アングラー:林 良一


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2012.7.18

〈林〉究極のゼロテンション!?

船釣に傾注し始めた頃、「揺れる船の上から釣りをしても、あたかも堤防の上で釣っているかのように仕掛けを安定させて釣りをすることはできないものか?」と、始終考えていたものでした・・・

 

ゼロテンション

「オモリを海底に着けたままラインを張らず緩めずの状態を保つ」ことなのですが、正確には潮の流れや船と潮のズレがある為に、ややラインは張り加減、ラインに受けた潮流の抵抗が穂先を極わずかに曲げた状態を指します。

カワハギ釣りではもちろん、僕はマルイカ釣りでもゼロテンションを使いますし、2本竿を扱うアナゴ釣りやイイダコ釣りは、小突といって左右交互にオモリを底を切り、置くを繰り返します。

特筆すべきは湾フグ釣りでのゼロテンション。クロダイ釣りで使うヘチ竿の穂先よりも若干硬めに削った穂先に4号オモリをセットし、10mよりも浅い水深を攻めます。

 25号オモリやそれよりも重い号数のオモリを使う釣りでは、当然穂先も湾フグ竿に比べて硬くできていて、着底したオモリを動かなさよう、リールごと竿を握るパーミングを少し緩めてやるだけで、掌の中でリールを中心としたヤジロベエ状態になり、波によって船が押し上げられれば竿先は下がり、逆に船が下がればリールのハンドルに添えていた手で、リールのハンドルを逆回転、もともと逆回転しないハンドルなので、その動きに助けられ竿先は上を向いていきます。

ところが穂先がペナペナな柔らかな竿先の場合、前記の穂先と比べると、極わずかな力で竿先が曲がってしまい、ゼロテンションをキープする難易度が格段に高くなります。

また、カワハギの宙釣りやマルイカ釣りなど、波浪でのウネリや波により船が翻弄される中で、オモリを海中の定点に止める竿の操作をしなくてはならず、胴の張った竿の場合はより神経を研ぎ澄まして竿の操作をしないことにはアタリすら見つけることができません。

 

そういった難しい面も持ち合わせてはいるゼロテンションですが、「あたかも堤防の上で釣っているかのように船上で仕掛けを安定させて釣りをする」ことができれば、釣る魚種、状況によっては大きなアドバンテージに成り得ることもあります。

 

「柔らかなのに極上の感度のカワハギ竿」がリリースされそうな今季(ホント?)!

誘った後のゼロテンションでカワハギが鉤を咥えたアタリを柔らかな穂先で目感度で、そして、圧倒的な感度で手感度でも感じ、間髪入れずに聞きアワセに入ったとき、その胸ときめく瞬間が連続して訪れるのももう少し!!

ニューロッドを腕の延長にできたと実感して船を降りたとき、これも釣りをやっていて至福の時ではないでしょうか。