アングラー:林 良一


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2009.6.11

東京湾の地形と潮の干満

皆様ご承知の通り、今年の東京湾でのマルイカは何か変ですねぇ。

詳しい原因などは僕には分からないのですが、「そういえば東京湾ってどんな形?潮の流れは?深いの?」など、極簡単にですが、「釣り場としての東京湾」について書いてみたいと思います。

 

東京湾中部の海図です。

 

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これを見ると東京湾は、大きく蛇行していることが分かります。

湾奥から、まず南西方向に、そして南東方向に、そしてまた、南南西位の方角へ向け、最後に真っ直ぐ太平洋に接するように見えます。

はるか上空から見た、平面での東京湾はこんな形ですが、水深が場所によって違います。

 

湾中部のやや北部、本牧と木更津を結ぶラインに「中ノ瀬」があります。

オレンジ色の部分、右下に見えるのは富津岬です。

中ノ瀬は、浅いところでは水深12mちょっとで、以前タンカーが座礁したこともあります。

 

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湾中部の赤い斜線部分、「中ノ瀬航路」から続く「浦賀水道航路」。

周辺の海底より溝のように深くなっている、大型タンカーなど、喫水の深い船の航路です。

この辺りの水深は、中ノ瀬航路ではおおむね20m位、浦賀水道航路では、北部で40m位、南部で70m位あります。

 

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剣崎と保田を結んだ、丁度方角を示す円の中央辺り、ここは500m以上もあります。

 

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海図の水色の部分は、10mよりも浅い海域です。

それに、海岸線の埋め立て、または横断橋、シーバースなど、潮の干満におよぼす様々なマンメイドストラクチャーなどがあります。

 

海には潮の満ち引きがあり、その影響を受け、東京湾にも潮の干満が発生します。

まるで短くて太い、逆流もする深い河のようではないですか?

 

遊魚船の場合、ポイントとなる根などの付近を流して釣る場合、またはアンカー(イカリ)を入れて船を固定して釣る釣り方があります(パラシュートアンカーやトローリングはここでは除きます)。

どちらの船の状態でも共通するところは、多少でも風があると船尾のスパンカーが風を受け、やや角度こそあれ、常に船首は風上を向いているということです。

流す場合は風に船首を向けたまま、潮の流れて行く方向に船を移動させ、ポイントを流して行きます。

アンカーを入れた場合、海底にあるアンカーが一番の風上、そして船首、船尾となります。

この場合、流し釣りと違って船は(振れはありますが)固定されているわけで、その決まった船の位置で、どの方向に潮が流れるか?それを推察します。

その日潮先となる釣り座を考えるわけです。

 

釣行前夜など、複数の天気予報、気象予報を比べ、明日行くであろうエリアでの実釣時間中の風向、風力は一定か、風向きが変わることはないか?

そのエリアでの潮の流れる方向を考え、実釣中干満はあるのか?など、事前に調べ、考えます。

 

素人が「予報」を見て「予想」を立てるのですから、確率の方は何ともですが、前夜から釣りが始まっている気がして、いくつになっても遠足前の子供と同じ気持ちになります。

 

こんな東京湾、流入河川も数多くあり、世界有数の栄養豊かな湾だそうです。