湾(アカメ)フグ釣り教室 at えさ政釣船店さん
この冬好調な釣果の推移を見せるアカメフグ。
毎年冬の風物詩として盛り上がりを見せ、微細なアタリで掛けた大型は根掛かりと見紛う程の重さを有し、その体躯から「ガマガエル」の別名がありますが、1週間以上寝かせた食味は美味この上ないことも人気の秘密ではないでしょうか。
さて、そんなアカメフグ釣り教室を2つき(日)、羽田のえさ政釣船店さんで開催させていただきました。
今回ご参加いただきましたのは24名様。いつも多くのご参加をいただき、心よりありがとうございます。
さて、釣り教室では、出船前30分前より、船上でレクチャーを行っております。
レクチャーでは、湾フグ釣りに適したタックル、仕掛け、釣り方などを述べさせていただきます。
出船時間を少し過ぎたところでレクチャーは終了、村石 晴彦船長が舵を握る第八えさ政丸は、女将さんの笑顔のお見送りを受けながら、静かに桟橋を離れました。
当日は北風がやや吹く予報でしたが、多摩川河口付近は凪模様、ポイントまで45分位の航行の間、今回初めてご参加いただいた方々にエサの付け方をお伝えして回ります。
最初のポイントは富岡沖、貝が堆積しているようなガラ場のポイントで、水深が落ち込む手前の15m前後を狙います。
ポイントで船はスローになるとあれあれ? 予報よりも風が強いようです!?
北風を背にしながらの航行から一転、船が旋回した途端に風、波に伴い船が揺れ始めました。
フグ釣りはアタリの小さな釣りの事、風や波は大敵なのですが、釣りができない程のことはないようです。
皆さん軽い10号程度のオモリを海底で暴れさせないよう、フグが食べやすいようにと、船の揺れを打消すように竿を上下されています。
そんな中、開始早々アカメを釣り上げたのは大西さん。「揺れの中でもハッキリアタリが出ましたよ!」とは流石、その後も集中力を切らさずに釣っておられました。
右舷艫の野田さん。当日午前中の釣り座の利を生かし大型を釣り上げます。艫も比較的揺れる釣り座ではありますが、真後ろを向いてしまえば風の影響を極力防ぐことができ、この後もアカメ2匹、中型マダコ、良型のカレイを釣り上げられていました。
これも良い型、塚田さんが釣り上げました。「今日は目標を3匹としています」の公約の通り、ちゃんと3匹釣られるあたりはご立派でした。
朝の内は緩い下げ潮がきいているようでしたが、思いの外強い北風に釣り辛く、フグの活性もそう高く無さそうでした。
船を回りながら、皆さんのご質問にお応えしたり、タックルをお借りして「こういった揺れる日並こそゼロテンションを維持する最良の練習日」とばかり、家では模せない船の揺れ、風の強弱の中、誘い下げ後のゼロテンション維持(このときアタリが出ることが多い)の練習をお伝えいたしました。
アタリが遠い中、風に途切れながら「お~いりょうちゃん、釣ったよ~!」の声! 僕は反対舷にいたのですが、右舷艫2番の御手洗さんがヱビス顔。「今日は吹いちゃって難しいね~」と言いながら、流石アタリを捉えていました。御手洗さんとは2008年のカワハギ釣りの全国大会決勝を一緒に戦って以来の釣友なのです。
アカメフグ釣りの大場所富岡沖は、湾フグ釣りの看板を掲げる船が思い思いのポイントを攻めています。
昼前より風が凪ぐ予報の中、冷たい風に吹かれながら皆さん頑張っておられます。
釣り教室では、釣っている姿を皆さんにご覧いただく意味で、中盤過ぎころから僕も竿を出させていただきます。
今回のロッドは 極鋭GAME MC-180AGSにリールはエアド、ラインは12ブレイドの0.8号です。
MCにエアドをセットし、ゼロテンパーミングをしてみるとこんな具合です。
オモリはここのところ実績があり、僕の中では湾フグ釣りの定番のオモリとなりつつあるタイドブレーカーです。
比重があるタングステン製で、円錐の角を下向きにセットすることで海底とのコンタクトがより明確に手感度に伝わり、フグにアピールするカラーバリエーションも豊富、30gを使いました。
さて、中盤の正午頃、少し風が無い出きたタイミングで、春彦船長は船を北に向け沖堤防周りを探ってみますが、ここでは1匹の顔を見ただけで、もう少し上手の、やはり堤防際のポイントに移動しました。
ここでは風も岸によって遮られることと弱まっていることから格段に釣り易くなり、流れなかった上げ潮が動き出したタイミングで一時入れ食い状態に!
