アングラー:林 良一


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2014.10.13

〈林〉数年振りの寄りフグ・Saq Sas カットウバリについて

10月11日(土)、大型の台風19号はまだ沖縄に近づいている頃、東京湾で釣る「湾フグ(主にショウサイフグ)」は数釣りができる好期を迎えています。 大場所である大貫沖、それも海苔棚周辺に群れをなす「寄りフグ」を求めて、羽田えさ政釣船店さんから、釣友のゴウちゃんこと三浦くんからのお誘いを受け出船してきました。

湾フグのエサはアカエビやアマエビ。中には「アルゼンチンアカエビ」と呼ばれるものもあり、地球のほぼ反対側で産するエビがエサとはいつも不思議に思います。そんな冷凍のエビを出船前の船上で剥き、エサの用意をします。そう、思い返せば、湾フグ釣り教室の時に時折竿は出させていただきますが、1日フグと向き合うのはかなり久し振りなのでした。

1012947_670557296376592_4147698410288130689_n.jpgそうして夜明けの多摩川を見やりながら、談笑しながらエビを剥いていると、今回ご一緒の近藤 望さんも到着し、えさ政さん常連の大熊さんから、先日のTKBで彼女が釣った可愛いカワハギの剥製がプレゼントされました。

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大熊さんはお知り合いになった方々が釣り上げた魚を、作成法を独学で学んだ剥製にしてプレゼントされています。もちろんえさ政さんの宿の壁にも飾ってあり、 僕は親子カワハギの剥製をいただいていて、以前この場でも書かせていただきました。温和で優しい大熊さんのような釣りの大先輩にお会いできてきて幸せに思っております。そんな大熊さん、個人ブログも書かれています⇒ワッペン君 東京湾小物全般

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さて、当日は北東の風が海上で7~8mとやや強いことを鑑み、自分で削った穂先では風の影響で振れてしまいアタリが取りにくいので、竿は湾フグXを、リールはTWS搭載で、湾フグのような軽いオモリでも仕掛けの落下が早いT3、ラインはPE08を巻きました。

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そしてチョイ置きトレイの中にも、カワハギ釣りの時には見慣れないエサ(笑)、Saq Sas カットウバリが!

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さて、航行1時間程で大貫沖のポイントに到着です。海底変化のあるピンスポットのポイントには、湾奥、千葉、神奈川の船が集結していて、舵を握る村石 春彦船長は、その船団の大外から様子を窺いながら船を流して行きます。

141011_090623.jpgそうして釣り進めていましたが、フグからのアタリは一向に訪れず、たまに当たるとメゴチだったり、何か重いなと巻き上げてくると小さなイイダコであったりの時間が2時間近く続きました・・・ 「三浦く~ん・・・、アタリが無いよ~~、話しが違うじゃないか~!」と、冗談を言いながらゴウちゃんに詰め寄る場面も(笑)

その後春彦船長はポイントを見切り、近くの小規模な船団付近に移動、ここでも最初はアタリが無かったものの、しばらくすると始まりました! 小型ながら活発なアタリの連続で、オモリが着底しない内にもエサにアタックしてきます!!

寄りフグを釣っていて興味深いのは、群で回遊する小型のフグを待ち、船付近に群れが来たとき釣って行くのが基本で、勿論群れが通り過ぎてしまえばアタリは遠のき、途絶えてしまいます。しかし、群が船下にいるのに活性が下がり=アタリが減り⇒アタリが極小さくなって行く ときに数を稼げるかが釣果として結果に表れます。そんな時は削った極細のグラスソリッド穂先がモノを言いますが、当日は湾フグXが活躍、8号オモリでオモリ着底⇒50cm程上げユックリと誘い下げ⇒着底⇒5秒間は完璧なまでのゼロテンションを保つ⇒その間、トップガイドのリングの幅程のアタリ⇒即アワセ それで船中誰も釣っていない時にポツポツと数を伸ばして行きます。湾フグXは、アワセを効かす為にガチガチの胴中を持った従来のフグ竿とは違い、アワセの効く張りがありながらも、掛かってからの胴の曲りは秀逸! 後に触れる Saq Sas カットウバリとの相性も抜群です!!

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隣の近藤さんが良型を釣り上げました! チラシバリのエサバリに食ってきて、水中で暴れながら、Saq Sas カットウバリがお腹に刺さっています。

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フグからのアタリが多くエサの消耗が激しい時は、殻を剥かずにエサ付けすることも一案なのですが、それでもこんな風に、中味の美味しい所だけを取って行くフグに脱帽、苦笑いしながら次のエサを付け再投入です(笑)

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「アタリが変わったな」と思うとこんなゲストが! そのまとわり付くような細かなアタリを聞くと、Saq Sas がサクッと掛けてくれました。

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終ってみると僕は47匹の釣果でしたが、その内中型が2匹ほどで小型が中心でした。特に小さなフグはカウントしてリリースしましたが、今回 Saq Sas カットウバリを1日使い通して分かったことがありました。それは、体重の軽い小さなフグをカットウバリで掛ける場合、ハリ先が鈍い軸径の太いカットウであったなら、アワセを入れハリ先がフグに当った時に、それがフグの(口先から尾びれまで真直ぐに通る)正中線から逸れば逸れるほど、フグの体の外側にハリ先がくればくるほど、鈍ったハリ先はフグを引っくり返すことしかせず、フッキングに至らないのではないかとの仮説を立ててみたのです。他社の太い軸のカットウバリでは、活発な食い、アタリの時でもチップ(重さは感じるがハリ掛かりに至らない)が連発しましたが、Saq Sas カットウバリに替えるとほぼ全てのアタリでフグを掛けることができ、アタリ⇒アワセ ではなく、アタリ⇒早い聞き でハリ先が引っ掛かったフグが泳ぎだし、自ら深くハリ掛かりさせているこを後半は実感しました。これは、マルイカのスッテのカンナにも当て嵌まることだと思います。

さらに、Saq Sas では、L、M、Sのサイズがありますが、軸径を比べてみていただくとお分かりのように、LよりSの方が線径が細く、より簡単に=小さな力でハリ掛かりさせられる体感もいたしました。個人的には「Mサイズの大きさで、Sサイズの軸径があればなぁ」などとも感じました。

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久し振りに1日竿を出した湾フグ釣りでした。柔らかい穂先での微細なアタリを楽しめ、カットウバリを精査できました。沖上りに「ゴウちゃん、何匹釣った?」と聞くと「51匹です!」と・・・。釣り教室がきっかけでお知り合いになったゴウちゃんですが、上手くなったなぁ~(嬉)

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