アングラー:林 良一


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2012.3.1

〈林〉つり情報3月15日号 No.805 マルイカ通信スタート! 

3月1日発売のつり情報誌より「シーズン連載・マルイカ通信」がスタートし、ありがたいことにその第一回目のゲストとしてお呼びいただき、今回のお題は「深場のライトマルイカ攻略術」、僕自身も今季初めてのマルイカ釣行となり、平塚の庄次郎丸さんにフィッシングライターの朝倉さんと行って参りました。

平塚出船並びに今季のマルイカ釣りも初めて、三浦半島の西エリアも数えるほどしか経験がなく、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の孫子の兵法に当て嵌めると、「エリアの状況や釣況を知り事前準備や気構えを怠らなければ百釣危うからず」となる筈?ではと早速・・・

極鋭ゲームセンサー・RTと、個人的には深場のマルイカで使う極鋭ゲームセンサーを引っ張り出し、穂先のカバーを取り曲げてみて穂先部を点検、そしてセンサーにはチューンバットの短いフォアグリップを取り付け、ゼロテンションを作り出す独自のパーミングをよりやり易いように工夫(参考記事:パーミングhttp://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2009/04/26/19/ )します。

リールはRTにはジリオンPEを、センサーにはハイギアードで同船の電動リールと渡り合えるジリオン100SHL、双方のPEラインを大型ベイトリールに巻き込みながらキズや痛み具合を点検、それをまた巻き戻しながらシリコンスプレーをかけていきます。

また、先シーズン自作した仕掛けをチェック、エダ間や、一番下のスッテからオモリ迄の長さの再確認します。

去年と一昨年のスッテを整理し直し船上で使いやすいように並べ替えたり、トップガンを用意したり、他の釣りでは使わない、忘れてはならない投入器と船縁にスッテを置くマットも用意、明日の取材に備えて出来うることは全て整え、チョッピリお酒を飲んで早寝しました。

 

翌日庄次郎丸さんに早めに到着、朝倉さんをお待ちしている間に「敵を知り」の情報収集です!

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 それによると、ここのところ(2月11日現在)ポイントは亀城根周辺で水深は100mを切ってきていて、前日は70m~で好反応が確認でき、トップは80杯超の釣果で直結仕掛けを使っていたこと。

水色は澄んでいて、表水温は15℃前後。

グリーン系のスッテに反応が良かったが、それがハダカなのか布巻きなのか糸巻きなのかタイプ等は不明といったところでした。

この前情報により、「己を知り」部分を検討!

十分手巻きで釣ることができる水深(僕は100m~でも手巻きですが・汗)であること、マルイカの反応は今日も出るだろうし、その中で活性の良い、釣っていて盛り上がる場面がきっとあるだろうという予測が立てられ、その為にはスタメンスッテにグリーンを配し、深場≒ブランコで多点掛けも鑑み、直結主導の仕掛けにはするが、低活性などの状況のときは直ブラも織り交ぜ、一番上に付けたメタルのスッテの重さを利用して仕掛け全体をタルマセることも意識したり、直ブラのハリスも長めに取れるように船上で準備いたしました。

 

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 いざ出船、船は航程40分程の亀城根周辺の70m前後のポイントに向かいます。

ポイント周辺には10艘近くの遊魚船、マルイカ人気の高さを窺わせます。

移動中に仕掛けが絡んでいないか手早く確認し、竿はセンサー、リールはジリオン100HLSの組み合わせに目をやり、船のスピードがスローダウンすると共に左手にトップガン、右手に竿を握り、微速から船体を震わせてのリバース、寸時後、待ちわびた開始の合図と共にトップガンを投げ入れ、海面を割って白濁した泡を伴い沈んでいくオモリを見やりながら、ラインがガイドに擦る摩擦を軽減させる為に竿のトップを海面に突き刺すように構えオモリの着底を待ちます。

仕掛けの全長は約6.5m、ラインが70m出たところでオモリ着底、素早くラインスラッグを取りゼロテンション、両目を見開き息を潜め、今季初となるマルイカからのシグナルを待ちます・・・。

ゼロテンション後1秒・・、3秒・・、5秒・・・、ノーアンサーで一シャクリ、乗っているのか??と思いきや、海底が泥底のようで、勢い良く沈下したオモリが泥に刺さっていたのでした(笑) その証拠に、船中1匹アマダイが上がる一幕もありました!

 

流し替えてゼロテンション、今度は1秒後にトップガイドを1個近く震わす大き目なアタリ!即ガッチリとカンナに掛け80m近い水深から上がってきたのは良型のヤリイカでした。

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そしてこのファーストヒットのヤリイカこそが、これから展開するこの日の マルイカ釣りのヒントとなり礎となるのでした!

このヤリイカはレインボー泡ハダカ、すなわちハダカのレインボーのスッテに乗ってきたのですが、レインボーといっても虹のように7色の色が入っているわけではなく、レッド、イエロー、ブルーの概ね3色で構成されていて、「ではこの3色をバラして、それぞれレッド、オレンジグリーン、ブルーケイムラの泡ハダカのスッテのどの色に反応があるかを試してみよう」と思い立ちました。

そしてアタリ→アワセ→チップ(掛け損ね)、又は巻き上げ中にバラシ・・・、スッテをチェックしてみると、イエローに見えるオレンジグリーン泡ハダカに吸盤や食腕が付いています。

では、「レインボーハダカを構成する色は、1本のスッテの中にそれぞれ一部分だけ3色の色が使われているから、赤帽泡ハダカのように、スッテの頭部は赤い糸で巻いてあるの為ハダカ部分が少なく、そのハダカ部分がイエローである『赤帽イエロー泡ハダカ』はどうだろう
と、6本中、下から2番目と上から2番目に赤帽イエロー泡ハダカを付けてみたら、渋い時合、まさに今取り替えて投入したスッテに1杯づつ、ダブルでマルイカが乗っていました!

つまり、下の写真の右のレインボーハダカを構成する色を、左のレッド、オレンジグリーン、ブルーに分け配列してみると・・

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そのオレンジグリーンにやや反応があるが今ひとつの状況に、レインボーハダカのように、ハダカ+色の部分が少ない赤帽ハダカのレッド、イエロー、ブルーにチェンジすると、写真左中央の赤帽イエロー泡ハダカに好反応、上記のように仕掛けに2本配列するとそれだけにヒット、釣果の8割をGETできました!

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直前迄「敵を知らない」状況、「エリアの状況や釣況」は乗船直前の一夜漬けならぬ当日の浅漬けではありましたが、視点や思考をスイッチしていき、スッテの色の派生からこの日の当りスッテを導き出すことができました。そして、その辺りは3月1日発売のつり情報誌に詳しく掲載されています。

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 終わってみれば20杯。船中も皆さんが電動リールの中、僕だけ手巻きリールでしたが善戦できました。

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取材を無事終え、記事の構想の打ち合わせも済みホッと一息の朝倉さん(笑顔)

 

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今季は期待が持てそうなマルイカ釣り、今度は湾フグに後ろ髪を引かれながらのマルイカ釣行が続きそうです! 

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