そのタイミングを逃さず、粘り強く釣っていた越さん。「シロギスは釣ったんですが、やはり本命は嬉しいです!」とのことでした。
釣友の「(こちらも)ゴウちゃん」こと石郷岡さんは小型の後にすぐこの大型を釣り上げ、慌てて写真を撮り直しました(笑) この後も時合に嵌め、大型を追加していました。
冨永さんはこの1匹の直前に僕としばしの釣り談義をしていました。それは「誘いを繰り返していてもアタリが無いこともあり、隣の初心者が釣ってしまったりと、釣りは努力がすぐ結果(釣果)に直結しない」といった内容でした。「それでも諦めずに、集中を切らさず釣り続けることが大切ですよね」と話しは終わってからの数風後、冨永さんはこの集中勝ち、粘り勝ちの1匹を皮切りに、10数分で4匹のフグをGET ! やはり、たとえアタリが無くても、その時が来れば万全を期していた結果が表れました。
船中あちらこちらでバタバタとフグが上り、僕は歓声と共に船中を右往左往していましたが、右舷舳の大川原さんは「カワハギ竿では少し硬いですかねぇ・・・」とおっしゃいながらも、「長目のゼロテンションの時間を短く、その分誘い下げを」とお伝えした直後に見事な1匹を釣り上げられました。
先の会社の釣り部会でご参加いただいた川窪さん。苦戦されてはいたものの、カワハギ釣りで培った経験で少しずつ嵌めて行き見事な1匹を手中に収めました。湾フグXの入魂、無事完了ですね!
アカメフグのポイントは岩礁帯のことも多く、同じ場所に生息しているタコも釣れてきます。写真はイイダコですが、他の釣りに比べカットウ仕掛けでは、タコにカットウが掛かり、高確率で東京湾のブランドタコ(ほとんど流通していないとか)を釣り上げることができます。当日も5~6杯のマダコが上りました。
会社の先輩、千葉さんとご参加いただいた嵯城さん。「ヤバイな~、釣れないな~。先日、釣れた方が食べていたカップ麺を食べたんだけど・・・、おかしいな~」と、アタリが遠かったものの、いつも笑顔でお話ししてくれます。でも諦めずに、沖上り直前での1匹はお見事でした。
前半風が強く釣り辛かったものの定刻まで釣りをすることができました。
帰りは気温の上がった海に浮かぶ船を見ながらの帰港となりました。
帰港中、3回連続でこの教室に出席いただいた大内さんとのお話しの中で彼が「チラシバリ仕掛けのハリス部分に、フグの噛み後が沢山付いていました。フグはエサを食べに来ていたのだと思います」とおっしゃっていました。
これがその仕掛けなのですが、フグの硬質なクチバシ状の歯で噛まれた後が見て取れます。
彼曰く「これが全て獲れて(釣って)いれば」の一言に集約されるよう、フグにエサを食わすまでの「誘い」は合っていて、その後の「アタリ」が船の揺れによって取れなかったことが窺え、揺れている船上でも、ゼロテンションの精度を上げることによってアタリを認識でき安くなり、果ては1匹の釣果に繋がって行きます。
中川船長、いつもフグをさばいていただける石塚マスター、ありがとうごまいました。
村石 春彦船長、午後からのポイント選択は流石でした。またよろしくお願い致します。
今回ご参加いただきました皆さま、心よりありがとうございました。
えさ政さん、この度もたいへんお世話になりました。
今回は予報より強い風の中、小さなアタリを取って掛ける釣りにはやや厳しい条件となりました。
インドアではなく、自然の真ん中で魚と対峙する釣りは、自ずとその状況は毎回違うもので、条件が厳しい時こそ、船上でしかできないこともあるものです。
こういった時の経験を今後の釣りに是非生かしていただけたらと思います。
よい日並であれば、まだまだ釣れると思われる今季のアカメフグ釣り。
教室終了後に「もう一度アカメ釣り教室を」という声も聞かれました。この冬にもう一回、リクエスト多数の場合開催を考えております。