アングラー:林 良一


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2011.9.1

〈林〉8時間耐久

毎年盛夏、鈴鹿サーキットで行なわれる8時間耐久オートバイレース「鈴鹿8耐」。

二人のライダーが交代しながら、真夏の日差しに焼けたサーキットを8時間に渡り駆け巡るこのレース、ピットには監督以下複数のピットクルー、メカニックが逐一モニターに表示されるマシンのラップタイム、順位などをチェック、我チームを勝利に導かんと一丸となって戦い抜く暑く熱い夏・・・。

 

いざ出船した船。

夏晴れの海上の照り返しは強く、無風の時などはその過酷さを一段と増し、次のポイントに移動するまで風を受けられる船長の移動の合図にホッとしたりするものです。

久比里などでは8時出船の15時沖上がりで、船に乗っている時間は実に7時間以上、船上での準備、アサリ剥きなどを加えると、鈴鹿の耐久レースを上回る時間になるかもしれません。

 一旦沖に出てしまえば交代の釣り人がいるわけでもなく、さらに海をサーキットに例えてみるならば、ヘアピンで、ホームストレートで、シケインでと、可能性があるあらゆるポイントに連れて行ってくれる船長、そのポイント毎に攻め方が異なり、ライダーがラップタイムを0.1秒縮めるかのごとく集中し、各ポイントでの一枚に対峙、攻めていきます。

まさにそんな時、その日考えていた戦略で釣り進めるのは自分一人、考え抜いた思惑と状況の差異を見つけるのも一人、トラブルがあって仕掛けを取り替えるのも、ラインを組み直すのも、竿を取り替える判断をするのも一人、自分の食事と魚の食事(エサ)を考え用意するのも自分自身、監督、ピットクルー、メカニックの役割は全部自分、チームプレーではなく完全な個人プレー、鈴鹿8耐と比べるとそれは、一人のレース、孤独な耐久なのかも知れません。

 

でも、思いを馳せながらの次の釣行への準備中など、釣友に連絡を取りながらの近況報告、情報収集などをいたしますが、連絡手段の発達した今日では、多くの仲間との情報の共有が容易にでき、実践こそ個人プレーなものの、隣合った釣り座には釣友の笑顔がある場合も多く、実は心のよりどころが多くあるものです。

 

去年のDKOの予選、厳しい展開に苦戦すればするほど浮かんでくる釣友の顔。

それは苦境に立っている僕を応援してくれているかのように皆満面の笑みなのでした。

 

今年ももうじき、ホットなカワハギ大会のシーズンがやってきます。