アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2012.11.1

〈林〉きらめくものを!

一昔以上前は、「この宿では、タルマセ釣りの○○名人」、かたや「こちらの宿では宙釣りの・・・」、「こっちではハワセの・・・」など、その釣り方に特化した名手がいらしたものです。その方々が得意としている釣り方で嵌ると、断トツの釣果での竿頭の確率が非常に高く、名実ともに金字塔のごとく大きな存在感でした。

個人的に僕はオモリを切った宙の釣りが好みなのですが、宙で食う状況になりリズムが合うと、それこそ面白いように釣れる状況があるものです。

 

現代カワハギ釣方では、宮澤さんの提唱する【ステージ5理論】に代表されるように、カワハギの状況、活性による誘い、釣り方の細分化がなされ、それぞれに合う調子の竿、鉤、仕掛けなどがカテゴライズされています。

例えば鉤を例に上げてみると、スピード、フック、ワイドフック、マルチと、大きく4種類の形があり、それぞれ「パワー」と銘打った太軸のもの、そしてサクサスと、種類と号数、そしてハリスの号数と長さを掛け算するととんでもない数字になるのですが、それをチョイスしカワハギと向き合い、以前の名手方々が得意としていた釣方全てを絡めて、1枚、また1枚と数を重ねていくのです。

 

でも、やはり僕は宙の釣りが好きで、1日釣る時間の多くを宙釣りについやすこともあり、外道がエサを追えずカワハギだけがエサを食ってくるFD(フィクスト・デプス 固定水深)釣方のリサーチに時間を割くこともしばしです。

きっと皆さんも得意な、ご自分がときめく釣り方があると思います。そのご自分の釣り方に固執してそれだけを通すのも良いと思いますし、反対にステージ5を巧みに使いこなして今の状況に当て嵌めていくのも楽しいものです。

どちらにしてもご自分で組み立てた釣り方で、まさに狙って獲った1枚を手にした時の喜びを感じる時・・・、それが釣りをする醍醐味、そして面白みではないでしょうか。

野球を題材にした某スポーツTVドラマ(映画も)では、「夢にときめけ! 明日にきらめけ!!」という台詞を掲げる熱血教師がいましたが、こと船釣りでは、「釣りにときめけ! 船できらめけ!!」なのではないでしょうか。

 

狙って獲った価値ある1枚。この意味深い1枚にときめき、是非船できらめいてください。