〈林〉マーケティングとの接点
今世の中で何が求められているのか?
どのような物が売れ、時節の流行は何か?
デザインは? カラーは? サイズは?
等など、ある物を作ってそれを市場に出し売る場合、マーケティング調査をして、大多数の方々が求めている物をリリースして行けば、理屈ではそれはきっとそれなりの売れ筋商品となるのではないでしょうか。
とある歌手の場合、次回のアルバムに収録して欲しい曲をファン投票をしてランク付けし、上位からアルバムに組み込んで大部分のファンの満足度を得ることで売り上げに貢献させている手法を見たことがありますし、言わずと知れた人気歌手では総選挙と銘打ち、メンバーの中で最も人気がある一人を選出させていたりしています。
釣りの場合もこのマーケティングの手法との接点が多くみ見られるように思います。
それは、商品をどのように売るのかではなく、今まさに海の中に居る魚はどのような状態で、どんな気持ち、何をプレゼンテーションしてもらいたいのかということです。
例えば春、一年を通して水温が最も低い時期、海中では陸上での真冬の様相だと考えられます。
カワハギの場合など低水温の為に当然低活性、大きなエサ、早い動きのエサには反応せず、より小さなエサ、ごくユックリとした誘い、または止めていることが誘いだったりと、水温だけでもこのようなことが考えられ、それにエリアの違いや潮流や濁り、天候などでも、そのときの魚の心情をマーケティングよろしく思い窺い戦略を立てていくことが肝要かも知れません。
(今は夏に向って行っているのですが・汗)こんな冬の一時を想像してみてください・・・
窓の外は雪が深々と降り続きマイナス気温、コタツに入って背中を丸め、鍋焼きうどんに舌鼓、さて、デザートにみかんでも食べながらヌクヌクとテレビに見入っているとします。
時折窓に吹き付ける雪、ふと気付くと窓の外すぐに、「みかんを食べませんか?」と、両手にみかんを持った人が立っていたとします。
「なんだあの人・・、こっちは暖房効いててコタツも暖かくって、みかんだってあるもんねぇ~」となることでしょう。
でもですよ、その人がもし大好きな芸能人だったら、即リアクションバイトしてしまうのではないでしょうか。
リアクションバイト=反射食い とも言え、「こちらは暖かいのに、寒いところにわざわざ・・」などの考えをスポイルさせてしまう条件による反射なのですが、そういったテクニックを釣りに応用してみては、などの考え方も大切だと考えています。
バーゲン会場で、ワゴンに山積みになった商品目掛けて目の色変えて殺到するお客さん。
まさに海の中で魚達がそんな状況のときにマーケティングは必要ないかも知れません。
きっと我先と鈎が仕込まれたエサに突進していき、エサが足りなくなるほどの入れ食いでしょうから。