アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2013.9.28

〈林〉99パーセントの向こう側には

カワハギのエサであるアサリは剥きたてでは柔らかく、エサ持ちを良くするために、グルタミン酸ナトリウムを添加した塩であるアミノソルトやアミノシュリンクなどを使ってアサリを〆て、意図した固さにしてから使う場合が多いかと思います。

そんな「塩」ですが、安価なものほど「塩化ナトリウム99パーセント以上」などの表示があり、海水を原材料に、塩の純度を高めての製造工程ゆえ、いわば「ピュア塩化ナトリウム」と言い替えられる「工業製品の塩」に対して、「おいしい塩」と銘打つ物は、今でも昔ながらの塩田で作っていたりして、海水そのものや製造工程での不純物により、それが塩の風味、うま味でもありますが、前途の塩は何とも味気ない物になってしまったようです。

また「水」では面白い現象があり、浄水器で濾過された塩素などの不純物を取り除いたの水を飲みなれてしまうと、蛇口から直接の水道水の味には辟易してしまいます。また、天然の不純物が入ったいわゆる「おいしい水」は、浄水器で濾過した水よりも断然高価にもかかわらず、皆さんもよくお飲みになるのではないでしょうか。

 

釣りの、特に船釣りの世界では、近年のタックルの進化には目を見張るものがあり、穂先に感度抜群の金属素材であるメタルトップ。リールのケーシングには、金属のような強度を持ちながらにして軽量な樹脂ザイオンを。ガイドフレームには軽量高硬度のカーボン繊維のAGSを。アワセ切れなかった微細なアタリにも、滑らかなコーティングにより刺さりが良いハリSaqSasを。名手の感覚を数値化した感性領域設計システムESSなど、まだまだ数え上げればキリがありません。

これらは、より微細な魚からのアタリを、竿を持つ釣り人に大きく伝えることに集約≒1匹の魚により近づくテクノロジーの結集で、今現在の最高峰と言っても過言ではない〔高感度+軽量+高性能〕の集約と言えるのではないでしょうか。

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このようなタックルを携え、いざ船上で好敵手と向き合う時、「99パーセントは完璧なタックル」とは言わないまでも、研ぎ澄まされたモノを使いこなそうとする釣り人には、決してタックルに翻弄されることは無しに「このタックルで未知のアタリを感じ取るんだ」という意気込みが大切だと思いますし、それを持続する集中力も不可欠だと思います。

 

99パーセントの向こう側には、高性能とはいえタックルに釣りのほとんどを依存するのではなく、「10人のカワハギ名手がいれば、10通りの釣り方がある」の喩えのように、ご自分の釣りスタイルを見つめることも大切で、「釣りは自己流の極み」であるとするなら、その1パーセントのタックルの使い手にこそ、釣りにとっては大切な部分である場合も多く、その1パーセントを、時には大きなパーセンテージと変化させながら、ご自分を未体験ゾーンへと誘うこともあるのではないでしょうか。

 

【カワハギ釣り教室・参加者募集】

 

10月13日(日)、羽田のえさ政釣船店さんにて、カワハギ釣り教室を開催いたします。

秋本番、カワハギシーズン真っ只中! 更なるステップアップに、カワハギ釣り大会の最終調整にいかがでしょうか!?

参加ご希望の方は直接えさ政さんへ連絡いただくか、Facebookに宮澤さんが主催している「極鋭カワハギ友の会」にイベントを立てましたので、そちらにコメントをいただければと思います。

よろしくお願いいたします。