜光に替え、大きな赤いケミを付けて釣り再開です! すると、カワハギからのアタリが時折で始めるのですが、エサを吸い込むに至らず、ついばんでいる様相です。そこで、小さなワイドフックを飲ますことを諦め、ハリをスピード7号に、ハリスも8~10cmと長めに取ったものを上2本、下は対極に、ハリ先だけで掛けようという思惑から、ワイドフック3.5号に3.5cmの短ハリスで状況を窺ってみました。
すると、ゼロテンションのボトムのメタルトップに小さな、でも、重く鋭いカワハギのアタリが出ました。ついばむようにエサを食べていることが分かっているので、ここでアワセに行くとほとんど掛からない為、「スッ」っとテンションをマイナスにするか、中オモリでユラユラ、フワフワと仕掛けを優しく揺らして食いを促し、「ハリ先が口の中で立った重み」 で聞き上げ、カワハギに首を振らせてフッキングさせます。
ここまででのAGS-ボトムの印象は、前作のボトムはどちらかと言うと軟調な感がありましたが、ほんの少し穂持ちに張りがあるような使用感で、穂持ちの「3」のパワーが「3.5」近くに感じられました。そして、その軽さはAGSガイドが生み出す振り抜き=ハンドリングの軽さ は、他の竿より頭半個出ていて、誘い下げる毎に、オモリをパタパタ操作する度に、仕掛けを投げてみる度に、「う~ん、軽い・・・!」と、1人胸中でほくそ笑んでしまうのでした。カワハギからのアタリも、0.5mmのスーパーメタルトップが目感度で、そして手感度でも感じられ、アワセた直後からの綺麗な曲り、引きのいなし、クッション性も高次元な、非の打ち所のない仕上がりとなっています(価格も少し、安くなりましたしね)。
さて、数枚釣ったところで竿を1455AIRに替えて、ボトムとの違いを見極めてみることにしました。1455AIRは去年発売、それ以降僕の右腕と言っても過言ではないカワハギ竿となっています。タイムラグの少ない釣り、特に宙釣りでその真価を発揮する竿で、硬調、硬調子から、喩えてみると「筋肉質の男性」的な
で、カワハギの挙動もいち早く知らせてくれますが、こちらの動きもカワハギに伝わりやすいことから、精密な竿の操作をしながら、一瞬の挙動で掛けに竿と言えます。実際使い比べてみると、あくまでも個人的な使用感ですが、AGS-ボトムは1455AIRを繊細に優しくした印象で、例えるならば「ぜい肉をそぎ落とした女性アスリート」的な竿でした。
その後、AGS-A、AGS-Fを使いながら沖上りを迎えましたが、「A」はハンドリング良く、カワハギの活性が高い時は釣り師が主導権を握れる1本、「F」は当日のように渋い食い方をするとき、その柔軟な穂先~穂持ちを使い、ついばむアタリも弾くことをせず、アタリに繋げられる竿だということを、改めて体感できました。
久し振りだったカワハギ釣りですが、やはりカワハギ釣りは面白いですね(笑) 今年も始まる熱きカワハギロード、皆さんはいつからスタートですか?