アングラー:林 良一


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2011.6.1

〈林〉モタレを出す釣り

オモリ着底と同時にゼロテンション、しばらく仕掛けをステイさせ、アタリが無いと見るや大きく竿先を跳ね上げ、反射的にその分のラインスラッグをリールに巻き込み、今度は竿にオモリを背負せた状態で極ユックリと竿先を上げて行き、スッテを襲うマルイカの挙動である「モタレ」などを竿先の変化によって読み取りアワセ掛けてゆく・・・

これはマルイカ釣りの一つのテクニックとも言えると思うのですが、船の揺れを極力吸収しながら徐々に上げていく竿先へのモタレ=スッテを抱いたイカの重さと考えられます。

イカがスッテを抱いた刹那、海中の定点で自然と留まろうとするイカの重さを聞き上げながら=モタレを出しながら感じることで、次のアワセの動作へと繋がっていくわけです。

 

仕掛けの重さ+αの重さの違いを感じ取る釣りに夜アナゴ釣りがあります。

夜アナゴ釣りでは、全く同仕様の短めな二本竿を使い、海底のオモリの小突きを左右の竿で繰り返し、エサを咥えていても、まだ鈎先が口の中に当てっていないアタリの初動であるその重さの違いを手感度で、また目感度=モタレで察知し本アタリに備えます。

揺れる船上で二本竿を繰り、小突きは曲げた肘で行い、船の揺れは手首で吸収しながら集中、アナゴからのシグナルを待ちます。

先日のアナゴ釣り(6月1日発売つり情報 6月15日号No.787 「名人に釣戦!」)では、潮見に反して潮がゆるく、比較的大型が上がるポイントであった為、小突きというよりも小さな聞き上げの連続で重さの差異を感じ、いわゆる居食いをしているアナゴがエサを咥えた初動を探しました。

 そうしているうち鈎が、あるいはエサの一部が魚の口の中にあり、アナゴがユルリと泳ぎだす、または潮に流されるなどすれば、それは竿先にモタレとなって表れると思いますが、状況によってはこちらから積極的に「モタレを出す」釣りも有効な場合があり、その日のモタレが出やすい早さの聞き上げ、小突きの間隔、ストロークなどを模索しアタリに繋げてみるのも楽しいものです。

 

潮の流れがなく定点でスッテを抱いているマルイカ、海底で鈎が仕込まれたエサを咥えてじ~っと居食いしているアナゴや湾フグ、タチウオ・・・

その一見変化のない状況の中、モタレを出すことによりアタリの初動に変えてみてはいかがでしょうか。