〈林〉逆手に取る
以前夜アナゴ船に乗ったとき、船宿に1番に行き「ここぞ」という釣り座を確保するも、いざポイントでは、予め見ておいた天気予報の風向きの逆方向から風が吹いており見事に潮裏、目の前に流れ行くクラゲにラインをのせて少しでも潮先に仕掛けを運び、1本、また1本と辛くも釣り上げて行ったことがありました。
その頃の常連さんの中には、空いているという理由から自分で決めた釣り座を移動し釣りを続ける方もいらっしゃいましたが、僕は「自分で決めた釣り座、今この釣り座で上手く立ち回れないものか?」をいつも考え、今その場ででき得る最高のパホーマンスを模索していたのでした。
釣りの先人には、「今日は荒れているから出船中止だろう?」ではなく、「多少荒れているときも船を出せる大型船がある船宿。そして、他の船が出ていないのであれば、その分エリアにプレッシャーが入らず、いい状況かもしれない。要は出てみなければ分からない!」と言い切る方もいらっしゃいます。
自然条件の中で楽しむ釣り。天気予報や潮汐など、その情報通りにならないこともしばしばあり、そんなとき「天気予報が・・・」、「本当は上げ潮なのに・・・」と悔やむのではなく、今直面しているその状況をより良いものにできないものかと、悩むことなく思考をめぐらし逆手に取って、自分に有利に働かせるように思案してみることも大切ではないでしょうか。
「りょうさんはスゴイねぇ! どんな状況でも釣るんだねぇ!!」
否(きっぱり!)。 そんなことも考えてしまうほど臆病な部分もあり、こんなことを考え実行するから釣れるという保障はないのです。
では、「なぜブログの題材にするの?」
それは、自然条件の前に屈服してしまう前に、釣り人と好敵手との頭脳戦でもあるメンタル面も大切な釣りのこと、こういった考え方の先に新たな発想や展開が待っていたりすることがあるもので、決して思い悩まず、考え過ぎない考え方で臨むことが大切だと思っているからなのです。
そして、逆手に取れない時、その状況を経験として記憶し次に繋げることも大切だと考えています。